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天使様は経験済みです。
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「わるいこと、しよ?」
俺の体に手を回してそう言った彼女の顔は、ひどく赤い。
「んっ……ふっ……」
か細い、抑えた声が真下の細い体から上がって、そして—。
「今日も柊さんは可愛いよなぁ……」
「な、ホント天使だわ。お前もそう思うだろ、知佐?」
秋の深まる10月の昼休みの学食、目の前に座る友人二人—木崎と白峰という—に、俺こと時任知佐はそう問いかけられる。問いかけられたのは、「柊さん」……とある『天使様』と呼ばれる女子生徒について。
ずぞぞ、とラーメンをすすってから答える。
「んー、言っても普通の子なんじゃない? 清楚で可愛いけどね、確かに」
すると目の前の二人が声を揃えて、
「かぁー、分かってねえなー! これだから童貞はよ」
などと頭を振ってきたので、
「お前らも童貞だった気がするんだけどな」
と、『嘘』を返した。
嘘、というのは、木崎と白峰が童貞じゃないということではない。嘘の部分はただ一文字、『も』というところ。
つまり、どういうことかというと……俺は、童貞ではないということだ。つい昨日から。
え、なんで嘘ついたん?と思われるかもしれない。その理由は、言ったが最後だからだ。当然付いてくる、「どんな子とヤったん?」という質問に、
「昨日、天使様……柊さんと」
なんて、誰が言えるというのだろう?「修学旅行、同じ班になりて~!」と、間近に迫る修学旅行を見据えて叫ぶ友人たちを尻目に、俺は昨日のことを思い出していた。
俺の体に手を回してそう言った彼女の顔は、ひどく赤い。
「んっ……ふっ……」
か細い、抑えた声が真下の細い体から上がって、そして—。
「今日も柊さんは可愛いよなぁ……」
「な、ホント天使だわ。お前もそう思うだろ、知佐?」
秋の深まる10月の昼休みの学食、目の前に座る友人二人—木崎と白峰という—に、俺こと時任知佐はそう問いかけられる。問いかけられたのは、「柊さん」……とある『天使様』と呼ばれる女子生徒について。
ずぞぞ、とラーメンをすすってから答える。
「んー、言っても普通の子なんじゃない? 清楚で可愛いけどね、確かに」
すると目の前の二人が声を揃えて、
「かぁー、分かってねえなー! これだから童貞はよ」
などと頭を振ってきたので、
「お前らも童貞だった気がするんだけどな」
と、『嘘』を返した。
嘘、というのは、木崎と白峰が童貞じゃないということではない。嘘の部分はただ一文字、『も』というところ。
つまり、どういうことかというと……俺は、童貞ではないということだ。つい昨日から。
え、なんで嘘ついたん?と思われるかもしれない。その理由は、言ったが最後だからだ。当然付いてくる、「どんな子とヤったん?」という質問に、
「昨日、天使様……柊さんと」
なんて、誰が言えるというのだろう?「修学旅行、同じ班になりて~!」と、間近に迫る修学旅行を見据えて叫ぶ友人たちを尻目に、俺は昨日のことを思い出していた。
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