寵愛を受けた"元"公爵令嬢は、帝国で本当の幸せを掴む

天音 翔

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プロローグ

懐かしい記憶

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  何歳の頃だっただろう。
あの国で出会った男の子と多くの人達......
  
 こんな私に優しく声をかけてくれて、
私の唯一の友達になってくれた男の子......。

 思い出せない。

なぜだろう...とても懐かしい声が聞こえる...。

『貴女は、私の唯一愛する女性です。
    決して貴女のことは一瞬たりとも忘れたりなんかしません。
    貴女の髪や瞳のことを誰かが何を言おうが、私は気にしません。
    ですから、貴女も気にしないでください。
    “私達”は、この世界の中でも一番美しくて凛々しい貴女が、大好きなんです。
     辛いときは、いつでも“私達”を 頼ってください。
    “私達”は貴女が傷つけられることは絶対に許しません。 
    それくらい、貴女は“私達”にとって大切な人なんです。

    〝この国は、この国の国民は、みんな貴女の味方です。それを決して、決して忘れないでください〟     』

  優しかった人達、そしてあの男の子。
  あの場所の名前も、あの男の子の名前も、
全て思い出すことができない。
  あんなにも大切だったのに......
  大好きだったのに.........。

記憶は残っていないけれど、あの男の子に貰った大切なピアスは残ってる

  私の『大切な宝物』。
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