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第一章

44【視点変更】ダスフォールの暴挙

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【前書き】
申し訳ございません。今回のお話はコンパクトにまとまってしまったので、かなり短めです。

ーーーーーーーーーーーー


「父上! 僕がいない間に勝手なことはしないでいただきたいですね!」

 ダスフォールはデインヒール国王のことを睨みながら怒鳴っている。
 対して、デインヒールは全てを知っているので嘲笑っていた。

「何がおかしいのですか!? 僕は次期国王の座につく人間なんだね。少しは僕がやる政策まで待って欲しいんだね!」
「ほう。国民投票制でダスフォールかシンザーンのどちらかに選ぶと言ったはずだが」
「あんな気持ち悪い弟なんて敵じゃないんだね!」

 ダスフォールの勝ち誇った表情を聞いて、デインヒールは玉座の席から立ち上がる。
 じろりと睨みを利かせた。

「ダスフォールよ。お前には失望した……。そのような発言を私に向かって堂々というような者を、この国の人間の誰が支持するというのだ?」
「だから全員僕の奴隷にして歯向かうものは始末を……あ!」
「バカか。自ら墓穴を掘るとは……。そもそも今回の騒動は予め知っておった。この国に英雄が現れたおかげでな。もしもその者がいなければ滅んでしまったかもしれんが……」

 デインヒールがそう言いながら片手を上げ、周りにいた兵士がダスフォールに麻酔銃を向けた。

「なんのつもりなんだね!? 僕を殺すつもりなんて父上は正気なのか!?」
「ほぼ全ての住民を抹殺しかねないお前に言われる筋合いはない。国のためならば息子の悪事もしっかりと裁くぞ」
「うぬぬ……! いくら父上といえ許せないんだね……! こうなったら父上も殺──」

 ダスフォールがデインヒールに襲いそうになった瞬間、兵士の麻酔銃がヒットして一瞬で眠りについた。

「全く……話せば更生できるかと思った私がバカだった」

 デインヒールは大きくため息をはいて、眠っているダスフォールを見て残念な顔をしていた。

「処分は後で決めるとしよう。とりあえず牢獄に入れておいてくれ……」
「承知しました」

 兵士に向かいそう命じ、ダスフォールは連れていかれた。
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