勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁

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2章

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「女神さまが私の味方だってことが分かればいいんでしょうか?」

私の言葉に室内は、しぃんと静かになった。その後、誰かが私の言葉に吹き出し、笑いだすと教会のおっさんたちは爆笑しだした。よほど私の言葉が面白かったらしい。

「なにを言い出すかと思えば、女神様がお前の味方だと?そんなわけがあるものか。お前は、教会を壊したのだぞ?女神さまに害なす人間であるお前に味方するわけがない」
「じゃあ、女神さまが私の味方をしたらどうしますか?」
「どうするもなにも……」

おっさんたちの笑い声は止まらない。私を馬鹿にして、見下している顔しかない。よほどありえないらしい。

「女神さまがあなた方じゃなくて私の味方をしたらどうしますか?」
「そんなことはありえない」

ということは、これが認められたら、私の価値をこの国に証明できるということか。ふむ。しかし、女神さまが私に味方をする証拠か。どうすればいいんだろう。

「なんか、こういい感じのエピソードってありますか?」

困った私は隣の王子様に聞いてみることにする。女神さまにステンドガラスが教会にあったし、なんかいい感じの神話とか知ってるんじゃないかという期待を持ちながら。なんかこう私は選ばれてここに来ました!の証になるような、いい感じの話があればいいんだけど。
私の真上に一番星が光るとか、虹が出るとか……分からないけど。

「聖女の誕生の時には、その真上にひと際、輝く星が見えるとか?」
「うんうん」
「あとは、大きく輝く虹が見える……とか?」
「なるほど」

それは良い感じの話ではないだろうか。じゃあ、今夜私が眠る宿の上に輝く星があって、明日の朝、虹が出ていればいいんだろうか。
女神様、お願いします。私がこの国の聖女として呼ばれたっていう伝承が残るくらい大きく輝く星と虹を出してください。よろしくお願いします。
指を組んで、その場でお願いしてみる。……果たして本当にお願いを聞いてくれるかは分からない。

「なんだ。祈りは終わったか?」
「はい。女神様にお願いしてみました。今晩はとても大きく輝く星が見れると思います。後、明日は大きく輝く虹も」
「なにを馬鹿な」

私の言葉に呆れ半分。鼻息で笑い飛ばされてしまった。このおっさんたちは、私が聖女であることをかたくなに認めようとしない。それは当然のことではあるが。聖女であったほうが都合がよくないんだろう。自分たちで呼んだくせして、自分たちの言うことを聞かない女はいらないんだろう。
だとしたら、余計に反骨精神で、何が何でも私が聖女なんだって真実を突きつけてやりたくなる。これで本当に女神様が味方してくれるのであれば、どれほど心強いか。とにかく勝負は今夜だな。
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