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スペクター。
少なくとも私は聞いたことないし、授業でそんな強力な魔物がいるってことを知ってたら忘れるわけがない。
「スペクターって本当に聖なる力も光魔法も効かないの?」
「聖なる力と物理攻撃が効かないのは確かだ」
「私の雷魔法も効かなかったあたり、多分本当に効かないんでしょうね」
「だけど、そんなことありえんのか?」
「俺も信じられないが、あり得るんだよな。しかもゴーストと違って知能があるんだ」
「知能が・・・ある?」
ゴーストの対処方法は聖なる力と光魔法。でもそれはあくまで強制的に魂を消滅させてるようなもの。
もう一つ、ゴーストを無力化する方法があるんじゃないかと思った。
でもそれは言葉が交わすことができるかどうか。
「知能があるってことはほとんど人間と変わらないのかしら?」
「さぁな。会話はできないってのはわかるが、それ以外はわからないな」
「会話はできないのね・・・」
「会話できることで何かありますの?」
「ゴーストって、要は魂の残留思念が魔素と混じり合わさって発生する魔物じゃない?だから会話ができるなら説得やあるいわ魂を壊すことが可能かと思って」
三人とも驚いた顔をするが、すぐに呆れたようにこっちを見てくる。
私がなんかおかしなこと言ったかのように。
「ルルって時々天然でえげつないこと考えるよな」
「まぁいいんじゃねーの?スペクターを魂を精神ごと破壊して倒す。悪くねぇじゃん。正直俺が出くわしてすぐ倒して見せるって言うより現実身があるぜ」
「簡単に言うんじゃねぇ!人だって精神を破壊する様な事が難しいのに魔物の精神?想像するだけで大変なことがわかるぞ」
グレンの言う通り簡単じゃない。
でもそれしか方法も思いつかない。
「でも方法はどうしますの?」
「そうだ!マリア様の言う通り、簡単に言うな!」
『告、一ツ私ニ案ガアリマス』
「案?なんだ言って見ろよ」
「グレン誰と話してんだ?」
「ヴァルカン、魔装ですのよ」
「へぇ、会話できんのか」
「今はそんなこといいの!それで提案って何?」
これで変なことを言ったらぶん殴ってやるわ。
しかしヴァルカンからの提案がスペクターを倒す為の一つの最高の手段だと思った。
「おい、でもそれって危険じゃないのか!?」
「でもこの場でそれを安全に熟せるのは私かカインだけよ?」
「おい、どういうことだ?どうしてそこで俺の名前が出てくんだよ」
「うっさい説明するから黙ってて!」
ヴァルカンの魅力的な提案、私はこれに賭けたい。
それにうまくいけばゴーストだって倒せるってことだものね。
カインとマリアにもヴァルカンが出した提案を話したが、カインらしくもなく渋い顔をする。
「お前、それは流石に危険過ぎじゃね?」
「じゃあ他にいい案出してよ」
「いやねぇけどさ・・・」
「流石は帝国の稲妻。突拍子もないことを考えるもんだ」
「笑いごとじゃありませんの!本当に大丈夫ですの?」
確かに二人が心配するほどのやり方。
だけど、私は少しホッとしてる部分もある。
「私、グンジョーはともかく、転生した魔王になってるモモさんとは多分戦えないと思うの。だからこれは私にとっても悪くない提案なの」
「ルル・・・」
「これは多分私の弱点になる。だから克服するべきだと思ってる。けれど、すぐに割り切るってやっぱり難しいよ」
敵になったから殺す。
それはリリノアールが呪法をかけて殺人衝動を与えてもできなかったこと。
リリノアールとフランチェスカを殺す。
これはレインとロアを殺した奴らへの報い。
でも今の私は、とても二人を殺せるとは思えない。
実力で上回ったとしても、いざ目の前にしたら手を下せるかどうか。
「ルルは優しいな。いつも敵に温情をかけてる」
「甘いの間違いだろ?なぁルル。敵を殺すのは自分、味方を守ることにも繋がる。それはロアーナの時にも経験したろ?」
私はドキッとする。
そうだ、もし私が情けをかけて敵を逃がせば味方に危険が及ぶ。
そんな後悔を私は経験したというのに。
まだ、それが怖い。
「ルル。落ち着けって」
「そうですわ」
「グレン・・・マリア・・・」
「お前はお前のペースでいいんだ。カインの言うことも最もな話だ。だが、なんでも背負いこむことねぇよ」
「えぇ。ワタクシは貴女に救われましたの。貴女だけがワタクシの話を聞いてくれましたわ。貴女の優しさは短所であるのかもしれませんが、長所でもありますのよ」
私はグレンとマリアに手を握られるまで気づいてなかったけど震えていた。
想像していたよりも結構心に突き刺さったのね。
「あー、悪い。言いすぎた。別に俺もお前を攻めてるわけじゃねぇんだ。だがロアーナが死んだとき、お前が誰よりも後悔して泣いてたからな。また同じ後悔をしてほしくねぇんだよ」
「だからって言い方ってもんがあんだろ!反省しろ」
「あぁ、俺の失言だった。悪いなルル」
「ううん、カインの言う通りなの。克服しなければいけないことなのよ」
「あぁ、まぁ自分のペースで頑張れよ」
「えぇ。さて、それじゃあスペクターを倒しにいきますか!」
「俺とカインでグンジョーとモモを何とかする」
「マリア。ルルの事を頼んだぜ?」
「もちろんですわ!」
私達の反撃の狼煙が上がろうとしている。
絶対に勝つわよ。
少なくとも私は聞いたことないし、授業でそんな強力な魔物がいるってことを知ってたら忘れるわけがない。
「スペクターって本当に聖なる力も光魔法も効かないの?」
「聖なる力と物理攻撃が効かないのは確かだ」
「私の雷魔法も効かなかったあたり、多分本当に効かないんでしょうね」
「だけど、そんなことありえんのか?」
「俺も信じられないが、あり得るんだよな。しかもゴーストと違って知能があるんだ」
「知能が・・・ある?」
ゴーストの対処方法は聖なる力と光魔法。でもそれはあくまで強制的に魂を消滅させてるようなもの。
もう一つ、ゴーストを無力化する方法があるんじゃないかと思った。
でもそれは言葉が交わすことができるかどうか。
「知能があるってことはほとんど人間と変わらないのかしら?」
「さぁな。会話はできないってのはわかるが、それ以外はわからないな」
「会話はできないのね・・・」
「会話できることで何かありますの?」
「ゴーストって、要は魂の残留思念が魔素と混じり合わさって発生する魔物じゃない?だから会話ができるなら説得やあるいわ魂を壊すことが可能かと思って」
三人とも驚いた顔をするが、すぐに呆れたようにこっちを見てくる。
私がなんかおかしなこと言ったかのように。
「ルルって時々天然でえげつないこと考えるよな」
「まぁいいんじゃねーの?スペクターを魂を精神ごと破壊して倒す。悪くねぇじゃん。正直俺が出くわしてすぐ倒して見せるって言うより現実身があるぜ」
「簡単に言うんじゃねぇ!人だって精神を破壊する様な事が難しいのに魔物の精神?想像するだけで大変なことがわかるぞ」
グレンの言う通り簡単じゃない。
でもそれしか方法も思いつかない。
「でも方法はどうしますの?」
「そうだ!マリア様の言う通り、簡単に言うな!」
『告、一ツ私ニ案ガアリマス』
「案?なんだ言って見ろよ」
「グレン誰と話してんだ?」
「ヴァルカン、魔装ですのよ」
「へぇ、会話できんのか」
「今はそんなこといいの!それで提案って何?」
これで変なことを言ったらぶん殴ってやるわ。
しかしヴァルカンからの提案がスペクターを倒す為の一つの最高の手段だと思った。
「おい、でもそれって危険じゃないのか!?」
「でもこの場でそれを安全に熟せるのは私かカインだけよ?」
「おい、どういうことだ?どうしてそこで俺の名前が出てくんだよ」
「うっさい説明するから黙ってて!」
ヴァルカンの魅力的な提案、私はこれに賭けたい。
それにうまくいけばゴーストだって倒せるってことだものね。
カインとマリアにもヴァルカンが出した提案を話したが、カインらしくもなく渋い顔をする。
「お前、それは流石に危険過ぎじゃね?」
「じゃあ他にいい案出してよ」
「いやねぇけどさ・・・」
「流石は帝国の稲妻。突拍子もないことを考えるもんだ」
「笑いごとじゃありませんの!本当に大丈夫ですの?」
確かに二人が心配するほどのやり方。
だけど、私は少しホッとしてる部分もある。
「私、グンジョーはともかく、転生した魔王になってるモモさんとは多分戦えないと思うの。だからこれは私にとっても悪くない提案なの」
「ルル・・・」
「これは多分私の弱点になる。だから克服するべきだと思ってる。けれど、すぐに割り切るってやっぱり難しいよ」
敵になったから殺す。
それはリリノアールが呪法をかけて殺人衝動を与えてもできなかったこと。
リリノアールとフランチェスカを殺す。
これはレインとロアを殺した奴らへの報い。
でも今の私は、とても二人を殺せるとは思えない。
実力で上回ったとしても、いざ目の前にしたら手を下せるかどうか。
「ルルは優しいな。いつも敵に温情をかけてる」
「甘いの間違いだろ?なぁルル。敵を殺すのは自分、味方を守ることにも繋がる。それはロアーナの時にも経験したろ?」
私はドキッとする。
そうだ、もし私が情けをかけて敵を逃がせば味方に危険が及ぶ。
そんな後悔を私は経験したというのに。
まだ、それが怖い。
「ルル。落ち着けって」
「そうですわ」
「グレン・・・マリア・・・」
「お前はお前のペースでいいんだ。カインの言うことも最もな話だ。だが、なんでも背負いこむことねぇよ」
「えぇ。ワタクシは貴女に救われましたの。貴女だけがワタクシの話を聞いてくれましたわ。貴女の優しさは短所であるのかもしれませんが、長所でもありますのよ」
私はグレンとマリアに手を握られるまで気づいてなかったけど震えていた。
想像していたよりも結構心に突き刺さったのね。
「あー、悪い。言いすぎた。別に俺もお前を攻めてるわけじゃねぇんだ。だがロアーナが死んだとき、お前が誰よりも後悔して泣いてたからな。また同じ後悔をしてほしくねぇんだよ」
「だからって言い方ってもんがあんだろ!反省しろ」
「あぁ、俺の失言だった。悪いなルル」
「ううん、カインの言う通りなの。克服しなければいけないことなのよ」
「あぁ、まぁ自分のペースで頑張れよ」
「えぇ。さて、それじゃあスペクターを倒しにいきますか!」
「俺とカインでグンジョーとモモを何とかする」
「マリア。ルルの事を頼んだぜ?」
「もちろんですわ!」
私達の反撃の狼煙が上がろうとしている。
絶対に勝つわよ。
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