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1章
ソフィア
しおりを挟む今日は、デーヴィド帝国の人達が来るとウィリアム様に聞き、アレクサンダー様とフェリーク様、メイド達と執事達、私を助けてくれた騎士のシュバルツと、なるべく見やすい所へいました。
なぜか、私達の側にとても豪華な馬車がありましたが、ウィリアム様にはなにも聞かないでおきました。
なぜか、とても知らない方がいい気がしたからです。
すると、次第に王都が賑やかになってきました。
どうやら帝国の方々を迎えるパレードが、始まったようです。
あれ??どうしたのでしょうか?騒がしいですね。
こちらに男性が走って来ているようですね......誰でしょうか?
と、考えていると側まで来た男性がゆっくりと口を開き、確認するかのように
「ソフィ......?」と言いました。
その声には、聞き覚えがあり、まさか!と思い、男性の顔をよく見ました。
そして、全て思い出したのです。
短い時間だったけれど、私を愛してくれた人達と、好きだ、愛していると言ってくれたエド様、私を実の娘のように可愛がってくれた、エド様のお父様とお母様であるカイル様とスカーレット様のことを。
どうして忘れてしまっていたのでしょうか?
あの人達は私のことを、覚えてくれていたのに...約束を果たそうとしてくれているのに.........
私は、悲しくて仕方がありませんでした。
でも、それよりも、最愛の人であるエド様に会うことができたことが何よりも嬉しくて、嬉しくて久しぶりに心から笑顔になれたのです。
エド様に声をかけたくても、喉の調子がまだ戻ってなくて出せそうになかったけれど、無理やり声を出したら
「えど、さま?」
と、カタコトになってしまいましたね........
すると、エド様は私の目線の高さに合わせてしゃがむと、突然私を抱きしめて涙を流しはじめたのです。
今まで、何があっても泣かなかったエド様が、です。
どうして泣くんですか?
私は、エド様を悲しませるようなことをしましたか?
私は、色々考えていました。
すると、今度はカイル様とスカーレット様、金龍騎士団の皆さんが私の側まで来てくれました。
本当に、本当に嬉しくて声が出にくいとわかっていながらも大切な人達の名前を呼びました。
「か、いる、さま?、す、かぁ、れっと、さま?、うぇ、る、たぁ、さま?」
と、やっぱりカタコトになってしまいましたね。お恥ずかしい///////
すると、やはりカイル様もスカーレット様もウェルター様も金龍騎士団の騎士団員達も、とても悲しそうな顔をなさっていました。
どうしてそんなに皆さん悲しそうな顔をするんですか?
私は、今とても幸せですよ?
皆さんにやっと、会うことができたから......
だから、どうか悲しそうな顔をなさらないで?
以前のように笑ってくださいよ......
そう考えていると、私も泣きそうでした。
だから私は、もし声が出るようになったら、感謝の言葉を皆に伝えようと、心に決めました。
そして、私は帝国に行くことになりました。もちろん、ウィリアム様とフェリーク様、黒龍騎士団団長であるシュバルツと黒龍騎士団員達、アレクサンダー家のメイドや執事全員と一緒に......
私は、帝国に行くのが楽しみでワクワクしながら、エド様にお姫様だっこをしてもらい、馬車に乗せてもらいました。
その時のエド様は、とても幸せそうな笑みを浮かべて、私もとても幸せでした。
こうして、私達はデーヴィド帝国への帰路へとつきました。
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