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番外編(※書籍化本編のif)
if~もう一つの選択~<ヴィクトリアside>最終話
「ここに来てから、もう何年経ったのかな…?」
傷ついたフィルを助けたい一心で純潔を散らしたあの日から、全てが変わってしまった。
自分がサキュバスとなってしまったことには、とても驚いたけれど、後悔はしていない。
だって、そのお陰でフィルを助けることが出来たのだもの。
フィルとナハトは、私にとって大事な存在。
二人を知れば知るほどに、二人の存在は私の中で大きくなっていく。今もずっと。
あの後、エリック様たちがどうなったのか、気にならないと言えば嘘になる。
乙女ゲームのシナリオは?ヒロインのクラリスは?
知りたいと思うことは多々あるけれど、フィルとナハトの二人には聞けない。
家を出て二人と生きていくと選択したのは私なのに、私がそんなことを訊いてしまったら、変に気を遣わせてしまうかもしれないもの。
――だから、これでいいの。
「……お父様はお元気かしら?」
何気なく呟いた言葉。
ガタンという音が聞こえて振り返ると、そこにはフィルとナハトがいた。
二人の表情を見て、何故だかギクリとしてしまう。
「ヴィクトリア様……」
「もしかして、公爵邸へ帰りたいのか?」
酷く緊張して、喉がカラカラになる。
この張り詰めた空気は一体何なの?
「…違うわ。ちょっと気になっただけ」
「本当に?」
「ええ。それより、二人とも何処へ行っていたの?買い出し?」
話題を変える為に、私は二人が留守にしていた理由を訊く。
いつも必ずどちらが一人は洋館に残るのに、二人揃って出掛けるなんて、あまりに珍しいことだったから。
そうして気付く。二人の衣服が汚れていることに。
「何かあったの?服が汚れているし、破けている。まさか、魔物に襲われたの?」
急いで二人に駆け寄って、怪我をしていないか身体をチェックする。
すると、フィルは腕、ナハトは首筋に何か鋭いもので切ったような切り傷があるのを見つけた。
「怪我してる!早く手当を……っ?!」
言いかけて、突然フィルに唇を塞がれてしまった。
そうしてそのまま横抱きにされ、ベッドへと運ばれてしまう。
「ひゃあっ?!」
そのまま倒れ込むように、勢いよくベッドへ三人で雪崩れ込むと、頭上で両手を拘束され、着ていたワンピースをあっという間に脱がされてしまった。
いくら年中あんなことやそんなことをしているからって、流石に恥ずかしいのですが?!
「ま、待って二人とも!食事よりも先に手当をしないと…」
「……て差し上げます」
――え?
何を言ったのか、聞き取れなかった。
もう一度言ってもらおうと思って口を開いた瞬間、今度はナハトに唇を塞がれてしまう。
「んんぅっ…!なは…っ?!」
口内へ蹂躙するナハトの舌に、頭がクラクラする。
二人のキスはいつも気持ち良過ぎて、すぐに何も考えられなくなってしまう。
だから駄目だと言いたいのに、少しの隙さえ与えてくれない。
濃密なキスをされながら、ナハトが私の胸を両手で包み、その先端をカリカリと刺激してくる。
キスによって飲み込んでしまった、催淫効果の高いナハトの唾液のせいも相まって、身体が一気に熱を持つ。
「んんーー?!」
次の瞬間、生温かいヌルリとした感触が、私の敏感な花芽に触れた。
いつの間にかフィルが、私の両足を開いて、ガッチリと両手で閉じないようにホールドしている。
そして、既にしっとりと濡れてしまっている秘部を舌で嬲り始めたのだ。
――駄目♡駄目♡♡駄目なのにっ♡♡♡
口の中も、カリカリされてる先端も、ヌルヌルと舐められている花芽も、全部気持ち良過ぎておかしくなる♡♡
「はっ…んぅ♡♡んんっ♡♡」
カリカリカリカリカリカリカリカリ♡♡♡
ヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌル♡♡♡
「…っ…ヴィクトリア……腰が揺れてる」
「下の口から、こんなに沢山の涎を垂らして……淫らな口ですね」
気持ち過ぎて腰が自然と揺れてしまう。
恥ずかしいのに、カクカク動いてしまうのを止められない…っ
「ん…っ、今はだめ……だって、怪我を…」
二人は怪我をしているのに。
こんなこと、している場合じゃ…
「こんなかすり傷、すぐに治る」
「ええ。ヴィクトリア様の精気に触れていれば、あっという間ですよ」
「あぁっ♡♡♡」
ナハトが胸の先端を口に含んで、ちゅうっと強く吸い始めた。
それと同時に、フィルも勃起した花芽にちゅうっと吸い付いてきた。
強すぎるゾクゾクとした快感に、一気に絶頂へと駆け抜けていく。
「らめぇ♡♡イッちゃう♡♡イッちゃうからぁ♡♡」
「イケよ。俺とフィルの前で、いつもみたいに恥ずかしい愛液を飛び散らせながらイッちゃえよ」
「今日はまだ、淫らな下の口に触れてもいないのに」
ぢゅううぅううううううううう♡♡♡
ぢゅううぅううううううううう♡♡♡
「あーーーーーーーーーーーっ♡♡♡」
二人に同時に強く吸われて、プシャアア♡♡と言われたままに愛液が飛び散ってしまう。
「あーあ。盛大にイッちゃったな」
「まるでお漏らしみたいですね」
ただでさえ恥ずかしいのに、二人の言葉で、更に羞恥心が増していく。
何年も一緒にいて、食事の為に幾度も身体を重ねているのに、未だにこの瞬間が恥ずかしくて堪らない。
いずれ慣れると思っていたのに、どうして慣れないのだろう?
「ひゃああああんっ♡♡♡」
達したばかりで敏感になり過ぎている今この瞬間を、二人は見逃してくれない。
ナハトは右胸の先端を口に含んで舌でレロレロと転がしながら、左胸の先端を指で捏ねてピンピン弾く。そしてフィルは先程よりもじゅるじゅると卑猥な水音を立てながら、花芽を舐めしゃぶり、上へ下へと秘裂に舌を這わせていく。時折、舌先が蜜穴に触れて、その瞬間ぞわっと肌が粟立ち、お腹の奥が一層切なくなる。
「らめぇ♡♡イクイクっ♡♡イッちゃうから止まってぇえええ♡♡♡」
「絶対止まらねぇ。ヴィクトリアのイキ顔、もっともっと見たい」
「さぁ、ヴィクトリア様。もう一度、はしたないお漏らししましょうか。それが出来たら、指を挿れてあげますね?」
「ぃ…やぁあああああんっ♡♡♡」
プシャアアアアッ♡♡♡
恥ずかしいのに止められない。
絶頂の余韻で身体が震えたまま、息も絶え絶えにくったりしていると、そんな私の目の前でフィルがナハトの前に自分の手を差し出した。そして、ナハトは何の躊躇いもなく、フィルの指をぱくりと口に含む。
目の前でフィルの指を丹念に舐めるナハトを見て、二人が何をしようとしているのか気が付いた。
「待っ…」
陽が沈み、室内が薄暗くなると、二人の深紅の瞳が光って見えた。
その口元は妖しく弧を描き、笑みを浮かべている。
二人が纏う隠しきれない壮絶な色香。
――次の瞬間には、私の悲鳴のような嬌声が室内に響き渡っていた。
◇◇◇
一体何時間、三人で交わり続けているのか。
快楽で何も考えられなくなった私のぼんやりとした瞳に、二人の瞳が映る。
その瞳は濁っているように見えた気がした。
「ふぃ…る……なは……あぁあああっ♡♡♡」
二人がかりの丁寧な愛撫に、私の身体がビクリと仰け反る。
身体中全部、性感帯になってしまったかのようで、どこに触れられても快楽しか感じない。
代わる代わる二人に蜜壺の最奥を穿たれて、花芽や胸の頂を散々可愛がられて、サキュバスにとってのもう一つの性感帯である尻尾も根元から先っぽまで散々舐めて、擦られて。
――視界が弾ける…っ、絶頂から戻ってこれない……♡♡♡
「もう……だ、め……おねが……っ♡♡♡」
懇願しても、二人は決してやめてくれない。
むしろ、更に激しくなってしまう。
二人の様子がおかしい。それだけは分かるのに、身体はもう疲労で動けず、止めることができない。
「…大丈夫です、ヴィクトリア様。どうか、私たちのことだけをお考え下さい」
フィル……?泣いているの?
「そうだ。余計なことは何も考えなくていい…っ」
ナハト?…どうして、そんなに辛そうな顔をしているの?
私が不思議に思って僅かに眉を寄せると、二人は口を揃えてこう言った。
「全て、忘れてしまいましょう。私たちの世界に必要のないこと全てを。」
「全部、忘れてしまえ。俺たちの世界に必要のないこと全部。」
――胸が痛い。胸が、頭が、割れてしまうかのように。
私は力の入らない手を必死に伸ばして、二人を抱きしめる。
フィルとナハトが何を思い、何を考えているのか、私には分からない。
だけど、二人が悲しむのは嫌だ。
濁った瞳で涙を流す二人に、私は「いいよ」と答えた。
フィルとナハトの深紅の瞳が大きく見開く。
「だって、この世界で一番大切なのは、フィルとナハトだもの。だから私は――……」
…………
……
――だから私は選んだ。二人が悲しまない未来を。
大丈夫。きっと後悔なんてしない。だって、ずっとずっとフィルとナハトと一緒だもの。
あの時の”約束”通り、決して違えることなく、ずっとずっと。
Fin
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