(BL) オープンゲイとバイを隠している青年

☆RRR☆

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〈第2話〉ホゲているが喧嘩が強いニコラス姫(←ゲイです)

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マックスはベッドの上で膝を抱えていた。
ニコラスにバイセクシャルであることがバレた。それが、頭の中で何度も何度も繰り返される。

「もう…大学なんて行きたくない…」

登校拒否という選択肢が脳裏をよぎる。
だが次の瞬間、自分の中で何かが反発した。ニコラスのせいで、自分の人生をドブに捨てるなんて――冗談じゃない。

もしあいつが余計なことを言いふらしていたら、その時は――闘ってやる。そう、覚悟を決めた。

――そして次の日

恐る恐る大学の講堂に入った。このプログラムはニコラスと同じだったため、ニコラスが自分のセクシャリティを言いふらしている可能性がある。

が、思いのほか人々は変わらなかった。いつもと同じだ。マックスは胸を撫でおろした。



だが、ほっとしたのも束の間だった。
マックスの不安の原因――ニコラスが、まるで待ち構えていたかのように自分の席の前に現れた。

「あ……」

マックスが視線を向けると、ニコラスはまるで子どもが好きな人を見つけた時のような、無邪気な笑みを浮かべていた。
その様子に、マックスの胸の奥で苛立ちがふつふつと湧き上がる。

とはいえ、もし本当に何も言いふらしていないのだとしたら、こちらが騒げば損をする。
マックスは、感情を押し殺しながら、なるべく刺激せぬよう、無視を決め込むことにした。

だが――

ニコラスはお構いなしに身をかがめ、マックスの顔のすぐ近くまでひょいと顔を寄せた。
そして、いたずらっぽくささやいた。

「アタイ、今日パンツ穿いてないの」

……思考が一瞬で凍りついた。
マックスは硬直したまま、何も言い返せなかった。




いや、それはスカートをはいた女性が言うことに意味があるのであり、ズボンをはいているニコラスが言ったところで意味ないだろ。
と思ったがマックスは指摘するのも嫌になり顔をしかめてみせた。

すると、ニコラスは目の前で尻を突き出しふりふり尻を揺らして見せた。

「おいやめろ!」マックスはとっさに反応した。

それをよそにニコラスは「ふんふふ~ん♡」と歌って聞かなかった。

しかし、腹が立つ前にマックスは心の奥底で(この尻は悪くない)と思ってしまった。



そんな自分が情けなく思えた。
「クソッ!!!」とマックスは叫ぶしかなかった。


――そして、午前の授業が終わった。



マックスが廊下に出るなり、ニコラスが走ってついてきた。

「ねぇマックスちゃん!今日の僕のお尻どうだった?」

「は!?おまえの尻なんてただ汚いだけだ!俺に二度とケツを向けるな!」

ニコラスは自分の秘密をばらす気でいるのか?・・・・。マックスが一番恐れていた展開になりそうで肩に力が入る・・・そしてニコラスは嬉しそうに話し始めた・・・

「だってマックスちゃんアタイと仲間じゃ~ん」

そう言う途中でマックスはカバンを投げ、ニコラスの胸ぐらをつかんだ。



「おまえ、俺は忠告したよな・・・?」

しかし、事態は突然急変した。

マックスが怒りに耐えきれずニコラスの胸ぐらをつかんでいたその背後から――まるで雷が落ちたかのような、低く響く声が廊下全体に轟いた。


「おいニコラス!!おめぇこの学校で誰が実権を握ってるかわかってねえだろ⁉ 舐めた態度とってんじゃねえよ」


声の主は、この学校のラグビー部のエース――ジェイコブだった。
ごつい体格を揺らしながら、怒りをまとった勢いでニコラスに向かって突進してくる。

その異様な空気に、マックスを含む周囲の学生たちは一瞬で静まり返った。

だが、当のニコラスは動じる様子もなく、にこりと笑ってマックスに振り向いた。

「マックスちゃん、ちょっと失礼するわ!」

そう言い残すと、まるで軽やかな舞台俳優のようにステップを踏みながら、ジェイコブの目前へと向かっていった。

ジェイコブの拳が唸りをあげて振るわれる――が、ニコラスはそれをするりとかわす。

次の瞬間、

「ふんっ!」

という声とともに、彼の右ストレートがジェイコブの顎をとらえた。

鈍い音が響き、ラグビー部のエースがぐらついた瞬間――

今度は容赦のない膝蹴りが、その腹部に叩き込まれる。

「ぐっ……!」

ジェイコブが呻き声を漏らす。
その場にいた全員が言葉を失い、廊下は完全な静寂に包まれた。



ニコラスは、乱れた前髪をくるりと指で払いながら、涼しい顔で立っていた。 
そうしてニコラスは威嚇するように叫んだ

「魔法少女に立てつくな!!」


いや魔法少女?あいつは一体自分をなんだと思っているんだ!?とマックスはいろいろ追いつかなかった。


「アタイの美しさに嫉妬するな!!」


もうマックスはニコラスの喧嘩の強さとわけのわからなさで混乱した。




――結局、ジェイコブは破れ、背を丸くしながら逃げて行った




「ふぅ~。ごめんねマックスちゃん、ちょっとあのラグビー部のジェイコブってやつが立てつくから」ニコラスは文句を言っていた。

その喧嘩をみたマックスは、(ニコラスには到底かなわない・・・)と悟り、ニコラスには喧嘩を売らないようにしようと思った。

とにかくこれからは「お仲間」だとか言われても知らないふりをしてかわそうと決めた。

そう思っていたところ、メリッサがニコラスと自分のほうへ走ってきた。
「ねぇ二人とも、聴いて!この街やばくなるかも!」メリッサは青ざめた顔をしていた。



「あら、どうしたのひよこちゃん?」ニコラスもつられて真剣な顔になっていた。

「昨日の夜、この街でオープンしたLGBT向けのカフェが襲撃にあったみたいで・・・聞いた話なんだけど・・・」

「襲撃・・・!?」

「カフェの中が襲撃されたわけじゃないんだけど、そのカフェの外で何発も空に向けて銃を撃つ人がいたみたいで・・・まるでLGBTの人々を威嚇するようだったとその場に居合わせた人は言っていたわ・・・」

ニコラスとマックスは青ざめた。

「だから、ニコラス、あなた、気を付けたほうがいいわ・・・あのカフェは結局店じまいしてしまったらしいけど、他にLGBTの店があるとするなら、そこへは行かない方がいいわ」

「わかったわ、ひよこちゃん・・・アタイ、外ではLGBT活動は控えるわ」


――それから、店への威嚇事件のニュースが大学の教員たちに知れ渡り、地元のテレビでもニュースになった。



それから、午後の授業中、マックスはずっとその事件のことを考えていた。

(やはりLGBTをカミングアウトするということは保守派の多い州では難しい・・)と思った。

しかし同時にそれでも堂々とカミングアウトしているニコラスのことを尊敬してしまう自分がいた。
(しかも、ニコラスのやつ、あの偉そうな超LGBT差別主義者のラグビー部のエース、ジェイコブを黙らせるなんて・・・凄すぎる・・・)内心、ニコラスの生きざまをかっこいいと思った。



しかし、マックスには真似できる生きざまではないとも思った。そして、女も愛せるバイセクシャルがあえてカミングアウトするのはただ危険を増やすだけではないか?そう思った。

――そうして、午後の授業もおわりスマホを観ると、SNSの通知が50件を超えていた。



恐る恐る通知を開いてみると・・・おぞましい内容のコメントとDMが届いていた。

「マックス!よかったな!ニコラスがおまえのこと好きだってwww」

「もうおまえら付き合っちゃえよ!www」

「ニコラスのやつ、今日パンツ穿いてなかったって!wwwよかったな!」

そして最後に、ニコラス本人からDMが来ていた
「マックスちゃん、アタイ、マックスちゃんのSNSアカウント教えてもらったわ!私のアカウントをフォロバして!」

マックスは青ざめた。

逃げるようにして大学を飛び出した。走って家に帰った。

そのところを後ろから猛スピードでニコラスが追いかけてきた。

「マックスちゃん!!大丈夫よ!マックスちゃんのことはなにも言ってないから!!」ニコラスは必至で叫んでいた

それを聴き、マックスは立ち止った。ニコラスと正面衝突することは避けていたが、文句は言ってやろうと思った。

「ニコラス!!おまえはなんで余計なことばかりするんだ!俺はLGBTの仲間にはならない!!」

「わかってるよ・・・マックスちゃん」ニコラスはゆっくり喋った。
そして続けた「僕は、ずっと保守派の多い街で育って、自分を否定されることが多かった、でも、マックスちゃんはまだ優しくしてくれるから・・・その・・」

マックスは目をつぶった。そして、ニコラスは柄にもなく恥ずかしそうに話した




「僕・・・マックスちゃんのこと・・・好きなの・・・」




マックスは、怒る気が失せた。

しかし、自分はバイセクシャルであることを生涯秘密にしようと考えていた。だから、ニコラスからの好意は厄介だとも思った。

「おまえの好意は理解したけど、頼むから、今後、俺に話しかけないでくれ」

「それは悲しいよマックスちゃん」そう言ってニコラスは静かに泣きはじめた。

「あーーー!!ったくわかったよ!話しかけてもいいけど調子にのるのはやめろ」

そう聞いた途端にニコラスの顔がぱぁーっと明るくなった。

「とにかく、もう俺は今ひとりでいたいから、今日のおしゃべりはもう終わりだ!じゃあな!」

ニコラスはそれ以上追ってこなかったが、SNSのDMで好きよ好きよとメッセージを送ってきていた。

(まったく、あいつはどうして懲りないんだろう)そう思って嫌気がさした。

しかし、正直、ニコラスにはそれなりに魅力があることを本能的に感じ取っていた。それゆえに、これ以上ニコラスと関わり続けたら、うっかり他の連中に自分がバイセクシャルであることを証明してしまうのではないか?という不安がとても強かった。

それから10分ほど歩いたところで、一人の男から声をかけられた。

「やぁ、君。俺もこっち側に家があってさ、ちょうどさっきの会話聞いてしまっていたんだけど、あのニコラスというゲイに困ってる様子だったね」

「あの、まぁそうですね。というか、あなたは誰ですか」



「俺はこの前この街に引っ越してきたんだよ。街の市役所で働いていてね。俺もちょうどゲイの連中からひどい目にあっていて、嫌気がさしていたんだ。俺と君でタックを組んで、ニコラスとやらを追い払ってやってもいいよ」

かなり怪しい人だと思った。しかし、


「どうやってやるんですか・・・・」


マックスはとっさに言葉が出た。
ニコラスを追い払えるなら追い払いたいと思っていた。

やはりマックスは将来女性と結婚して、ノンケとして生きていきたいという夢は捨てきれなかった。だれからもマイノリティであると、変な気を遣われたり、変に色物を見る目で見られず、ひとりの男として、ノンケとして生きたいと思っていた。

正直なはなし、自分がバイセクシャルであることを知っているニコラスが憎くて怖くてたまらなかった。

マックスは心が黒く浸食されていく感覚を覚えた・・・・。

だが、この街の市役所で働いているくらいだから、きっと立派な人なんだろう・・・この街から信頼を得たこの役員に助けてもらいたいと思った。

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