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本編
フェリクスの情欲②★
しおりを挟む「あぁっ♡♡~~~っっ♡♡♡」
もう何度達したのか分からない。
王太子宮、フェリクスとの寝室にて、マリアンヌはあれから幾度となくフェリクスの舌や指でイカされ続けた。
シーツには、まるで粗相でもしてしまったかのような大きな染みが出来、マリアンヌはあまりの羞恥で身体中を熱くさせ、その瞳を滲ませた。
そうして、フェリクスがトロトロに蕩けきったマリアンヌの蜜口に、やっとガチガチになっている熱くて硬い自身の欲望を、濡れ具合を確かめるようにしながら当てていく。
「あっ♡あっ♡」
「凄いトロトロだね、マリアンヌ。下のお口がヒクヒクしながら、私のコレを欲してくれているみたいだ。……中に欲しい?マリアンヌ」
ヌルヌルとそそり勃つ欲望を蜜口に擦り付けていくと、マリアンヌはそれだけで身体をビクリと震わせて甘い嬌声を上げてしまう。
気持ち良くて堪らない。
(中に入ったら、もっと……)
マリアンヌの身体は、既に覚えてしまった。抱かれる度に、しっかりとその身に刻んでしまったのだ。
愛するフェリクスに抱かれる事は、壊れてしまいそうな程に、溺れる程に気持ちが良いと。
フェリクスの欲望が自身の中に挿入されて、奥の奥まで突かれる事を期待してしまっている。あまりの快感と、フェリクスからの愛が、あまりに心地好く、幸福で。
まさか自分が、欲しがるようになるだなんて、全く予想だにしていなかった。
マリアンヌは両腕を伸ばし、フェリクスにぎゅうっと抱きつくと、ポロポロと涙を溢しながら掠れる声で答えた。
「欲しい、です。挿れて下さ……っ……フェリクス、さま♡」
「……っ」
「貴方と、ひとつになりた――――」
言い掛けて、マリアンヌは一瞬言葉を詰まらせ、息を止めた。
フェリクスが、己の欲望を一気に最奥までズンッ!!と突き入れたからだ。
あまりの快感に、マリアンヌは入っただけで身体を弓なりにしならせてビクビクと達してしまう。
けれど、フェリクスはマリアンヌが達している最中も、何度も何度もギリギリまで引いては最奥まで突き入れ、ソレは子宮口へも届いていた。
子宮口を突かれる度に、マリアンヌは堪らない快感の波に襲われて、すぐにまた絶頂へと昇り詰めてしまう。フェリクスがマリアンヌの赤く充血した花芽を同時に可愛がり始めると、もう駄目だった。
「ひゃああああんっ♡♡♡らめっ……壊れちゃっ……♡♡あああああっ♡♡♡」
「……くっ……マリアンヌ……!もっと、もっと気持ち良くなってくれ……!」
「おくっ……だめぇええっ♡♡~~~~っっ♡♡♡」
「かわい、い……っ……好きだ、マリアンヌ!……愛してる……!」
「ふぇり……っ……っっ♡♡♡」
マリアンヌの中で、フェリクスの欲望は更に熱量を増していく。
気持ち良すぎて、もう何も考えられない。
やがて暫くして、フェリクスが自身の欲望を中へ吐き出すと、マリアンヌは更に深く深く快楽の底へと溺れていく。頭の中が真っ白になり、意識を失いかけても、身体はずっと甘く痺れていて。
二人の情事は空が白み始めるまで続いたのだった。
……………………
…………
翌日。
フェリクスは既に仕事をしていた。
マリアンヌは朝まで激しく抱いてしまったので、昼過ぎまで目を覚まさないだろう。
(……マリアンヌ……)
不意に昨夜のマリアンヌを思い出し、フェリクスは思わず自身の胸を押さえた。毎日毎時毎秒マリアンヌは可愛い。だが。
(昨夜のマリアンヌの可愛さは異常だっ……!嗚呼っ、マリアンヌ……!)
マリアンヌが愛しすぎて辛い。
やっとこの手に掴むことが出来た。焦がれて止まなかった愛しい人。
マリアンヌの為にも、早々に面倒事は終わらせてしまわねば。
そうして、フェリクスは届いたばかりの報告書に目を通していく。
年内に始まるであろうヴァルリア王国との戦争。
フェリクスは正規軍の他にも戦力増強の為、各領地の管理を任されている貴族に、数年前から自領で抱えている騎士団や私兵団を出してもらえないかと願い出ていた。
治安が乱れないか少し不安だが、各領地には自警団も居る。
フェリクスが今目を通している報告書は、戦争へ参加する事に同意し、既にその為の準備を整えている者達の経過報告書だ。
報告書に目を通していくと、とある名前を見つけた。前の報告書では見なかった名前だ。
途端、フェリクスの瞳が氷のように冷たくなり、口元を歪ませる。
『我等貴族は、国と民を守るべき盾であり矛である!!』
前までは参加の意向を見せなかったくせに、突然滑り込んできた、とある侯爵領の騎士団。
(ヤデルが処刑されたからか?)
彼等は潔癖で、誰よりも貴族である血統を誇り、名誉を欲し、汚名は許さない。
彼等は犯罪には手を染めていない。けれど、早く一族の恥を消してしまいたいと、焦った結果。彼等は自らヤデル伯爵と繋がりを持ってしまった。
貴族達は噂好き。
ある事ない事言われ続け、潔癖な彼等はそれらを払拭するべく戦争への参加を表明したのだろう。
参加表明文を見て、フェリクスは嘲笑を浮かべる。
(娘を捨てたくせに)
使えるものは全て使ってやる。
一番過酷な場所で。
「……貴族とは、民を守る為に居る。潔癖過ぎる彼等には、その役目をしっかり果たしてもらわねば」
――――その命を賭して。
* * *
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