38 / 38
第10章 私は今最高に幸せだなんて、絶対みんなに知ってもらいたい!
第38話 世界がどうあれ(※)
しおりを挟む
サイラスくんは、宣言通り2時間で引っ越し作業を終えてしまった。
早く早くと急かすように食事と入浴を済ませて、整えたばかりの寝室に押し込まれる。その際に、サイラスくんは猫たちを寝室から追い出すことを忘れなかった。
「テッド。君ならボクの気持ちがわかるよな?」
その問いに、テッドがまた呆れたように『にゃあ』と鳴いて。アニーと子猫たちを促して猫たちの寝床に入っていった。
「……ねえ、テッドが何を言ってるかわかるの?」
「なんとなく」
「なんとなくで、あの意思疎通……。さすがA級冒険者?」
クスクス笑いながら首を傾げた私を、サイラスくんがベッドに優しく押し倒した。両手をぎゅっと恋人繋ぎで握り、私の顔を覗き込む。
「……エミリーさん、かわいい」
何度も言われたセリフなのに、それでも私の胸が高鳴った。赤くなった頬に、サイラスくんが自分の頬を寄せて。
「かわいい。……大好きです」
熱っぽく言うので私も頷いた。
「ん。私も」
サイラスくんは、うわ言のように『かわいい』と繰り返しながら優しいキスを繰り返した。
「はっ、む、んっ」
「んっ、ふっ」
キスは徐々に激しくなり、夢中で舌を絡ませ合う。
そうしていると、だんだん頭がフワフワと浮ついてきて、ただただ幸せな気持ちになる。いつもそうだ。私はキスだけですっかりトロトロに溶かされてしまう。
「んっ、んぅ、あっ」
「ちゅ、ん、……キス、気持ちいですね」
「ん。きもちいい」
言いながら、サイラスくんが私の寝間着を脱がせ始めた。引っ越しのどさくさでついに見つかってしまった、あのお揃いのネイビーの寝間着だ。サイラスくんも同じデザインの寝間着を着ていて、なんだかくすぐったい気持ちになる。
一つずつボタンを外していたサイラスくんの手が止まった。
「ん。ど、したの?」
その顔を覗き込むと、サイラスくんがニコリと笑う。
「思い出してたんです」
「え?」
「初めての夜のこと」
言いながら、サイラスくんが3つ目のボタンを口に含んだ。そのまま上目遣いに私を見て。
「いいですか?」
問いかけながら、唇と舌でボタンを転がした。その様子に、ゾワリとした感覚が腰から這い上がってくる。
あの夜も、そうだった。
いやらしい音を立ててボタンを舐めながら、サイラスくんが熱のこもった瞳で私を見つめていた。
「んっ」
ぐちゅっと蜜があふれる感触があって、私は思わず膝をこすり合わせた。
「かわいい」
サイラスくんは唇でボタンを挟んで、それを舌でクチュクチュと舐めた。
(あの夜も、そうだった)
「サイラスく、んっ」
「ん? ダメですか?」
「……っ!」
この瞳に見つめられて、私は我慢できなくなったのだ。
「ダメじゃ、ない……っ!」
「じゃあ、どうしてほしいですか?」
「触って……」
「触るだけでいいんですか?」
「な、めて」
「それから?」
「はっ、んんっ」
サイラスくんの舌が、グルリと動いてボタンを舐めた。
──今夜の私も、我慢などできるはずがない。
「グチャグチャに、気持ちよくして……っ!」
懇願した途端に、食べられるように唇を塞がれて。そのまま激しく咥内を犯されて。
「んんっ、んっ、んんんんっ!」
私の身体に、一気に熱が灯った。
サイラスくんは激しいキスをしながら、あっという間に私の寝間着も下着も脱がせてしまって。彼もあっという間に裸になった。
「あっ、ああっ、んっ、あぁぁぁ」
乳房を揉みしだかれて。
「んっ、あっ、あん、ああああっ、きもちい……っ!」
乳首を摘まれて、舐められて、噛まれて。
その間にも身体中に吸い付かれた。真っ赤なキスマークが刻まれていくのを見て、また私の蜜が溢れ出す。
「濡れてる」
「んっ」
「かわいい、エミリーさん。かわいい」
サイラスくんは相変わらず『かわいい』と繰り返しながら、蜜壺に指を埋めて。あっという間にほぐされて、イかされた。
「あああっああっ!」
ビクビクと震えながらプシプシと潮を吹き出すそこに、脈打つ肉棒を擦り付けて。
「もう、っ、挿れますね」
ゆっくりと、サイラスくんが入ってきた。彼の形を感じながら、私も彼の身体をぎゅうっと抱きしめた。
「んっ、んっ、あっ、ああああぁ」
「はっ、きもちいい、きもちいです」
「あっ、んんっ」
二人で肌を寄せ合いながら、ゆっくりと互いを高め合った。
私たちの関係は、あの夜、セックスから始まった。
だから、だろうか。いつもお互いに『いつかいなくなるのでは』という不安を抱えていて、激しく求め合ってきた。互いの気持ちを確認し合うように、互いを縛り付けるように、熱をぶつけ合った。
でも、今の私たちは違う。
愛しているから。だから抱き合うのだ。二人の境界線がわからなくなるまで。ただ、そうしたいから。
「かわいい、かわいい、エミリーさん」
「んっ、サイラスくん……っ」
「好きです」
「私も、っ」
「エミリーさん、愛して、っ、ます」
「んっ、私もっ、愛してる……っ、愛してるっ」
最奥を突かれて、私の身体がビクンと跳ね上がる。同時に膣壁がきゅうと痙攣して、彼の肉棒を締め上げた。
「くっ、んっ、ぁっ」
「ああっ、んっ、ああああああっ!!!」
二人の、熱が弾けた。
「んっ、はっ」
「ふっ、ふっ、んんっ、ぁっ」
二人で息を整えて、またぎゅうっと抱き合った。ウトウトと眠気が襲ってきて、そのままサイラスくんの胸に顔を埋める。
「寝ます?」
「ん」
「明日は仕事ですよね」
「うん」
「ボクが、先に起きて朝食を作りますね」
「……一緒に起きる」
「ん。わかりました」
──ちゅっ。
頬に、キスを一つ。
私は幸せに包まれながら、眠りについた。
(相変わらず、夜だけ私がひんひん泣かされてるけど……。私、最高に幸せだなぁ)
* * *
【西の賢者】と【東の魔女】がいなくなった後も、相変わらず世界は動いている。
ふとした瞬間に、彼らのことを思い出す。二人が争うことなく仲良く世界を助けていたらどうなっていただろうか、とか。あのまま争い続けていたらどうなっていただろうか、とか。
そして、いつも思うのだ。
世界がどうであれ、最後にたどり着く結末は同じだったのではないか、と。
そして、二人のことを思い浮かべる度に、私はサイラスくんのことが愛しくてたまらなくなるのだった。
THE END
==========
これにて本編完結です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
近日中に番外編を投稿予定です!
ぜひ、よろしくお願いします!
早く早くと急かすように食事と入浴を済ませて、整えたばかりの寝室に押し込まれる。その際に、サイラスくんは猫たちを寝室から追い出すことを忘れなかった。
「テッド。君ならボクの気持ちがわかるよな?」
その問いに、テッドがまた呆れたように『にゃあ』と鳴いて。アニーと子猫たちを促して猫たちの寝床に入っていった。
「……ねえ、テッドが何を言ってるかわかるの?」
「なんとなく」
「なんとなくで、あの意思疎通……。さすがA級冒険者?」
クスクス笑いながら首を傾げた私を、サイラスくんがベッドに優しく押し倒した。両手をぎゅっと恋人繋ぎで握り、私の顔を覗き込む。
「……エミリーさん、かわいい」
何度も言われたセリフなのに、それでも私の胸が高鳴った。赤くなった頬に、サイラスくんが自分の頬を寄せて。
「かわいい。……大好きです」
熱っぽく言うので私も頷いた。
「ん。私も」
サイラスくんは、うわ言のように『かわいい』と繰り返しながら優しいキスを繰り返した。
「はっ、む、んっ」
「んっ、ふっ」
キスは徐々に激しくなり、夢中で舌を絡ませ合う。
そうしていると、だんだん頭がフワフワと浮ついてきて、ただただ幸せな気持ちになる。いつもそうだ。私はキスだけですっかりトロトロに溶かされてしまう。
「んっ、んぅ、あっ」
「ちゅ、ん、……キス、気持ちいですね」
「ん。きもちいい」
言いながら、サイラスくんが私の寝間着を脱がせ始めた。引っ越しのどさくさでついに見つかってしまった、あのお揃いのネイビーの寝間着だ。サイラスくんも同じデザインの寝間着を着ていて、なんだかくすぐったい気持ちになる。
一つずつボタンを外していたサイラスくんの手が止まった。
「ん。ど、したの?」
その顔を覗き込むと、サイラスくんがニコリと笑う。
「思い出してたんです」
「え?」
「初めての夜のこと」
言いながら、サイラスくんが3つ目のボタンを口に含んだ。そのまま上目遣いに私を見て。
「いいですか?」
問いかけながら、唇と舌でボタンを転がした。その様子に、ゾワリとした感覚が腰から這い上がってくる。
あの夜も、そうだった。
いやらしい音を立ててボタンを舐めながら、サイラスくんが熱のこもった瞳で私を見つめていた。
「んっ」
ぐちゅっと蜜があふれる感触があって、私は思わず膝をこすり合わせた。
「かわいい」
サイラスくんは唇でボタンを挟んで、それを舌でクチュクチュと舐めた。
(あの夜も、そうだった)
「サイラスく、んっ」
「ん? ダメですか?」
「……っ!」
この瞳に見つめられて、私は我慢できなくなったのだ。
「ダメじゃ、ない……っ!」
「じゃあ、どうしてほしいですか?」
「触って……」
「触るだけでいいんですか?」
「な、めて」
「それから?」
「はっ、んんっ」
サイラスくんの舌が、グルリと動いてボタンを舐めた。
──今夜の私も、我慢などできるはずがない。
「グチャグチャに、気持ちよくして……っ!」
懇願した途端に、食べられるように唇を塞がれて。そのまま激しく咥内を犯されて。
「んんっ、んっ、んんんんっ!」
私の身体に、一気に熱が灯った。
サイラスくんは激しいキスをしながら、あっという間に私の寝間着も下着も脱がせてしまって。彼もあっという間に裸になった。
「あっ、ああっ、んっ、あぁぁぁ」
乳房を揉みしだかれて。
「んっ、あっ、あん、ああああっ、きもちい……っ!」
乳首を摘まれて、舐められて、噛まれて。
その間にも身体中に吸い付かれた。真っ赤なキスマークが刻まれていくのを見て、また私の蜜が溢れ出す。
「濡れてる」
「んっ」
「かわいい、エミリーさん。かわいい」
サイラスくんは相変わらず『かわいい』と繰り返しながら、蜜壺に指を埋めて。あっという間にほぐされて、イかされた。
「あああっああっ!」
ビクビクと震えながらプシプシと潮を吹き出すそこに、脈打つ肉棒を擦り付けて。
「もう、っ、挿れますね」
ゆっくりと、サイラスくんが入ってきた。彼の形を感じながら、私も彼の身体をぎゅうっと抱きしめた。
「んっ、んっ、あっ、ああああぁ」
「はっ、きもちいい、きもちいです」
「あっ、んんっ」
二人で肌を寄せ合いながら、ゆっくりと互いを高め合った。
私たちの関係は、あの夜、セックスから始まった。
だから、だろうか。いつもお互いに『いつかいなくなるのでは』という不安を抱えていて、激しく求め合ってきた。互いの気持ちを確認し合うように、互いを縛り付けるように、熱をぶつけ合った。
でも、今の私たちは違う。
愛しているから。だから抱き合うのだ。二人の境界線がわからなくなるまで。ただ、そうしたいから。
「かわいい、かわいい、エミリーさん」
「んっ、サイラスくん……っ」
「好きです」
「私も、っ」
「エミリーさん、愛して、っ、ます」
「んっ、私もっ、愛してる……っ、愛してるっ」
最奥を突かれて、私の身体がビクンと跳ね上がる。同時に膣壁がきゅうと痙攣して、彼の肉棒を締め上げた。
「くっ、んっ、ぁっ」
「ああっ、んっ、ああああああっ!!!」
二人の、熱が弾けた。
「んっ、はっ」
「ふっ、ふっ、んんっ、ぁっ」
二人で息を整えて、またぎゅうっと抱き合った。ウトウトと眠気が襲ってきて、そのままサイラスくんの胸に顔を埋める。
「寝ます?」
「ん」
「明日は仕事ですよね」
「うん」
「ボクが、先に起きて朝食を作りますね」
「……一緒に起きる」
「ん。わかりました」
──ちゅっ。
頬に、キスを一つ。
私は幸せに包まれながら、眠りについた。
(相変わらず、夜だけ私がひんひん泣かされてるけど……。私、最高に幸せだなぁ)
* * *
【西の賢者】と【東の魔女】がいなくなった後も、相変わらず世界は動いている。
ふとした瞬間に、彼らのことを思い出す。二人が争うことなく仲良く世界を助けていたらどうなっていただろうか、とか。あのまま争い続けていたらどうなっていただろうか、とか。
そして、いつも思うのだ。
世界がどうであれ、最後にたどり着く結末は同じだったのではないか、と。
そして、二人のことを思い浮かべる度に、私はサイラスくんのことが愛しくてたまらなくなるのだった。
THE END
==========
これにて本編完結です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
近日中に番外編を投稿予定です!
ぜひ、よろしくお願いします!
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
1,492
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(7件)
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
とっても面白かったです!年下彼氏最高ですね🎵二人の恋の行方が気になってキュンキュンしながら読みました!番外編も楽しみにしてます🎵
感想ありがとうございます!
年下彼氏よきですよね(n´v`n)
完結おめでとうございます🎉とても面白かったです!番外編も楽しみにしていますね(っ ॑꒳ ॑c)
感想ありがとうございます!
楽しんでいただけて嬉しいです(^^)
とても好きな作品です、、!これからも更新楽しみにしています、!!
感想ありがとうございます!