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第四章 指し示される道
5 Sideアーデルトラウト
しおりを挟むバタン!!
ジークより逃げる様に別れた後、私は他の団員からも隠れる様に宿舎にある自室へと戻れば乱暴に扉を閉めた。
私の所属する第二騎士団の団員は主に貴族出身とは言え、第一騎士団のそれに比べれば色々な意味でピンキリ。
いや、嫡男はいる。
とは言え大半は爵位の低い下位の貴族若しくは行き場のないスペア達にまだあったわね。
私の様に没落寸前で家計を支え……最早平民と大差のない者達で構成されていると言っても過言ではないわ。
貴族達にとっての掃き溜め……それがライン殿下が纏められる第二騎士団。
スカした野郎がいない分、変わった特技を持つ者が多いのも特徴。
平民だけの第三や第四とはまた違うギリ貴族って言う肩書を持っているだけで、平民には決して立ち入れられない場所も難なく立ち入る事が出来る。
そんな集団の中で名門公爵家の当主であり、王家の外戚と言う肩書を持つジークの存在が異質なのよ。
まさに掃き溜めに鶴。
まぁ考えるまでもなく団長のライン殿下が総騎士団団長となられた際の後釜なのでしょうね。
だからジークは周囲より冷たくされつつも、その中で着実に人望を築きつつもある。
確かに私も初見では彼に対し大分冷たい態度だったのは認めるわ。
だってそうでしょ。
親戚と言う関係だけで団長自らだけでなく、優秀な幹部達から率先して特別に稽古をつけて貰っているのよ。
私だって団長と直接手合わせして貰いたい。
そして誰よりも強くありたい。
本当に、ここまで上り詰めるまで一体私がどれ程血反吐を吐いたと思うのよ!!
歴然とした、決して超えられない男女の体格と力に体力差。
最初は男達と同じ訓練でさえも全くついていく事が出来なかった。
また自分がもっとあざとく、可愛げのある女ならばどれ程良かっただろう。
生憎と剣の腕すら弱い癖に、勝ち気な見た目と性格故に自然と目立ってしまう。
そして弱くて傲慢な女へ容赦のない性差別的な物言いと、時には力任せで人気のない場所で襲われかけた事も一度や二度なんてものでは済まされない。
セクハラ何てモノが可愛過ぎるくらいに……ね。
それでもよ。
何があろうとも歯を食い縛り頑張ってこられたのはジーク、貴方がここにいたからこそよ。
ジークを見て目の前に丁度いいカモが転がっていると思った。
何とか上手く捕まえてって、抑々彼の正妻なんてなれる筈はない。
そうね、運が良ければ愛人にでもしてくれさえすればよ。
苦しい家計も楽になるし、私自身の箔がつくかもって安易に思ったのが事の始まり。
気付けばミイラ取りがミイラになっていたなんて――――。
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