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それから
それから5 初音とジークと ⭐︎
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「初音……っ」
「ジーク……っ、ちょっ、もう、そろそろ……っ!!」
その逃げる身体を執拗に追いかけて甘噛みを落としていくジークに、初音は赤い顔でベッドの中を逃げ回る。
「初音……っ!!」
「……っ!!」
その首元に埋められた熱い吐息にゾクリと震えた身体が、びくりと波打った次の瞬間ーー。
「お母さーん!!」
「あれ? 何してるの?」
ばんっとものすごい勢いで開け放たれた部屋の扉に、初音とジークの身体が面白いほどにびくりと跳ねた。
バババッと素早くシーツをその身体に巻きつけると、真っ赤な顔で初音はひぃと顔を引き攣らせる。
何してるの? 何してるの? とその可愛らしい顔で、部屋の入り口で頭から生えた黒い丸耳と黒い尻尾をぴこぴこと動かすその愛らしい男女の双子に、ジークははぁとため息を吐いてその顔を両手で覆う。
明らかに気落ちしているジークの様子に横目に苦笑を隠し切れず、初音は思わずと眉尻を下げた。
「な、何でもないのよぉ? ところで、おばあちゃまはどこかしら?」
初音の反応にいけそうだと踏んだのか、可愛らしい双子はトコトコと部屋に入ってくるとよじよじとそのベッドによじ登って初音の腕の中にぐいぐいとその身体をねじ込んでいく。
軽く蹴りを入れられるあり様のジークは、ハァと再びと大きなため息を吐いて明後日へと視線を向けた。
そんなジークに困ったように眉を下げた初音が、手元の可愛いい双子の頭や頬を愛おしげに撫でさすると、双子は猫のようにゴロゴロとその喉を鳴らす。
「ウミ!? ソラ!?」
バタバタと騒がしく、その開け放たれた扉から顔を覗かせたジークの母豹は、あらまと言う顔をして、あせあせと部屋に入ってくる。
「ほ、ほぉら2人とも、お兄ちゃんとお姉ちゃんと遊びましょう?」
「えー、やだー」
「お母さんがいいー」
「そ、そんなこと言わないで……っ、ほらっ」
お兄ちゃんお姉ちゃんと言うところの、ジークの兄弟の子どもたちと言う意味合いのエサを撒いてみるも、目の前にいる母親の魔力には到底敵わない。
その可愛らしい頬をぷんすこと膨らませて、シーツ一枚の初音の上でゴロゴロする双子に初音は眉尻を下げる。
あわよくば、ジークの母豹に引き続き双子をお願いして、ジークとの時間をまどろもうとした思惑は見事に外れた。
「せっかくお天気もいいし、今日は皆んなでどこかにお出かけでもする?」
「え、お出かけー!?」
「お出かけやったー!!」
「ま、まだ、決まってないからねぇ……っ?」
ジークに打診をしただけなのに、すでに行く気満々なってしまった双子にわぁとなりながら、初音はずっと黙っているジークを盗み見る。
「……足りない……っ!!」
「え……っ!?」
くぅっと明らかに口惜しそうな様子のジークに、初音と母豹は目を瞬かせる。
「何なに父さまー」
「お出かけしようよー」
「父さまはお母さんを独り占めし過ぎぃー」
「お母さんを独占してるのはウミとソラだろ!? お父さんがお母さんと最後にいつゆっくり過ごしたと思ってる!?」
まだまだ小さい双子と同レベルでやり合っている年甲斐のないジークに、初音と母豹は思わずと乾いた笑いを溢すしかない。
「ごめんなさいねぇ、ちょっと目を離した隙にいなくなっちゃって……。邪魔しちゃったわよねぇ……」
「いえ、部屋の場所はわかってるのでどうしようもないと……。いつも子どもたちを見て下さりとても助かってます。ありがとうございます」
片手を頬に当ててはぁとため息を吐く母豹に、初音はシーツ一枚では居た堪れなさ過ぎてそそくさと着替えに走る。
つい先ほどまでは年甲斐もなく双子とやり合っていたはずなのに、今はベッドの上できゃいきゃいと賑やかな声でじゃれ合う3人にその瞳を緩めた。
「今日は皆んなでどこ行こっか?」
ふふっと3人を見下ろす初音を、3対の金の瞳が見上げる。
ジークの身体の上にコロコロと双子が乗ったまま、伸ばした腕にその頭を引き寄せられて、仰向いたまま背伸びしたジークの唇が初音の唇を塞ぐ。
「夜はもらう」
「……いや、明日を乗り切れる気がしないんですけど……っ」
こんな様のジークを相手取った挙句に、そのまま元気な双子相手は無理がある。
「なら今日は俺が見るから休んでろ」
「いや、それじゃぁジークが乗り切れないでしょ……っ!!」
もう、と赤くむくれる初音の言葉を掻き消して、騒がしい双子の声が響き渡る。
「あー!! ちゅーしてる!!」
「ずるい!! ぼくも!! ぼくもして!!」
「お母さん私もー!!」
「あー、もー、ちょっとは静かにしてなさい!!」
思っていたよりも遥かに騒がしくままならない現状に、ヤキモキが治らないジークは叫ぶ。
そんな幸せしかない空間に、初音はへらりと笑みを溢したーー。
「ジーク……っ、ちょっ、もう、そろそろ……っ!!」
その逃げる身体を執拗に追いかけて甘噛みを落としていくジークに、初音は赤い顔でベッドの中を逃げ回る。
「初音……っ!!」
「……っ!!」
その首元に埋められた熱い吐息にゾクリと震えた身体が、びくりと波打った次の瞬間ーー。
「お母さーん!!」
「あれ? 何してるの?」
ばんっとものすごい勢いで開け放たれた部屋の扉に、初音とジークの身体が面白いほどにびくりと跳ねた。
バババッと素早くシーツをその身体に巻きつけると、真っ赤な顔で初音はひぃと顔を引き攣らせる。
何してるの? 何してるの? とその可愛らしい顔で、部屋の入り口で頭から生えた黒い丸耳と黒い尻尾をぴこぴこと動かすその愛らしい男女の双子に、ジークははぁとため息を吐いてその顔を両手で覆う。
明らかに気落ちしているジークの様子に横目に苦笑を隠し切れず、初音は思わずと眉尻を下げた。
「な、何でもないのよぉ? ところで、おばあちゃまはどこかしら?」
初音の反応にいけそうだと踏んだのか、可愛らしい双子はトコトコと部屋に入ってくるとよじよじとそのベッドによじ登って初音の腕の中にぐいぐいとその身体をねじ込んでいく。
軽く蹴りを入れられるあり様のジークは、ハァと再びと大きなため息を吐いて明後日へと視線を向けた。
そんなジークに困ったように眉を下げた初音が、手元の可愛いい双子の頭や頬を愛おしげに撫でさすると、双子は猫のようにゴロゴロとその喉を鳴らす。
「ウミ!? ソラ!?」
バタバタと騒がしく、その開け放たれた扉から顔を覗かせたジークの母豹は、あらまと言う顔をして、あせあせと部屋に入ってくる。
「ほ、ほぉら2人とも、お兄ちゃんとお姉ちゃんと遊びましょう?」
「えー、やだー」
「お母さんがいいー」
「そ、そんなこと言わないで……っ、ほらっ」
お兄ちゃんお姉ちゃんと言うところの、ジークの兄弟の子どもたちと言う意味合いのエサを撒いてみるも、目の前にいる母親の魔力には到底敵わない。
その可愛らしい頬をぷんすこと膨らませて、シーツ一枚の初音の上でゴロゴロする双子に初音は眉尻を下げる。
あわよくば、ジークの母豹に引き続き双子をお願いして、ジークとの時間をまどろもうとした思惑は見事に外れた。
「せっかくお天気もいいし、今日は皆んなでどこかにお出かけでもする?」
「え、お出かけー!?」
「お出かけやったー!!」
「ま、まだ、決まってないからねぇ……っ?」
ジークに打診をしただけなのに、すでに行く気満々なってしまった双子にわぁとなりながら、初音はずっと黙っているジークを盗み見る。
「……足りない……っ!!」
「え……っ!?」
くぅっと明らかに口惜しそうな様子のジークに、初音と母豹は目を瞬かせる。
「何なに父さまー」
「お出かけしようよー」
「父さまはお母さんを独り占めし過ぎぃー」
「お母さんを独占してるのはウミとソラだろ!? お父さんがお母さんと最後にいつゆっくり過ごしたと思ってる!?」
まだまだ小さい双子と同レベルでやり合っている年甲斐のないジークに、初音と母豹は思わずと乾いた笑いを溢すしかない。
「ごめんなさいねぇ、ちょっと目を離した隙にいなくなっちゃって……。邪魔しちゃったわよねぇ……」
「いえ、部屋の場所はわかってるのでどうしようもないと……。いつも子どもたちを見て下さりとても助かってます。ありがとうございます」
片手を頬に当ててはぁとため息を吐く母豹に、初音はシーツ一枚では居た堪れなさ過ぎてそそくさと着替えに走る。
つい先ほどまでは年甲斐もなく双子とやり合っていたはずなのに、今はベッドの上できゃいきゃいと賑やかな声でじゃれ合う3人にその瞳を緩めた。
「今日は皆んなでどこ行こっか?」
ふふっと3人を見下ろす初音を、3対の金の瞳が見上げる。
ジークの身体の上にコロコロと双子が乗ったまま、伸ばした腕にその頭を引き寄せられて、仰向いたまま背伸びしたジークの唇が初音の唇を塞ぐ。
「夜はもらう」
「……いや、明日を乗り切れる気がしないんですけど……っ」
こんな様のジークを相手取った挙句に、そのまま元気な双子相手は無理がある。
「なら今日は俺が見るから休んでろ」
「いや、それじゃぁジークが乗り切れないでしょ……っ!!」
もう、と赤くむくれる初音の言葉を掻き消して、騒がしい双子の声が響き渡る。
「あー!! ちゅーしてる!!」
「ずるい!! ぼくも!! ぼくもして!!」
「お母さん私もー!!」
「あー、もー、ちょっとは静かにしてなさい!!」
思っていたよりも遥かに騒がしくままならない現状に、ヤキモキが治らないジークは叫ぶ。
そんな幸せしかない空間に、初音はへらりと笑みを溢したーー。
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