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お姉様、堅物に作り笑顔をかます。
しおりを挟む「すまない、会議が押してしまった。」
話をすれば、第二王子殿下とギルバートがやって来られた。
私はお二人のお茶の用意を使用人に命じた。
「軍事会議ですもの。そちらの方が私のお茶会よりも大切ですわ。」
「それでだ。やはり母上の死の原因は事故だったと断定が出来た。」
「そうなのですね。」
ホッとむねを
「だがまだ城の警備は強化しておいた方がいいだろう。城内や貴族間のパワーバランスが崩れて誰が何を企むか分からないからな。」
「ええ。お母様が心配ですわ。」
第一王子、第二王子の実母である正妃様が事故で亡くなられた為に、王女殿下の母親の第二妃様が正妃様になられた。
これにより亡くなられた前正妃様側の貴族達がよからぬ事をしでかす可能性は高い。
長い王家の歴史でもよくあることだし。
それにしても、第二王子殿下はご自分のお母様が亡くなられたばかりだというのにしっかりしておいでだわ。
それに……
チラッと席に座り紅茶を飲まれている第二王子殿下の後ろに背筋を伸ばし立っているギルバートの顔を見た。すると、運悪くギルバートと目が合ってしまった。
「っ……」
急いで目を逸らす。
不自然だったかしら……
でも、あの真っ直ぐな鋭い瞳と目が合うと心臓が掴まれたように苦しくなるのよ。
絶対的に自分が正義だというようなあの顔。
それでいて大公という地位にありながら、騎士のように第二王子殿下の後ろにまわり、大公領は親族に任せて地と王都を行ったり来たりの一族の長とは思えない生活。
ああ、前の人生では妻を放ったらかしにした最低男でもあったわね。
お茶会も終わりの雰囲気になり、片付けを始めようとした時……
「リビア嬢、少しお時間よろしいでしょうか。」
やはりお堅い表情のギルバートに引き止められた。
「ええ、勿論ですわ。」
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