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11 バズドド視点
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どうもおかしいぞ。
何がいけなかったのだ。
俺たちはしっかりと説明だってできたはずだし、バカと呼ばれる筋合いなどない。それに、言っちゃ悪いが『バカという奴がバカだ』とどこかで聞いたことがあるぞ。
まさか陛下もバカなのか。
「其方ら、本気でそう考えているのか!?」
「「はい!」」
偉そうな椅子に座っていた陛下は偉そうに立ち上がり、更に偉そうな顔が怖い顔になった。
「今日其方らを呼んだのは逆だ! この場でキチンと謝罪し和解できるように、特別に時間を設けたのだぞ!」
そういうと、先日のお茶会で文句ばかり言ってきた公爵が出てきた。
「陛下、やはりこの者達には無駄かと……。話も聞いていましたが、国王に対し『解析力がない』だのと良く言えるもんだと呆れました」
あれ、俺そんなこと言ったっけ。
「ふむ……せっかく貴族剥奪の刑を少しは軽くしようと試みたのだが無駄だったようだ」
「え!? 今なんと言いました?」
「其方らの行為、貴族に相応しくなさすぎるのだ。あまりにも無礼な振る舞い、ここで謝罪をすれば考える余地もあったがその必要もあるまい。其方ら二人の一家揃って貴族を取り上げよう。平民となれ」
「そ……そんな……」
リリノアは絶望したような顔をしているが、俺は内心でラッキーだと思っている。
もちろん目の前にいるオッサン達にはバレるとマズいから、俺も困った顔を演じているが。
よし、これで多額の慰謝料と共に、リリノアと王都を出れる。そしてゆっくりとスローライフを満喫できるぞ。
貴族の人間どもめ、ざまぁだな。俺をどん底にしようと企んでいたようだが、おかげで俺たちは幸せなスローハッピーライフが待ってるのだよん♪
……浮かれすぎて普段使わない口調になってしまったな。
「それから……バズドドだったか、其方は婚約破棄を言い渡され多額の慰謝料を受け取ったと聞いているが……」
「えぇ、婚約していた相手から突然婚約破棄を言い渡されたんです。別に不倫もしていないし、法律的に俺に過失はないはずですけど」
法律は詳しくないがきっとそうなんだろう。でなければジュリアーナが慰謝料を払ってくるとは思えないし。
「ふむ。確かに我が国の法律だけで考慮すれば、この件に関しては其方の言い分に間違いはない。性格の不一致や軽微なものに関してが理由であれば宣言した方に慰謝料を払わせる義務があるのだ」
よし、国王もしっかりと認めた。
これで俺に慰謝料が入ってくるのは確定になったわけだ。
「だが!」
なんだこの流れは……。
「其方の数々のふざけた行為や発言、国王の私自らしかと見届けた。私の権限により、この度の其方らの慰謝料は相殺とする。受け取った金は全額返還するのだ」
「は!? 何でですか!? 法律があるのでしょう?」
そればかりはマズい!
死ぬほどマズい!
これからのスローハッピーライフが不可能になってしまうではないか。
「法律のとおりに従っておるぞ。第七七七条『現国王の判断により、第七七六条までの法律を無視し、指示または誘導を可能とする』となっておる」
なんだって!?
「俺のどこに過失があるというのだーーーー!」
「これでも軽くしているのだぞ。周りからは慰謝料を上乗せして払えと願い出るものが多数いたのだからな」
俺が慰謝料を払うだと!?
何故みんなして俺たちをこんなに悪くいうんだ。
「身分剥奪になる以上、其方が受け取った慰謝料以外の財産は全て国に没収される。追加で払えと言っても其方らには不可能であろう……。払えず逃げ回りすぐに牢獄に入ってしまうのがよくわかる」
陛下は俺たちを哀れに見るような表情で、ごちゃごちゃ言ってくるのだ。
「一度平民に成り下り、仕事をして己の情けなさを痛感するがよい。当然この王都には貴族の目が行き届いている。王都で仕事が見つかるはずもないぞ」
「じゃあ俺たちはどうしろと……!?」
「それ含め、今後は自ら考えどうしたらいいか考えるのだな」
「なんでみんなして俺たちのことをこんなに……」
「おっと……先に言っておく。今までは目をつぶってはいたが、これ以上の王族への犯行や無礼は牢獄行きとなるから心得ておくのだ」
くそう……。
くそう…………。
俺の何が悪いというのだ……。
ふと、横を向いたらリリノアが全身固まったような状態で、全く動かずに呆然としているようだった。
何がいけなかったのだ。
俺たちはしっかりと説明だってできたはずだし、バカと呼ばれる筋合いなどない。それに、言っちゃ悪いが『バカという奴がバカだ』とどこかで聞いたことがあるぞ。
まさか陛下もバカなのか。
「其方ら、本気でそう考えているのか!?」
「「はい!」」
偉そうな椅子に座っていた陛下は偉そうに立ち上がり、更に偉そうな顔が怖い顔になった。
「今日其方らを呼んだのは逆だ! この場でキチンと謝罪し和解できるように、特別に時間を設けたのだぞ!」
そういうと、先日のお茶会で文句ばかり言ってきた公爵が出てきた。
「陛下、やはりこの者達には無駄かと……。話も聞いていましたが、国王に対し『解析力がない』だのと良く言えるもんだと呆れました」
あれ、俺そんなこと言ったっけ。
「ふむ……せっかく貴族剥奪の刑を少しは軽くしようと試みたのだが無駄だったようだ」
「え!? 今なんと言いました?」
「其方らの行為、貴族に相応しくなさすぎるのだ。あまりにも無礼な振る舞い、ここで謝罪をすれば考える余地もあったがその必要もあるまい。其方ら二人の一家揃って貴族を取り上げよう。平民となれ」
「そ……そんな……」
リリノアは絶望したような顔をしているが、俺は内心でラッキーだと思っている。
もちろん目の前にいるオッサン達にはバレるとマズいから、俺も困った顔を演じているが。
よし、これで多額の慰謝料と共に、リリノアと王都を出れる。そしてゆっくりとスローライフを満喫できるぞ。
貴族の人間どもめ、ざまぁだな。俺をどん底にしようと企んでいたようだが、おかげで俺たちは幸せなスローハッピーライフが待ってるのだよん♪
……浮かれすぎて普段使わない口調になってしまったな。
「それから……バズドドだったか、其方は婚約破棄を言い渡され多額の慰謝料を受け取ったと聞いているが……」
「えぇ、婚約していた相手から突然婚約破棄を言い渡されたんです。別に不倫もしていないし、法律的に俺に過失はないはずですけど」
法律は詳しくないがきっとそうなんだろう。でなければジュリアーナが慰謝料を払ってくるとは思えないし。
「ふむ。確かに我が国の法律だけで考慮すれば、この件に関しては其方の言い分に間違いはない。性格の不一致や軽微なものに関してが理由であれば宣言した方に慰謝料を払わせる義務があるのだ」
よし、国王もしっかりと認めた。
これで俺に慰謝料が入ってくるのは確定になったわけだ。
「だが!」
なんだこの流れは……。
「其方の数々のふざけた行為や発言、国王の私自らしかと見届けた。私の権限により、この度の其方らの慰謝料は相殺とする。受け取った金は全額返還するのだ」
「は!? 何でですか!? 法律があるのでしょう?」
そればかりはマズい!
死ぬほどマズい!
これからのスローハッピーライフが不可能になってしまうではないか。
「法律のとおりに従っておるぞ。第七七七条『現国王の判断により、第七七六条までの法律を無視し、指示または誘導を可能とする』となっておる」
なんだって!?
「俺のどこに過失があるというのだーーーー!」
「これでも軽くしているのだぞ。周りからは慰謝料を上乗せして払えと願い出るものが多数いたのだからな」
俺が慰謝料を払うだと!?
何故みんなして俺たちをこんなに悪くいうんだ。
「身分剥奪になる以上、其方が受け取った慰謝料以外の財産は全て国に没収される。追加で払えと言っても其方らには不可能であろう……。払えず逃げ回りすぐに牢獄に入ってしまうのがよくわかる」
陛下は俺たちを哀れに見るような表情で、ごちゃごちゃ言ってくるのだ。
「一度平民に成り下り、仕事をして己の情けなさを痛感するがよい。当然この王都には貴族の目が行き届いている。王都で仕事が見つかるはずもないぞ」
「じゃあ俺たちはどうしろと……!?」
「それ含め、今後は自ら考えどうしたらいいか考えるのだな」
「なんでみんなして俺たちのことをこんなに……」
「おっと……先に言っておく。今までは目をつぶってはいたが、これ以上の王族への犯行や無礼は牢獄行きとなるから心得ておくのだ」
くそう……。
くそう…………。
俺の何が悪いというのだ……。
ふと、横を向いたらリリノアが全身固まったような状態で、全く動かずに呆然としているようだった。
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