【BL】シロとクロ ※R-15

コウサカチヅル

文字の大きさ
2 / 10
本編+挿話

第二話

しおりを挟む
 季節きせつあきわるころになった。ぼくとシロ様は、相変あいかわらず一緒いっしょにいる。

 お屋敷やしきのおにわ散策さんさくしながら、シロ様はぼくにおだやかなひとみける。
 丁寧ていねい管理かんりされている庭園ていえんは、紅葉こうようのシーズンがわってえだっぱはすくなかったけれど、それでも十分じゅうぶん『みやび』だった。
昨日きのう従者じゅうしゃ手入ていれしたばかりなのに。もうちたがたくさんちていますね、クロ」
 ぼくは地面じめんにしゃがみこみ、枯葉かれは何枚なんまいひろってシロ様にかかげる。
「シロ様! っぱって、一枚一枚いちまいいちまいかたちちがってておもしろいよね」
「ふふ、たしかに。まるみをびていたり、細長ほそながかったり。むしべられたのか、けたかたちのものもありますね」
 役目やくめえたっぱたちを、ぼくはそっとまれないところへき、つぶやくようにつづけた。
いのちがあるものってみんなそう。おな種族しゅぞくてたとしても、まったくおなじものなんて絶対ぜったいない。ひとつひとつがとうといものなんだよ、大切たいせつにしなきゃいけないんだよ、っておしえてくれる。きものって、『あい』の先生せんせいなんだ」
「……クロは詩人しじんですね」
 きれいなお月様色つきさまいろほそめて、シロ様はやさしく、ぼくのあたまをなでた。
「えへへ」
「……っ、くしゅっ」
 くしゃみをし、ふるりとをちぢこまらせるシロ様。そうか、ぼくはさむさにつよいオオカミのもののけだけれど、シロ様は華奢きゃしゃな鬼だから……!
大変たいへん、あっちにもどろう!」
 ぼくは反射的はんしゃてきにシロ様をっぱってゆき、縁側えんがわすわってもらった。
「??」
 不思議ふしぎそうな表情ひょうじょうのシロ様へかまわず、そのひざへよじのぼり、ほそくてしなやかなこし自分じぶんあしまわしてしがみついた。
「ク、クロ!?」
「あのね、ぼく、体温高たいおんたかいから!」
「いやでも……」
「それにね、だいすきなシロ様にぴったりくっつくと、うれしいからどきどきして、もっとあつくなるから!! カイロなの!!」
「……っ」
 きゅうう、とシロ様をきしめて、そのむねあたまをすりよせたけれど、でも、シロ様はあかいようなあおいようなかおをして、ぎゃくふるえはじめてしまって。
 ぼくは、もうからだ中真じゅうまで、ぽっぽっとねつっぽくなっているのに。
「シロ様、まださむい?? それとも……」
 ひとつの可能性かのうせいづいてしまい、不安ふあんれるひとみでシロ様をつめる。
「ぼくにぎゅってされるの、いや……?」
「いえっなんかいろいろそうなだけです!!?」
る? なにが??」
「う……、あ、ええと……。ちょっといいですか。すぅー、はぁー、すぅー、はぁー……。こほん!」
 盛大せいだい深呼吸しんこきゅうのあと、咳払せきばらいをしたシロ様は、もう、いつものシロ様で。
 にっこりわらうと、ぼくをきしめて、背中せなかやさしくなでてくれた。
「とても、あたたかいです。からだも、こころも。クロのやさしさがつたわってくるから」
「シロ様、シロ様もあったかい。そばにいられて、いつもしあわせなの。シロ様に出会であえてよかった」
「私もですよ。……でも、そろそろかなくては。クレナイにおこられてしまう」
 ぼくたちはそっとはなれて、シロ様はぼくのほおやさしくをそえた。
「また。クロ」
「うん、シロ様。お仕事しごと応援おうえんしてるね」
 ほおかれた、しろくてきれいなほねばったを、ちいさなりょう大切たいせつつつみこむと、シロ様は、ふんわり微笑ほほえんだ。
「……ってきます」


✿✿✿✿✿


【おまけ】

執務室しつむしつにて。着席ちゃくせきし、きりりとした表情ひょうじょうでゲン○ウポーズをとるシロと、淡々たんたん書類しょるい整理せいりするクレナイ。

おとこうえ無邪気むじゃきってくるとかなにかんがえているのあの天使てんし? というか最近さいきん可愛かわいすぎるクロに勃起ぼっききんじえなくて、バレないようキツめのぱんつを三枚重さんまいかさ穿いている私の気持きもちがわかるか、クレナイ?」
「おまえのぱんつ事情じじょうとか心底しんそこどうでもいいよ仕事しごとしろ」



【終】
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

処理中です...