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第二十八章
番外編:ヴォルドー領昔話
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次話の投稿までの繋ぎだからね!!
名付けて…蟲の恩返し!!
書いた本人が言うのもアレだけど…疲れてんな。
何やってんだろうと思ってしまう。
********************************************
昔々、あるところにお爺さんとお婆さんがおりました。
お爺さんは、山に芝刈りに、お婆さんは、川に洗濯に出かけました。
お爺さんが山にはいりしばらくすると、どこからか「モキュ~」となんとも可愛らしい声が聞こえてきて不思議に思いました。
気になって、声のする方角へと進んでみると、怪我をした真っ白な毛玉が泣いていました。
お爺さんは、その真っ白な毛玉に近づき声をかけました。
「どうしたんだい。こんな山奥に」
『モモキュ』
「そうかい、そうかい」
お爺さんは、なんと言っているか分かりませんでしたが、怪我をしていることから痛いのだろうと思い、真っ白な毛玉を家に連れて帰り、治療をする事にしました。
お爺さんが家で真っ白な毛玉を治療しているとお婆さんが洗濯から帰ってきました。
「あら、お爺さん今日は早いのね」
「道中で毛玉ちゃんを見つけてな。怪我をしていたから治療しておったんじゃよ」
『モキュウ』
可愛らしい声に、お婆さんは思わずホッコリしてしまいました。
二人には子供がおらず、愛くるしい毛玉ちゃんを子供のように可愛がりました。
それから、数日、お爺さんとお婆さんは毛玉ちゃんと一緒にお風呂にはいり、一緒に寝て、一緒に遊びました。お爺さんとお婆さんは、今までにない充実した日々を味わう事ができました。
しかし、そんな日も終わりが近づいてきました。
『モッモキュ』
お爺さんとお婆さんは、毛玉ちゃんの言葉は分かりません。しかし、その眼差しと鳴き声から察したのです。もう帰らないと行けないと…。
「そうかい。毛玉ちゃんは、お家に帰らないといけないのかい」
「寂しくなるわね。あぁ、そうだわ。これ、晩ご飯にと作ったおにぎりなのよ。持って行って頂戴」
『モモキュ~』
お爺さんとお婆さんの心遣いに、毛玉ちゃんは涙で前が見えません。
コンコン
家の扉を叩く音が聞こえた。
「夜分遅くに申し訳ない。此方に、白い毛並みをした子がお邪魔していないだろうか」
毛玉ちゃんのお迎えの人が来たと、お婆さんが扉を開けた。
扉の先には、毛玉ちゃんと同じく真っ白な人が立っていた。
身なりが立派で何処かの偉い人なのだろうとお爺さんもお婆さんも思いました。
「えぇ、おりますよ。狭い場所ですが、中へどうぞ」
「感謝致します」
『モッモキュウウ』
毛玉ちゃんが、お迎えの人に飛びついたのを見てお爺さんとお婆さんは寂しく感じてしまいました。
数日とはいえ、一緒に過ごした日々はお爺さんとお婆さんに取っては何よりの宝物だったのです。
「そうか…私の子が大変お世話になった。少ないが、心ばかりのお礼を」
白い人が差しだしてきた物は、お爺さんとお婆さんが1年に稼ぐお金と同じ物でした。
「お気になさらずに、私達はお金なんかより大変良いモノをいただきました」
「えぇ。毛玉ちゃん、暇があったら、またいらっしゃいな。お爺さんもお婆さんも歓迎するわよ」
『モキュモキュ!!』
白い人は、お爺さんとお婆さんに頭を下げた。
「無粋な事を致しました。では…」
白い人が毛玉ちゃんを連れて、行く様子を後ろからみるお爺さんとお婆さんは、心にぽっかり穴が開いてしまった気がしていました。
それから、2週間後。
コンコン
これから仕事に出かけようと、扉を叩く音がした。
扉を開けてみると…真っ白な女の子がおりました。
「お爺ちゃん、お婆ちゃん!!」
「………」
「あらあら、毛玉ちゃん!! 美人になっちゃって」
お爺さんより先にお婆さんが女の子の正体に気がつきました。
「お婆ちゃん~、お爺ちゃんが気がついてくれないの」
「あら、よしよし」
お爺さんも、そこまで言われれば流石に気がつきました。
「おいでおいで、毛玉ちゃん、お爺ちゃんだぞ」
「お爺ちゃん~」
毛玉ちゃんが飛びついてくるのを気合いをいれて受け止めるお爺さん。
その日から、毛玉ちゃんはお爺さんとお婆さんの家の子として一緒に過ごしましたとさ。
************************************************
さて、幻想蝶ちゃん外伝を仕上げなければ。
名付けて…蟲の恩返し!!
書いた本人が言うのもアレだけど…疲れてんな。
何やってんだろうと思ってしまう。
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昔々、あるところにお爺さんとお婆さんがおりました。
お爺さんは、山に芝刈りに、お婆さんは、川に洗濯に出かけました。
お爺さんが山にはいりしばらくすると、どこからか「モキュ~」となんとも可愛らしい声が聞こえてきて不思議に思いました。
気になって、声のする方角へと進んでみると、怪我をした真っ白な毛玉が泣いていました。
お爺さんは、その真っ白な毛玉に近づき声をかけました。
「どうしたんだい。こんな山奥に」
『モモキュ』
「そうかい、そうかい」
お爺さんは、なんと言っているか分かりませんでしたが、怪我をしていることから痛いのだろうと思い、真っ白な毛玉を家に連れて帰り、治療をする事にしました。
お爺さんが家で真っ白な毛玉を治療しているとお婆さんが洗濯から帰ってきました。
「あら、お爺さん今日は早いのね」
「道中で毛玉ちゃんを見つけてな。怪我をしていたから治療しておったんじゃよ」
『モキュウ』
可愛らしい声に、お婆さんは思わずホッコリしてしまいました。
二人には子供がおらず、愛くるしい毛玉ちゃんを子供のように可愛がりました。
それから、数日、お爺さんとお婆さんは毛玉ちゃんと一緒にお風呂にはいり、一緒に寝て、一緒に遊びました。お爺さんとお婆さんは、今までにない充実した日々を味わう事ができました。
しかし、そんな日も終わりが近づいてきました。
『モッモキュ』
お爺さんとお婆さんは、毛玉ちゃんの言葉は分かりません。しかし、その眼差しと鳴き声から察したのです。もう帰らないと行けないと…。
「そうかい。毛玉ちゃんは、お家に帰らないといけないのかい」
「寂しくなるわね。あぁ、そうだわ。これ、晩ご飯にと作ったおにぎりなのよ。持って行って頂戴」
『モモキュ~』
お爺さんとお婆さんの心遣いに、毛玉ちゃんは涙で前が見えません。
コンコン
家の扉を叩く音が聞こえた。
「夜分遅くに申し訳ない。此方に、白い毛並みをした子がお邪魔していないだろうか」
毛玉ちゃんのお迎えの人が来たと、お婆さんが扉を開けた。
扉の先には、毛玉ちゃんと同じく真っ白な人が立っていた。
身なりが立派で何処かの偉い人なのだろうとお爺さんもお婆さんも思いました。
「えぇ、おりますよ。狭い場所ですが、中へどうぞ」
「感謝致します」
『モッモキュウウ』
毛玉ちゃんが、お迎えの人に飛びついたのを見てお爺さんとお婆さんは寂しく感じてしまいました。
数日とはいえ、一緒に過ごした日々はお爺さんとお婆さんに取っては何よりの宝物だったのです。
「そうか…私の子が大変お世話になった。少ないが、心ばかりのお礼を」
白い人が差しだしてきた物は、お爺さんとお婆さんが1年に稼ぐお金と同じ物でした。
「お気になさらずに、私達はお金なんかより大変良いモノをいただきました」
「えぇ。毛玉ちゃん、暇があったら、またいらっしゃいな。お爺さんもお婆さんも歓迎するわよ」
『モキュモキュ!!』
白い人は、お爺さんとお婆さんに頭を下げた。
「無粋な事を致しました。では…」
白い人が毛玉ちゃんを連れて、行く様子を後ろからみるお爺さんとお婆さんは、心にぽっかり穴が開いてしまった気がしていました。
それから、2週間後。
コンコン
これから仕事に出かけようと、扉を叩く音がした。
扉を開けてみると…真っ白な女の子がおりました。
「お爺ちゃん、お婆ちゃん!!」
「………」
「あらあら、毛玉ちゃん!! 美人になっちゃって」
お爺さんより先にお婆さんが女の子の正体に気がつきました。
「お婆ちゃん~、お爺ちゃんが気がついてくれないの」
「あら、よしよし」
お爺さんも、そこまで言われれば流石に気がつきました。
「おいでおいで、毛玉ちゃん、お爺ちゃんだぞ」
「お爺ちゃん~」
毛玉ちゃんが飛びついてくるのを気合いをいれて受け止めるお爺さん。
その日から、毛玉ちゃんはお爺さんとお婆さんの家の子として一緒に過ごしましたとさ。
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さて、幻想蝶ちゃん外伝を仕上げなければ。
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