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第9話 かつてエルフの村だったもの
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新米パーティー”オーバーテイカー”が初めてのクエスト「ジャイアントグリズリー討伐」のためにエルフの森にやってきた。が、森の入り口でガオは足を止める。
「おかしい・・・・」
「一体どうしたというのですガオ師匠?」
「いや、本来エルフの森の入り口は厳重な結界がある。今はその結界が酷く脆い。それに門番もいるはずなんだが、誰もいない」
「なにかあったのかしら・・・・というか目に見えない結界をどうやって見てるのよ・・・・」
「結界というより魔素の流れを見ている。多分今のレズならわかるはずだ。場所ごとに薄かったり濃かったり」
「あら、ホントですわ」
「レズも見れるんだ・・・」
「とにかく村の方に行ってみよう」
「えぇ」
「はい」
村に向かう道中さえも人っ子ひとり、いや、エルフっ子ひとりも見当たらない。不気味なほど静まった森を進んでいき村へ着く。
「おい・・・・なんだよコレ・・・・」
「酷い・・・・」
「村が・・・・」
村に着くと、そこにはかつて家であったであろう木々の残骸と廃墟の光景が広がっていた。
半分は黒く焼け焦げて炭となっており、ただ事ではないと誰の目から見ても明らかであった。
三人は生存者がいないかも含め村であった箇所を散策する。
「見て!あそこに1人女の子がいるわ!」
ハミールが指差した先にポツンと佇む1人のエルフがいた。
「おい!大丈夫か!?」
「・・・・・げください」
「え?」
「お逃げください冒険者様・・・・もう、人が死ぬのを見るのは沢山です・・・・」
ポツリと呟き、そのエルフの少女はとぼとぼと歩き出す。
「待て!!どこへ行く!何があった!?」
俺は彼女の肩を引き寄せ、こちらを向かせる。自分に向いた彼女の顔は酷く怯えているように見えた。
「ドラゴンが出たのです・・・・」
「ドラゴン!?魔法の扱いに長けたエルフの住む村でこの被害ってことは・・・・古龍種か」
「わかりません・・・ただ途轍もない体躯と無限とすら思える魔力量に為す術もなく村は蹂躙されました。男の方々は村を守るために戦い命を落とし、女性や子供は森から出て行きました」
「君は何故ここに?」
「私はドラゴンの姿を見て腰を抜かし、逃げることすら叶いませんでした。ここで死ぬのかと思いましたが、そのドラゴンに世話係として私だけ生かされて・・・」
「なるほど・・・って待て、そのドラゴンは人語も喋ったのか!?」
「はい。今は森の奥にて眠っていらっしゃいます」
「今回は相当やべぇ相手だな」
「お辞めください冒険者様!!もう・・・・もう目の前で人が死ぬのは・・・・」
エルフの少女はポロポロと泣き出す。たった1人で死と隣り合わせの生活をして、今にでも助けを求めたいはずなのに。決して助けてとは言わず、「逃げて」という彼女をほっとくことなど・・・俺には出来ない!!
俺は彼女の涙をそっと指で拭き取り
「安心しろ。おまえの悪夢、俺が断ち斬ってやる」
目の前のエルフ少女を救うため、俺は森の奥へと歩き出す。
「おかしい・・・・」
「一体どうしたというのですガオ師匠?」
「いや、本来エルフの森の入り口は厳重な結界がある。今はその結界が酷く脆い。それに門番もいるはずなんだが、誰もいない」
「なにかあったのかしら・・・・というか目に見えない結界をどうやって見てるのよ・・・・」
「結界というより魔素の流れを見ている。多分今のレズならわかるはずだ。場所ごとに薄かったり濃かったり」
「あら、ホントですわ」
「レズも見れるんだ・・・」
「とにかく村の方に行ってみよう」
「えぇ」
「はい」
村に向かう道中さえも人っ子ひとり、いや、エルフっ子ひとりも見当たらない。不気味なほど静まった森を進んでいき村へ着く。
「おい・・・・なんだよコレ・・・・」
「酷い・・・・」
「村が・・・・」
村に着くと、そこにはかつて家であったであろう木々の残骸と廃墟の光景が広がっていた。
半分は黒く焼け焦げて炭となっており、ただ事ではないと誰の目から見ても明らかであった。
三人は生存者がいないかも含め村であった箇所を散策する。
「見て!あそこに1人女の子がいるわ!」
ハミールが指差した先にポツンと佇む1人のエルフがいた。
「おい!大丈夫か!?」
「・・・・・げください」
「え?」
「お逃げください冒険者様・・・・もう、人が死ぬのを見るのは沢山です・・・・」
ポツリと呟き、そのエルフの少女はとぼとぼと歩き出す。
「待て!!どこへ行く!何があった!?」
俺は彼女の肩を引き寄せ、こちらを向かせる。自分に向いた彼女の顔は酷く怯えているように見えた。
「ドラゴンが出たのです・・・・」
「ドラゴン!?魔法の扱いに長けたエルフの住む村でこの被害ってことは・・・・古龍種か」
「わかりません・・・ただ途轍もない体躯と無限とすら思える魔力量に為す術もなく村は蹂躙されました。男の方々は村を守るために戦い命を落とし、女性や子供は森から出て行きました」
「君は何故ここに?」
「私はドラゴンの姿を見て腰を抜かし、逃げることすら叶いませんでした。ここで死ぬのかと思いましたが、そのドラゴンに世話係として私だけ生かされて・・・」
「なるほど・・・って待て、そのドラゴンは人語も喋ったのか!?」
「はい。今は森の奥にて眠っていらっしゃいます」
「今回は相当やべぇ相手だな」
「お辞めください冒険者様!!もう・・・・もう目の前で人が死ぬのは・・・・」
エルフの少女はポロポロと泣き出す。たった1人で死と隣り合わせの生活をして、今にでも助けを求めたいはずなのに。決して助けてとは言わず、「逃げて」という彼女をほっとくことなど・・・俺には出来ない!!
俺は彼女の涙をそっと指で拭き取り
「安心しろ。おまえの悪夢、俺が断ち斬ってやる」
目の前のエルフ少女を救うため、俺は森の奥へと歩き出す。
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