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第三章
新たな出発
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【前書き】
こちらは久々の更新になります。
展開の都合上、以前投稿していた直近数話分を消去し、今回のお話を三章として載せていることをお詫び申し上げます。
また、各キャラクターの口調が以前と若干変わっている部分がいくつか存在します。
最新話の方が正式なものとし、以前の更新分の口調に関しては完結後に徐々に修正をかけていく予定です。
宜しくお願い致します。
------------
「ガブネス兄上は鉱山送りとなった。まぁ当然だな」
国王陛下になったヨハネスが玉座の椅子に座りながら堂々と言う。
「ガブネス王子に関わっていた他の部下達はみんな処刑になったそうね! 全く……アイツが一番の処刑されるべきって思ってたのに!」
「フィリムよ、怒る気持ちもわかるが建前上は処刑にはできなかったのだ」
「そりゃそうだけど……レイス! あんたは納得しているようだけど、良かったの?」
俺は平然とした態度でゆっくりと頷いた。
「あぁ、鉱山送りとなれば処刑よりも過酷な場合があると聞いたことがあるし。それに俺としては処罰がどうこうよりも、みんなが無事こうやってここにいれること、ヨハネスが国王になれたことのほうが嬉しいし重要だと思う」
俺は、あんな奴らの行く末を話すよりも、今後の国の改革についてのほうに頭が回っていた。
それだけ魔眼の偏見をなくしたいと思っているからである。
「レイスはあれほど命を狙われていたのに、気にしないのだな」
「あぁ。実家にいたときから常に命を狙われていたようなもんだから慣れている」
父であるバルスは自業自得で亡くなってしまったが、母のルーラと弟のミルトの行方がわからないままなのが気がかりだ。
特に何故かダイン第一王子殿下と一緒にいたミルトが気になる。
まぁあいつのことだから、またロクでもないことを企んでいるのだろうけれど。
「ところでクレアはどこへ行ったの?」
「フィリムは知らなかったのか? 新しい騎士団を結成させる為にギルド冒険者から招集をかけている」
「あぁ、ヨハネスが王様になったから、ほとんどの兵士が辞めてっちゃったもんね」
ヨハネスが国王になった影響で、王宮に仕えていたほとんどの者が辞めてしまった。
それだけ魔眼に対する偏見や差別が強いのだと理解できる。
「むしろ私としては好都合だ。残ったものも私の『心眼鑑定』で全員調べたが、ほとんど悪巧みを考えているものだった。これならばむしろ王宮から全てを改革して行った方が手っ取り早いからな」
「だから俺たちが玉座の間に平気でいられるってわけだな」
「いや、レイス。君には今後、私の側近として護衛という名目の下、共に世界を変えたいと思っている」
まさかいつの間にかヨハネスにそこまで言ってくれるようになっていたとは。
「願ったり叶ったりだ」
「私をその気にさせてくれたのはレイスのおかげでもあるからな。今後の活躍にも期待している」
「はぁ、クレアは騎士団のリーダー。レイスはヨハネスと共にか。私だって何かあんた達の役に立ちたいんだけど」
フィリムが冗談めいた顔で不貞腐れた態度をとっていた。
「無論フィリムにも頼みたいことがある。今後は私たち四人を中心として国を変えていき、世界を変えたいと思っているのだから」
「そう。で、私は何をすればいいの?」
ヨハネスが一度咳払いをしてから立ち上がった。
「レイスとフィリムには、国中にいる魔眼使いを集めてもらいたい」
「「は?」」
意味がわからなく声に出てしまったが、見事にフィリムと声が被ってしまった。
「無論知ってのとおり、この国には魔眼を持っているせいで差別され苦しんでいる者が大勢いる。そこでだ! その者たちを王宮直属部隊に配属させ、国内の様々な問題を解決するプロジェクトを立ち上げたいと思っている」
「なるほど。魔眼持ちは大なり小なり特殊な力があるからな。その力を国の為に使って偏見を減らしていこうというわけか」
「そういうことだ」
ヨハネスの考えがわかり、俺もフィリムも反対する要因など一切なかった。
コクリと頷き、国中の魔眼持ちの人間を集める計画を立てることにしたのだ。
これからは今までよりも更に忙しくなっていくだろう。
こちらは久々の更新になります。
展開の都合上、以前投稿していた直近数話分を消去し、今回のお話を三章として載せていることをお詫び申し上げます。
また、各キャラクターの口調が以前と若干変わっている部分がいくつか存在します。
最新話の方が正式なものとし、以前の更新分の口調に関しては完結後に徐々に修正をかけていく予定です。
宜しくお願い致します。
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「ガブネス兄上は鉱山送りとなった。まぁ当然だな」
国王陛下になったヨハネスが玉座の椅子に座りながら堂々と言う。
「ガブネス王子に関わっていた他の部下達はみんな処刑になったそうね! 全く……アイツが一番の処刑されるべきって思ってたのに!」
「フィリムよ、怒る気持ちもわかるが建前上は処刑にはできなかったのだ」
「そりゃそうだけど……レイス! あんたは納得しているようだけど、良かったの?」
俺は平然とした態度でゆっくりと頷いた。
「あぁ、鉱山送りとなれば処刑よりも過酷な場合があると聞いたことがあるし。それに俺としては処罰がどうこうよりも、みんなが無事こうやってここにいれること、ヨハネスが国王になれたことのほうが嬉しいし重要だと思う」
俺は、あんな奴らの行く末を話すよりも、今後の国の改革についてのほうに頭が回っていた。
それだけ魔眼の偏見をなくしたいと思っているからである。
「レイスはあれほど命を狙われていたのに、気にしないのだな」
「あぁ。実家にいたときから常に命を狙われていたようなもんだから慣れている」
父であるバルスは自業自得で亡くなってしまったが、母のルーラと弟のミルトの行方がわからないままなのが気がかりだ。
特に何故かダイン第一王子殿下と一緒にいたミルトが気になる。
まぁあいつのことだから、またロクでもないことを企んでいるのだろうけれど。
「ところでクレアはどこへ行ったの?」
「フィリムは知らなかったのか? 新しい騎士団を結成させる為にギルド冒険者から招集をかけている」
「あぁ、ヨハネスが王様になったから、ほとんどの兵士が辞めてっちゃったもんね」
ヨハネスが国王になった影響で、王宮に仕えていたほとんどの者が辞めてしまった。
それだけ魔眼に対する偏見や差別が強いのだと理解できる。
「むしろ私としては好都合だ。残ったものも私の『心眼鑑定』で全員調べたが、ほとんど悪巧みを考えているものだった。これならばむしろ王宮から全てを改革して行った方が手っ取り早いからな」
「だから俺たちが玉座の間に平気でいられるってわけだな」
「いや、レイス。君には今後、私の側近として護衛という名目の下、共に世界を変えたいと思っている」
まさかいつの間にかヨハネスにそこまで言ってくれるようになっていたとは。
「願ったり叶ったりだ」
「私をその気にさせてくれたのはレイスのおかげでもあるからな。今後の活躍にも期待している」
「はぁ、クレアは騎士団のリーダー。レイスはヨハネスと共にか。私だって何かあんた達の役に立ちたいんだけど」
フィリムが冗談めいた顔で不貞腐れた態度をとっていた。
「無論フィリムにも頼みたいことがある。今後は私たち四人を中心として国を変えていき、世界を変えたいと思っているのだから」
「そう。で、私は何をすればいいの?」
ヨハネスが一度咳払いをしてから立ち上がった。
「レイスとフィリムには、国中にいる魔眼使いを集めてもらいたい」
「「は?」」
意味がわからなく声に出てしまったが、見事にフィリムと声が被ってしまった。
「無論知ってのとおり、この国には魔眼を持っているせいで差別され苦しんでいる者が大勢いる。そこでだ! その者たちを王宮直属部隊に配属させ、国内の様々な問題を解決するプロジェクトを立ち上げたいと思っている」
「なるほど。魔眼持ちは大なり小なり特殊な力があるからな。その力を国の為に使って偏見を減らしていこうというわけか」
「そういうことだ」
ヨハネスの考えがわかり、俺もフィリムも反対する要因など一切なかった。
コクリと頷き、国中の魔眼持ちの人間を集める計画を立てることにしたのだ。
これからは今までよりも更に忙しくなっていくだろう。
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