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「こちらです。降りる際にも足元にお気をつけください」
「ここは……」
「主に貴族や商人が着用する服を製作、販売している店です。ドレスなどもこちらで販売しています」
店の外にはガタイの良いおっかなそうな男性が起立している。おそらく警備兵。
店の雰囲気もどこか高貴な雰囲気が漂っていて、とても高そう。
明らかに庶民お断りの店だ。
「これはこれはジュライト=グレス様」
「「「「いらっしゃいませ。ジュライト=グレス様!」」」」
警備兵が挨拶をした瞬間、店の中から一斉にお出迎えが始まった。
愛想が良く優しそうな人たちで、私もお辞儀をする。
「今日は彼女に見合う服を仕立ててもらいたいのです」
「まぁまぁ、なんというお綺麗なお嬢様でしょう。スラリと伸びた高身長で髪も金色で美しい。最高に似合う服をお作りしましょうね」
私は全身が震えるほどの恐怖に襲われていた。
思わずジュライト様の袖をグイグイと引っ張り小声で伝える。
「あの……、このお店、高いのでは……?」
「はは、貴族御用達のお店ですからね」
「私の部屋には、既に用意してくださっていたのにまだ着ていないドレスが山ほど――」
「ではよろしく頼みます」
「店内へどうぞ~」
私の主張は無視されたぁぁぁ!
こうなったらなるべく安い品物を選ばなければ。
しかし、私たちはなぜか店内のさらに奥へと案内された。
「彼女は私の婚約者、レイナ=ファルアーヌです。彼女にふさわしいドレスを仕立ててもらいたいのです」
「あら、ファルアーヌ子爵のところのご令嬢様でしたか。先日は多くの品物を購入いただきまして、ありがとうございました」
「へ?」
お父様は金の亡者だが、こういった高価な品物には手を出さない。
お母様も衝動買いはしないタイプだ。
まさかアルミアがこの店で衝動買いを? それともジュライト様に無理に買わせた!?
ジュライト様に視線を向けたら意図が伝わったようだ。
「連れてきたことなどありませんよ?」
「はて……」
ジュライト様が関与していないのであれば、まぁ良いか。私にはすでに関係のないことだから、軽く流しておいた。
「スタイルがとても良いですね。サイズを細かく計測しますので」
「はい、では私は一旦離れます。デザイン素材などは全てお任せしますね」
私の有無を待たずに部屋から出てしまった。
店主の前でダメですだなんて言えるわけがない。
完全に逃げ場を失い、着ていた服を脱ぐ。
真っ白の下着と肌をあらわにしたところで、なぜか女性の店主が感激していた。
「まぁまぁ、想定以上に綺麗なボディラインですね。お腹周りも引き締まっていてモデルさんのようです」
ファルアーヌ家では毎日肉体労働の日々だったから体力も筋力もそこそこあるつもりだ。
公爵邸に来てからは自堕落になりそうだったため、毎日コッソリとストレッチや軽い運動も欠かさない。
ジュライト様に相応しい女に近づくためにも、もっと頑張らなければだ。
「良い作品に仕上がるよう、最善を尽くしますからね」
「……ありがとうございます」
「えぇと、シルクの素材にしてこの部分にはダイヤ、いや、ルビーが良いでしょうかね。もしくは旦那様と相性が合いそうなサファイア色の……どうしましょうかねぇ」
高級素材の名前が次から次へと……。
しかし今の私にはどうすることもできず、ただただ従い頷くことしかできなかったのである。
♢♢♢
「次はこちらです。足元にお気をつけください」
「今度は……」
「主に貴族や商人が身につける指輪、アクセサリー、ネックレスなどを販売している店です」
さっきと同じ流れになってしまう。
これ以上お金を使わさせてしまうのは申し訳なさすぎる。
「ダメですよ。こんなにお金を使わせるわけにはいきません」
「ははは、これも次期公爵の仕事ですからね。それに、嬉しいですよ」
「なにがですか……」
「レイナはお金目的でないことが良くわかる。私は幸せ者だなぁと、嬉しいのです」
言っている意味がわからない。
あれよあれよという間にジュライト様に流されてしまった。
「「「「「いらっしゃいませ、ジュライト=グレス様!!」」」」」
もう逃げられる状況ではない。
おそるおそる店内へと入るしかなかった。
「彼女は私の婚約者、レイナ=ファルアーヌです。まずは彼女の指のサイズを計測してもらいたいのです」
「おぉこれはこれは。ファルアーヌ子爵のところのご令嬢様でしたか。先日は多くの貴金属を購入いただきまして、ありがとうございました」
「はへ?」
デジャヴ!
念のために先ほどと同様、ジュライト様に視線を向けた。だがやはり関与していないようだ。
そんな大金がファルアーヌ家にあるとは思えない。
いったいどうやって……。
考えながら、私の左手の薬指を女性店主に預ける。
「こちらのサイズがよろしいかと」
「ありがとうございます。では、このサイズで先日依頼した物を作ってください」
「かしこまりました」
「依頼した物とは……?」
「それは秘密です」
教えてくれなかった。
この店はこれだけで終了し、退店した。
次はどこへ連れていかれるのだろう。
「ここは……」
「主に貴族や商人が着用する服を製作、販売している店です。ドレスなどもこちらで販売しています」
店の外にはガタイの良いおっかなそうな男性が起立している。おそらく警備兵。
店の雰囲気もどこか高貴な雰囲気が漂っていて、とても高そう。
明らかに庶民お断りの店だ。
「これはこれはジュライト=グレス様」
「「「「いらっしゃいませ。ジュライト=グレス様!」」」」
警備兵が挨拶をした瞬間、店の中から一斉にお出迎えが始まった。
愛想が良く優しそうな人たちで、私もお辞儀をする。
「今日は彼女に見合う服を仕立ててもらいたいのです」
「まぁまぁ、なんというお綺麗なお嬢様でしょう。スラリと伸びた高身長で髪も金色で美しい。最高に似合う服をお作りしましょうね」
私は全身が震えるほどの恐怖に襲われていた。
思わずジュライト様の袖をグイグイと引っ張り小声で伝える。
「あの……、このお店、高いのでは……?」
「はは、貴族御用達のお店ですからね」
「私の部屋には、既に用意してくださっていたのにまだ着ていないドレスが山ほど――」
「ではよろしく頼みます」
「店内へどうぞ~」
私の主張は無視されたぁぁぁ!
こうなったらなるべく安い品物を選ばなければ。
しかし、私たちはなぜか店内のさらに奥へと案内された。
「彼女は私の婚約者、レイナ=ファルアーヌです。彼女にふさわしいドレスを仕立ててもらいたいのです」
「あら、ファルアーヌ子爵のところのご令嬢様でしたか。先日は多くの品物を購入いただきまして、ありがとうございました」
「へ?」
お父様は金の亡者だが、こういった高価な品物には手を出さない。
お母様も衝動買いはしないタイプだ。
まさかアルミアがこの店で衝動買いを? それともジュライト様に無理に買わせた!?
ジュライト様に視線を向けたら意図が伝わったようだ。
「連れてきたことなどありませんよ?」
「はて……」
ジュライト様が関与していないのであれば、まぁ良いか。私にはすでに関係のないことだから、軽く流しておいた。
「スタイルがとても良いですね。サイズを細かく計測しますので」
「はい、では私は一旦離れます。デザイン素材などは全てお任せしますね」
私の有無を待たずに部屋から出てしまった。
店主の前でダメですだなんて言えるわけがない。
完全に逃げ場を失い、着ていた服を脱ぐ。
真っ白の下着と肌をあらわにしたところで、なぜか女性の店主が感激していた。
「まぁまぁ、想定以上に綺麗なボディラインですね。お腹周りも引き締まっていてモデルさんのようです」
ファルアーヌ家では毎日肉体労働の日々だったから体力も筋力もそこそこあるつもりだ。
公爵邸に来てからは自堕落になりそうだったため、毎日コッソリとストレッチや軽い運動も欠かさない。
ジュライト様に相応しい女に近づくためにも、もっと頑張らなければだ。
「良い作品に仕上がるよう、最善を尽くしますからね」
「……ありがとうございます」
「えぇと、シルクの素材にしてこの部分にはダイヤ、いや、ルビーが良いでしょうかね。もしくは旦那様と相性が合いそうなサファイア色の……どうしましょうかねぇ」
高級素材の名前が次から次へと……。
しかし今の私にはどうすることもできず、ただただ従い頷くことしかできなかったのである。
♢♢♢
「次はこちらです。足元にお気をつけください」
「今度は……」
「主に貴族や商人が身につける指輪、アクセサリー、ネックレスなどを販売している店です」
さっきと同じ流れになってしまう。
これ以上お金を使わさせてしまうのは申し訳なさすぎる。
「ダメですよ。こんなにお金を使わせるわけにはいきません」
「ははは、これも次期公爵の仕事ですからね。それに、嬉しいですよ」
「なにがですか……」
「レイナはお金目的でないことが良くわかる。私は幸せ者だなぁと、嬉しいのです」
言っている意味がわからない。
あれよあれよという間にジュライト様に流されてしまった。
「「「「「いらっしゃいませ、ジュライト=グレス様!!」」」」」
もう逃げられる状況ではない。
おそるおそる店内へと入るしかなかった。
「彼女は私の婚約者、レイナ=ファルアーヌです。まずは彼女の指のサイズを計測してもらいたいのです」
「おぉこれはこれは。ファルアーヌ子爵のところのご令嬢様でしたか。先日は多くの貴金属を購入いただきまして、ありがとうございました」
「はへ?」
デジャヴ!
念のために先ほどと同様、ジュライト様に視線を向けた。だがやはり関与していないようだ。
そんな大金がファルアーヌ家にあるとは思えない。
いったいどうやって……。
考えながら、私の左手の薬指を女性店主に預ける。
「こちらのサイズがよろしいかと」
「ありがとうございます。では、このサイズで先日依頼した物を作ってください」
「かしこまりました」
「依頼した物とは……?」
「それは秘密です」
教えてくれなかった。
この店はこれだけで終了し、退店した。
次はどこへ連れていかれるのだろう。
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