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2章
閑話:自称ヒロイン(2)
しおりを挟むとある宝石店でのこと…
「お父様!お母様!!私これが欲しいですわ!!」
「リリーミア貴方さっき、新作のドレス買ってあげたでしょう?何故こんなにも欲しがるの?
領民たちの税で私たちは生活できているのだから少しは領主の長女として、淑女として遠慮を覚えなさい!
私たちは領民たちのお手本にならなければならないのよ。だから、無駄な資金は使わないの。もしも何かあった時のために、保管しておくの。だから、領民たちが安心して過ごせるように私たち貴族はしていかなきゃいけないの。」
「そうだぞ、リリーミア。今まで、なんのためにお前を愛情をかけて時に厳しく育ててきたと思っているんだ?
お前が、子爵家の人間として社交界で恥をかかないように厳しくしてるんだぞ。
それに、お金を大切にすることは貴族として当たり前なんだぞ?きちんと教えたはずだろう。領民たちが苦労して納めてくれたものだ。私たちが私腹を肥すために使うお金ではないんだ。それは、学園でも学んでいるはずだろう?」
「ちがうっ!ちがうっ!そんなの愛なんかじゃないわっ!!お父様もお母様も私に愛情なんてないじゃないっ!厳しくするなんて、愛情じゃないものっ!!
お金は、使うためにあるのよっ!私のドレスを買えばいいのっ!」
「リリーミア頼むから落ち着いてちょうだい…厳しくしているのは愛しているからなのよ…」
「そうだぞリリーミア。愛情というものをなにか勘違いしてるんじゃないか?それにいつも厳しくしてる訳では無いだろう…?
他の令嬢達でも、そんなにドレスや宝石は買わないんだよ?下貴族の者たちは、恥ずかしくない程度にリメイクし、ドレスを着ているんだ。
それに、私たちは領民たちのために自分の身につけるものは質素にし、領民たちにより良い食事、服、仕事、生活を送らせてあげなければならないんだよ……それなのに、お前ときたら……
!!
もしかして、、お前は……いや、、そんなはずは…」
「お父様もお母様もなんなのよっ!!!私は、ただ愛されたいのよっ!!欲しいものは買ってくれるのが当たり前じゃないっっ!!
それに、これはゲームの中なんだから主人公の私の思い通りに行かないとおかしいのよっ!!」
「マーク…」
「レイラ…あぁこの子は……」
この時の出来事は、夫婦の決意を改めさせる重要なきっかけとなるのであった。
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