【R18】傷付いた侯爵令嬢は王太子に溺愛される

はる乃

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本編

狂った歯車★(一部修正しました10/28)

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「待って……そんなに、しちゃ……ああぁあああ♡♡♡」

ジュポジュポと中に出たり入ったりする卑猥な音。あまりの気持ち良さに、私は甘い声を上げながら、身体を弓なりにしならせる。

こんなの知らない。
あんなに嫌だった行為が、こんなに気持ちが良いなんて、何かの夢に違いない。

「可愛い私の大事なマリアンヌ。もっともっと気持ち良くなろうね?」
「ひっ?!あっ♡♡らめ……奥っ……やあああん♡♡♡」

最奥をグリグリされて、私は目の前が真っ白になり、あまりの気持ち良さから絶頂を迎えてしまった。プシャッとはしたなく私の蜜口から大量の蜜が溢れるけれど、彼は一向にそのガチガチに硬くなっている己の欲望を抜いてくれなくて。

「い、いやっ♡♡今、イッたばっかり、なのに……♡また奥っ……」
「君のイキ顔は凄くそそるね。奥が大好きなんだよね?ほら、沢山グリグリしてあげるから、もっともっとその顔を見せて?」
「ひぅっ♡♡あっあっ♡♡~~~~っっ♡♡♡」

最奥を何度も何度もグリグリされて、私の身体はビクンビクンと痙攣しながら何度も続け様に絶頂を迎えてしまう。二人の接合部分は私から溢れた蜜でドロドロだ。いっそ、彼が達してくれれば、この甘過ぎる拷問のような情事を終わらせられるのではと思うけれど、彼にはまだまだ余力がありそうで。

「下の欲しがりなお口が涎まみれだね。余程私の肉棒がお気に召したのかな?」
「違っ……涎、なんかじゃ……」
「ほら、私の肉棒を離すまいと必死に締め付けて、吸い付いてくる。君は中身だけじゃなく、身体まで健気で可愛いんだね。そんなにまで私の子種を欲しがってくれるなんて……♡」
「あっ♡ああぁあああ♡♡イクッ……!またイッちゃ……♡♡らめぇぇぇっ♡♡♡」

花芽を嬲られながら、最奥ばかりをひたすらに攻められて、身体中を快楽に支配されてしまい、もう私は限界だった。
達しても達しても終わらない情事。
やがて私の意識が遠ざかり始めた頃、彼はやっと私の中に白濁とした欲望を吐き出した。

(あったかい。……なに、これ……すごく、気持ち良い……♡♡)

彼の熱があまりに心地好くて。
私の中の理性までぐずぐずに溶けていってしまう。身体はもうクタクタで限界な筈なのに。

「マリアンヌ。私の子種は美味しいかい?もっと欲しい?」
「もっと……欲し、い♡」
「いいよ。なら、もっともっと愛し合おう。沢山沢山、私の子種を注いであげるからね」
「~~~~っっ♡♡♡」

もう何も考えられない。
彼から注がれる度に、何故だか余計に中が蕩けて、気持ち良くなっていく。
彼のでいっぱいになった中を、全く萎えない彼のガチガチな硬い欲望でぐじゅぐじゅと掻き混ぜて、最奥をグリグリと突き上げられる。それがあまりにも気持ち良くて気持ち良くて堪らない。彼が優しく花芽まで指で愛撫するから、私はまたしても高みへと導かれ、快楽へと呑み込まれてしまう。

こんな筈じゃなかった。
だって私は、私は――――……


……………………
…………


始まりは一年と少し前。

「すまない、マリアンヌ。今日をもって君との婚約は白紙にさせてもらう。私は真実の愛に目覚めてしまったんだ」

ずっと良好な関係を築いていた婚約者から、突然婚約を白紙撤回された。
彼の隣には、可愛らしい顔立ちの美少女が居て、彼の後ろに隠れるようにして寄り添っている。

(何故?どうして?)

何の整理もつかないまま、彼との婚約は破棄されて、私の地獄が始まった。
婚約破棄されてしまった私は、王族である王太子殿下に捨てられた令嬢として、手の平を返したように周囲の人間達から見放された。
きっともう、マトモな縁談などくる筈もない。その二週間後に学院を卒業してから、私は若い女好きのヤデル伯爵家へと無理矢理嫁がされた。
潔癖で冷徹な両親にとって、婚約破棄された娘なんか、ゴミ同然だったのだ。

『我が家の恥だ』
『お前の顔なんて二度と見たくない』

そうして嫁がされたヤデル伯爵家。
ヤデル伯爵はお世辞にも素敵とは言い難く、歳は私よりも二十歳上で、その醜い容姿は、でっぷりと太ったウシガエルのような男だった。

こんな男と夫婦になるだなんて。

長く長く楽しむ為だと、ヤデル伯爵は下卑た笑みを浮かべて、結婚式の前に、私に避妊薬を飲ませた。
そうして、その日の夜。初夜は最低最悪だった。

無理矢理身体を暴かれ、強引に処女を奪われて。
どれだけ痛いと泣き叫んでも、伯爵は止めてくれずに、最後には顔を殴られた。

『その綺麗な顔をこれ以上殴らせるなよ。歪んだらお前を娶った意味が無くなるからな』

その日から、暫くの間は二日と空けずに身体を求められた。使用人は誰一人として助けてくれず、暴力に怯えて、私は泣く泣くヤデル伯爵をこの身に受け入れるしかなかった。
半年程経つ頃には流石に私の身体にも飽きてきたようで、伯爵は娼館へも足を運ぶようになり、それまでよりは犯される頻度が減った。
心底ホッとしたけれど、それでも必ず一週間と空けずに私のもとへやってくるヤデル伯爵はとてもおぞましくて恐ろしく、私は怯えながら日々を過ごしていた。

そんな日々が一年ほど続いた。

身も心も疲れ果て、私は死を考え始めた。もう生きていたくない。
私が一体何をしたというのか。
前に笑ったのは、一体いつだっただろう?

(……どうしてこんな事になったの?)

死んだら死後の世界で、また笑えるかもしれない。

そう思い至った時。
突然ヤデル伯爵邸内にガシャーン!!という、何かが割れるようなけたたましい音が響き渡った。

賊でも入り込んだのだろうか?

監禁されるように、ずっと寝室のベッドに繋がれていた私は、逃げることも出来やしない。今度は賊に犯されるのだろうか?私にとっては何も変わらない。相手が変わるだけだ。
むしろ、相手が賊であるならば、殺してもらえるかもしれな――――……


「マリアンヌ!!」


私は息を呑んで、耳を疑った。

これは幻聴だろうか?
彼の声が聞こえる。
ずっとずっと良好な関係を築いていた、元婚約者。
なんの前兆もなく、突然私を切り捨てた、元婚約者。

――――フェリクス王太子殿下の声が。


* * *
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