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1章
デーヴィド帝国の国民の思い
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デーヴィド帝国では、白龍騎士団により王都の広場にて皇帝達の帰省次第、帰還式を行うということが伝えられた。
帰省を待ち望んでいた王都周辺に住む国民達は、王都の広場に集まり、王都へと来られない国民は、各都市の広場に集まった。
王都へと来られない国民のために皇帝は特殊な魔道具を使い、映像を各都市の広場に映し出した。
(この魔道具も、幼い頃のソフィアが考えたものである。)
しばらくして、設置された高いバルコニーの上から皇帝は国民の前に姿を現した。
そして、皇帝は国民に尋ねた。
「我らが、ライラット王国と和平を結ぶのは何のためだ?」
「「「〝神・精霊・妖精様の愛し子〟で我らが姫、ソフィア様の幸せのためです!!」」」
国民は声を合わせて言った。
その答えに皇帝は、頷いた。
「そうだ。我々は、ソフィア嬢を守るためにライラット王国と和平を“結んでやろう”とした。だが、あの国は我々とソフィア嬢を侮辱したため、和平を結ぶ必要がなくなった。」
「エドワード、ソフィア嬢をこちらに。」
エドワードは静かに頷くと、ソフィアが座った車椅子を押しながら前に出た。
ソフィアの姿を見た国民達は、皆顔が蒼白になった。
続けて皇帝は、国民にこう言った。
「ソフィア嬢は、ライラット王国にて忌み子として虐げられ、実の父親、その父親の再婚相手、その息子、娘、メイドと執事達に暴力・暴言をふるわれ、神様方が授けた金色の瞳を潰され、身体中に痣や傷をつけられ、声を出せないようにされたうえに、脚も歩けないようにされたのだ。
そんな国と和平を結ぶ必要があると、お主らは思うか?」
「なんだと...!!私達のソフィア様になんてことを......」
「まだ、小さいのに...あんなに傷つけられて......」
「痛いだろうに......我慢して......本当になんで、ソフィア様がこんな目に遭わなければならかったのだろう......」
「ソフィア様を傷つけられて、和平を結ぶ必要なんてあるわけない......!!」
国民達は次々に、怒りを露にした。
皆思うことは同じだった。
私達のソフィア様を傷つけるなんて、
『『『絶対に許さない!!』』』と。
そして皇帝は、ある御触れを出した。
『ライラット王国の国民は入国させるべからず。』
こうして、ライラット王国はデーヴィド帝国の国民の敵になった。
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