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本編
例によって例の如く
しおりを挟む端的に言うと、逃げました。
やはりマックスに魔力操作のアレを見られたら、ちょっと立ち直れそうに無かったので……
授業を抜ける理由として急な体調不良だと嘘をついた為、ペアになってくれてたマックスが保健室への同行を買って出てくれた。嬉しいけど仮病なので罪悪感が酷い。
ちなみにアルは今回、どうしてもペアになって欲しいと言ってきたデラクール伯爵家の令嬢と組んでいる。どうやらデラクール卿とうちのお父様は昔からの付き合いがあるそうで、どうしても断れなかったらしい。
そのデラクール伯爵令嬢は、アルに気があるみたい。アルにその気は無いようだけど……
すっかりイケメンに育っちゃったもんね。お姉ちゃんは嬉しいやら寂しいやら複雑な気持ちだよ。いつも傍に居てくれた私だけの天使はもういないのだろうか?ぐすん。
私がマックスと保健室へ行く事になった時、アルも付き添いたいとジードリッヒ先生に申し出てくれていたが、ペアのデラクール伯爵令嬢が今日の課題である防御魔法を上手く発動させる事が出来ていなかった為、アルの申し出は却下されてしまった。
ごめんね、アル。お姉ちゃんは仮病だからそんなに心配しなくても大丈夫です。後で事情説明するね。
本当にごめん。
そんな訳で、私は今、マックスと一緒に保健室へ向かっているのですが……
例によって例の如く、私はお姫様抱っこされていた。
「……マックス、あの、降ろしてくれませんか?」
「駄目です。まさか体調が悪かったなんて、気付かずにすみません。責任を持って、俺が保健室までちゃんと運びますから」
「いや、でも、重いですし……」
「前にも言いましたけど、アリスは全然重くないですよ。体調が悪いのですから、俺の事は気にせず甘えて下さい」
嬉しいけど、本当はピンピンしてるから甘える事は出来ないです。
無駄に心配かけてごめん、マックス。お馬鹿な私を許して。
「マックス、あの、私……」
「アリス、少しバランスが悪いので首に腕を回して下さい。その方が安定しますから」
なんだって?!
マックスの逞しい首回り触り放題?!
はっ!いかんいかん、また煩悩にやられるとこだった。
邪心は捨てろ、アリス。これは落ちないように安定させる為だから。
私は恐る恐るマックスの首に両腕を回した。
「う……」
「アリス?」
思っていたより、顔と顔との距離が近くて、私の思考は急停止してしまった。もともと赤くなっていたけど、今の私は更に真っ赤になっていると自分でも分かる。だって物凄く顔が熱いもの。
「……アリス」
「な、なんですか?」
「顔が真っ赤ですよ?もしかしたら熱があるのかもしれませんね」
「熱なんてないです……」
本当に申し訳ない。
「ですが、本当に真っ赤ですし」
「そ、それはマックスが……!」
「俺が?」
「いえ、その……」
「……保健室、もう少しですから」
「…………」
何故だろう。
恥ずかしくて今すぐ離れたい筈なのに、あと少しで終わると思ったら、今度は急に寂しくなって、私は思わずマックスにギュッとしがみついた。
「……っ、アリス?」
「ほ、保健室まで、だから」
私がそう言うと、私をお姫様抱っこしているマックスの手にも力が篭った。そして、少し掠れるような声が、擽るように私の耳に響く。
「心細いなら、保健室に着いてからも傍に居ますよ」
…………………………………………………………………………………あかん。
鼻血出そう。
* * *
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