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しおりを挟む「偽りの聖女、セリアは魔の地に追放する!」
国王陛下が言い放った一言は周りの貴族たちをざわめかせた。
「魔の地だなんて……実質の死刑だな。」
「今までのセリア様の功績を鑑みれば……」
「だが、今まで聖女として恩恵を搾取していた罪は重いだろう。」
聖女だと偽っていたつもりはない。
それに、最初に私を聖女だと謳ったのは教皇庁だ。
「国王陛下!せめてセリア様の身を守るためのにお祈りをさせてくださいませ。」
そう言って王の前に進み出たのは、真の聖女として数日前突如現れた少女ユリア。
「ユリア!お前の聖力を罪人に使うわけにはいかぬ。」
「それでも祈らずにはいられないのです。どうか……!」
「……まあ、いいだろう。」
ユリアは小走りで鎖に繋がれたボロボロの私の前に駆け寄ると、私の両手をとって祈りをはじめた。
そして、私にだけ聞える小さな声でユリアは私を嘲笑った。
「全く、馬鹿よね。あっさりと聖力を奪われて魔物の餌にされるなんて。」
クスクスと私を嘲笑う醜い聖女。
「……罰当たりな貴女には罰が当たるでしょうね。」
「そんなもの当たらないわ。だってこの世に神様なんていないのだから。」
ここで本当の話をしたとしてももう誰も私の言うことなんて信じてはくれない。
ルーカス……せめて貴方だけは信じてくれると思っていたのに。
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