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5 離婚したい
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「ガルカー。もうすぐ私は大金持ちになれるんだから、本命に乗り換えてもいいんだよぉ」
「悪いな、それはできない」
レムさんがガルカのことを口説いているのか……。
やっぱり訳ありの関係だったみたいだけど、ガルカはしっかりと断ってくれているようだ。
「だって、シェリルさんとの結婚はお金目的でしょ? 私、もうすぐシェリルさんなんかよりも有名なデザイナーになって大金持ちなんだけど」
「結婚目的は金目当てなんだがな。レムほどではないが、シェリルも可愛いからな……なのにまだキスしかしていないし」
政略結婚でもないのに、私のことをお金として見ていたなんて酷い……。
ボロが出てきそうなので、グッと堪えてこのまま会話を聞いていくことにした。
「私に対しても酷いでしょ。私がいながら他の女の魅力を言われてもねぇ……」
「でも俺はシェリルと結婚しているからな。あの身体を堪能したかったのに、昨日は夜通しでレムと一緒だったし」
「折角結婚初夜に私とムフフなことができるように、シェリルさんの飲み物に睡眠薬入れて寝かせてあげたのに……」
「慌てるなよ。流石に順番があるだろう。悪いが、今はシェリルだ。あいつは相当稼げる女だし、これからの収入は俺の収入にもなる。ある程度お金が溜まって尚且つシェリルの身体にも飽きたら、必ずお前のところへ戻るから」
「ふんっ! 普通の女の子だったらそんなこと言われたら怒るもんだよ! 私は包容力が高いから我慢してあげてるだけだからね! でもバレない?」
「大丈夫だ。たとえバレても、あの女は離婚を切り出すことは絶対にできない。そんなことすれば、デザイナーとしての仕事がなくなることくらいわかっているだろう」
いつの間にか私の目から涙が溢れていた。
こんなことを聞かされてしまっては、すぐにでも離れたいし離婚したい……。一瞬で私の恋愛感情を壊してくれた。
だが、悔しいけれどガルカの言うとおり離婚を切り出せない……。
「あ、そっか。ガルカとお父さんって仲良いもんね。しかも服の仕立工場なんて、この辺じゃあそこしかないもんね」
「そういうことだ。シェリルの仕事ができなくなればあっちの実家も大打撃だろう。しかもあいつは実家のことも大事にしているようだしな。つまり、あの女の未来は俺の機嫌にかかっているということだ。でも、なるべくバレないようにしたい。夫婦円満生活というのも悪くはないし」
「……全く勝手なんだから! ……悔しいけど、お金ガッポリ入ってくるまでは待ってるからね。私だってお金はあればあるだけ欲しいし」
「あぁ」
これ以上は聞いていられなかったので、バレないように外へ逃げた。
あぁ、この先どうしたら良いのだろうか。
♢
「おいシェリル! これは一体どういうことだ?」
「どうもこうも……使用人を雇いました」
同じ屋根の下で不倫していることが分かった以上、私だって徹底的に対抗しますよ。
本来ならば証拠掴んで離婚申し立てをして、多額の慰謝料を請求したいところだけど、やはり現状ではそれができない。
実家に迷惑がかかってしまうからだ。
「ハイタムです」
「ロータムです」
「ライドです」
「ハットです」
使用人が一人ずつ挨拶をしていく。
これだけ使用人がいてくれれば、少なくとも家の中では淫らな行為は行えないだろう。
「なんで四人も雇うんだ……」
「新居に引っ越ししたばかりですから、何かと大変ですので、一年間だけの契約です。お支払いは私が結婚する前に稼いだポケットマネーですのでご安心ください」
「この家に四人も必要なのか? それに新婚生活なのにこれでは……」
「うちは貴族家ではありませんが、この家の広さでしたら妥当かと。それに既に幼馴染のレムさんを家に招いているじゃないですか」
「それは……そうだが……」
何か言いたそうだったが、ガルカは黙ったまま自室へ戻っていった。
使用人たちにはガルカとレムの監視もお願いしている。
何かあれば証拠を記録してもらうので、もしも離婚になった場合に役立つだろう。
もちろん事情も話してあるし、追加で報酬も支払うことになっている。
どちらにしても使用人がいた方が色々と助かるのもあるのだが、いきなり雇ったのは私なりの反抗ですよ。
レムさんは今外出中みたいだけれど、帰ってきたら驚くだろうな。
「悪いな、それはできない」
レムさんがガルカのことを口説いているのか……。
やっぱり訳ありの関係だったみたいだけど、ガルカはしっかりと断ってくれているようだ。
「だって、シェリルさんとの結婚はお金目的でしょ? 私、もうすぐシェリルさんなんかよりも有名なデザイナーになって大金持ちなんだけど」
「結婚目的は金目当てなんだがな。レムほどではないが、シェリルも可愛いからな……なのにまだキスしかしていないし」
政略結婚でもないのに、私のことをお金として見ていたなんて酷い……。
ボロが出てきそうなので、グッと堪えてこのまま会話を聞いていくことにした。
「私に対しても酷いでしょ。私がいながら他の女の魅力を言われてもねぇ……」
「でも俺はシェリルと結婚しているからな。あの身体を堪能したかったのに、昨日は夜通しでレムと一緒だったし」
「折角結婚初夜に私とムフフなことができるように、シェリルさんの飲み物に睡眠薬入れて寝かせてあげたのに……」
「慌てるなよ。流石に順番があるだろう。悪いが、今はシェリルだ。あいつは相当稼げる女だし、これからの収入は俺の収入にもなる。ある程度お金が溜まって尚且つシェリルの身体にも飽きたら、必ずお前のところへ戻るから」
「ふんっ! 普通の女の子だったらそんなこと言われたら怒るもんだよ! 私は包容力が高いから我慢してあげてるだけだからね! でもバレない?」
「大丈夫だ。たとえバレても、あの女は離婚を切り出すことは絶対にできない。そんなことすれば、デザイナーとしての仕事がなくなることくらいわかっているだろう」
いつの間にか私の目から涙が溢れていた。
こんなことを聞かされてしまっては、すぐにでも離れたいし離婚したい……。一瞬で私の恋愛感情を壊してくれた。
だが、悔しいけれどガルカの言うとおり離婚を切り出せない……。
「あ、そっか。ガルカとお父さんって仲良いもんね。しかも服の仕立工場なんて、この辺じゃあそこしかないもんね」
「そういうことだ。シェリルの仕事ができなくなればあっちの実家も大打撃だろう。しかもあいつは実家のことも大事にしているようだしな。つまり、あの女の未来は俺の機嫌にかかっているということだ。でも、なるべくバレないようにしたい。夫婦円満生活というのも悪くはないし」
「……全く勝手なんだから! ……悔しいけど、お金ガッポリ入ってくるまでは待ってるからね。私だってお金はあればあるだけ欲しいし」
「あぁ」
これ以上は聞いていられなかったので、バレないように外へ逃げた。
あぁ、この先どうしたら良いのだろうか。
♢
「おいシェリル! これは一体どういうことだ?」
「どうもこうも……使用人を雇いました」
同じ屋根の下で不倫していることが分かった以上、私だって徹底的に対抗しますよ。
本来ならば証拠掴んで離婚申し立てをして、多額の慰謝料を請求したいところだけど、やはり現状ではそれができない。
実家に迷惑がかかってしまうからだ。
「ハイタムです」
「ロータムです」
「ライドです」
「ハットです」
使用人が一人ずつ挨拶をしていく。
これだけ使用人がいてくれれば、少なくとも家の中では淫らな行為は行えないだろう。
「なんで四人も雇うんだ……」
「新居に引っ越ししたばかりですから、何かと大変ですので、一年間だけの契約です。お支払いは私が結婚する前に稼いだポケットマネーですのでご安心ください」
「この家に四人も必要なのか? それに新婚生活なのにこれでは……」
「うちは貴族家ではありませんが、この家の広さでしたら妥当かと。それに既に幼馴染のレムさんを家に招いているじゃないですか」
「それは……そうだが……」
何か言いたそうだったが、ガルカは黙ったまま自室へ戻っていった。
使用人たちにはガルカとレムの監視もお願いしている。
何かあれば証拠を記録してもらうので、もしも離婚になった場合に役立つだろう。
もちろん事情も話してあるし、追加で報酬も支払うことになっている。
どちらにしても使用人がいた方が色々と助かるのもあるのだが、いきなり雇ったのは私なりの反抗ですよ。
レムさんは今外出中みたいだけれど、帰ってきたら驚くだろうな。
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