【完結】旦那様は、妻の私よりも平民の愛人を大事にしたいようです

よどら文鳥

文字の大きさ
15 / 21

14-2

しおりを挟む
【前書き】
引き続き、気持ち悪くなるかもしれない描写が含まれていますので、苦手な方や、前話で懲りてしまった方、食前や食事中の読者様は特にご注意ください。


ーーーーーーーーーー

 ゴッキーレジェンドは生ゴミや腐った食べ物から生まれるという真っ黒い生物です。大きさは指一本程度なのですが、カサカサと音を立てて素早く動き、たまに飛行もします。更に、繁殖力が強烈で、もしも一匹でも放置して産卵でもされたら、翌年には百匹以上誕生してしまう驚異の生物です。

 害はそこまでないですし、世界のどこかでは、食用にしたり崇拝する国もあると聞いたことがあります。
 ですが、少なくともレオログニス王国では厄介な強敵です。あらゆる対策グッズが店に売られているくらいですからね……。

 私は見るだけでも無理です。レミファさんですら苦手なくらいですから。

「ソラシさん……緊急事態です。急いで警備を解放して、クミンさんを風呂場にでも移動させられるようにしてください。その間にゴッキーレジェンド討伐です!」
「こちらにも音声は聞こえていましたので状況は理解しております。承知です! なぁに、私にかかれば真っ黒い連中など……。あの……ルフナ様、大至急殺虫剤、それも最強クラスのものを買ってきていただけませんか? それから防護服のご用意を」

 やっぱりソラシさんも苦手だったんですね。

 今まで一匹たりともこの屋敷で見たことはありませんでした。
 ですが、クミンさんがクローゼットの中で食事をして、残った残骸を放置して産まれたという可能性はあるかもしれません。
 これは完全に私たちのミスです。
 クミンさんが雑だということを把握できれば防げていたことですから。

『トイレだ! とにかくトイレに逃げるぞ! あそこならお前が見つかることはない!』
『わかったわ……もう最悪!』

 どうやら二人はトイレに避難するようなので、これはチャンスです。

「『ルフナーー! ゴッキーレジェンドが出てしまった! 退治はお前か使用人に任せる! 私は再び腹痛の激痛が襲ってきたからトイレにこもる!』」

 生声と盗聴器からの両方から聞こえてうるさいので、盗聴器は一旦電源切ってしまいましょう。
 それにしても、あんな恐ろしい生物の駆除を私に任せるのですか。できるわけありません。

「ルフナ様! 私が大至急殺虫剤を買ってきますので、例の女が逃げないような場所で待機していてください。ゴッキーレジェンドの始末はソラシさんが行ってくれるはずですので」
「私が!?」
「「お願いします!!」」
「はぁ……」

 さて、行動開始です。

 レミファさんは大急ぎで家を出て買い物に行きました。
 もはやバレバレなんですが、トイレに逃げて行った二人を確認したのち、ソラシさんは物凄い勢いで走っていき、旦那様の部屋へ突入します。

 私は旦那様がトイレに入っているので、その近くをうろちょろしています。
 これでトイレから一歩も出ることができませんよね。完全に詰ませました。

「ぎゃーーーーーー!!」
 今まで聞いたこともないソラシさんの叫び声です。

「大丈夫ですか!?」

「ルフナ様! 敵は一匹ではありません!! しかもなんですかこれは! クローゼットの中が生ゴミだらけですぞ!」
 クミンさん、やってくれましたね……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした

ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。 しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。 オリバーはエミリアを愛していない。 それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。 子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。 それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。 オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。 一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。

側近という名の愛人はいりません。というか、そんな婚約者もいりません。

gacchi(がっち)
恋愛
十歳の時にお見合いで婚約することになった侯爵家のディアナとエラルド。一人娘のディアナのところにエラルドが婿入りする予定となっていたが、エラルドは領主になるための勉強は嫌だと逃げ出してしまった。仕方なく、ディアナが女侯爵となることに。五年後、学園で久しぶりに再会したエラルドは、幼馴染の令嬢三人を連れていた。あまりの距離の近さに友人らしい付き合い方をお願いするが、一向に直す気配はない。卒業する学年になって、いい加減にしてほしいと注意したディアナに、エラルドは令嬢三人を連れて婿入りする気だと言った。

妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます

冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。 そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。 しかも相手は妹のレナ。 最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。 夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。 最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。 それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。 「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」 確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。 言われるがままに、隣国へ向かった私。 その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。 ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。 ※ざまぁパートは第16話〜です

愛する夫が目の前で別の女性と恋に落ちました。

ましゅぺちーの
恋愛
伯爵令嬢のアンジェは公爵家の嫡男であるアランに嫁いだ。 子はなかなかできなかったが、それでも仲の良い夫婦だった。 ――彼女が現れるまでは。 二人が結婚して五年を迎えた記念パーティーでアランは若く美しい令嬢と恋に落ちてしまう。 それからアランは変わり、何かと彼女のことを優先するようになり……

いいえ、望んでいません

わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」 結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。 だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。 なぜなら彼女は―――

旦那様から彼女が身籠る間の妻でいて欲しいと言われたのでそうします。

クロユキ
恋愛
「君には悪いけど、彼女が身籠る間の妻でいて欲しい」 平民育ちのセリーヌは母親と二人で住んでいた。 セリーヌは、毎日花売りをしていた…そんなセリーヌの前に毎日花を買う一人の貴族の男性がセリーヌに求婚した。 結婚後の初夜には夫は部屋には来なかった…屋敷内に夫はいるがセリーヌは会えないまま数日が経っていた。 夫から呼び出されたセリーヌは式を上げて久しぶりに夫の顔を見たが隣には知らない女性が一緒にいた。 セリーヌは、この時初めて夫から聞かされた。 夫には愛人がいた。 愛人が身籠ればセリーヌは離婚を言い渡される… 誤字脱字があります。更新が不定期ですが読んで貰えましたら嬉しいです。 よろしくお願いします。

【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました

よどら文鳥
恋愛
 ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。  ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。  ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。  更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。  再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。  ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。  後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。  ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。

私はあなたの正妻にはなりません。どうぞ愛する人とお幸せに。

火野村志紀
恋愛
王家の血を引くラクール公爵家。両家の取り決めにより、男爵令嬢のアリシアは、ラクール公爵子息のダミアンと婚約した。 しかし、この国では一夫多妻制が認められている。ある伯爵令嬢に一目惚れしたダミアンは、彼女とも結婚すると言い出した。公爵の忠告に聞く耳を持たず、ダミアンは伯爵令嬢を正妻として迎える。そしてアリシアは、側室という扱いを受けることになった。 数年後、公爵が病で亡くなり、生前書き残していた遺言書が開封された。そこに書かれていたのは、ダミアンにとって信じられない内容だった。

処理中です...