騎士団を追放された俺はスキル「強制絶頂」でハーレムパーティを作ってE級冒険者から駆け上がる〜「強制絶頂」は最高の美少女テイマースキルでした〜

佐々黒 歩

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第10話 獄炎龍討伐

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「よぉ、獄炎龍さんよ」

 俺はエルフの少女から教えてもらったドラゴンの寝床へ歩を進め、ドラゴンを眼前に捉える。少女の事前に得た情報から、ドラゴンの中でも最高位である古龍種”獄炎龍”であることはわかっていた。
 ハミールとレズの2人にはエルフの少女を連れて森を出るように指示をした。彼女らを守りながら戦えるほど余裕のある相手ではない。

「・・・・・・・まだ、あの森に生き残りがいたのか」

 俺の言葉に目を覚まし、ゆっくりとその巨体を起こす。10mはあろう巨躯に、体の割れ目から漏れ出す魔素由来の黒炎。目の前に立つだけで死を覚悟するほどのプレッシャーを放つ。

「何故森を襲った!!お前ほどの存在であれば祀られた寝床があるだろ!」
「うるさいぞ人の子。汝も我の眠りを妨げるというのならば、我が祠を壊した阿呆のように殺してやろう」
「寝床荒らされたからって、村を壊して人の命を奪うんじゃねぇ!!」
「命を奪う?我が眠りにつく場所に虫ケラがおっただけではないか」

 獄炎龍の言葉にふつふつと怒りが湧いてくる。エルフたちの命を虫ケラと呼ぶ目の前の理不尽に、彼女の涙を嘲笑うかのようなその態度に。

「その考えは死ななきゃわからねぇようだな」
「死ぬのはお主だ。小僧」

”肉体強化[極]”
”思考加速[極]”
”五感強化[極]”
”魔素障壁貫通”
”炎耐性強化”
”魔術兵装[神ノ雷嵐]”

 ガオは対獄炎龍への持ちうる限りの強化魔法を自身にかける。
 そして敵へ放つ魔法を自ら取り込み、自分自身の在り方を変化させるスキル”魔術兵装”。このスキルにより己の在り方を電気に変容させる。全身からは電気がほとばしり、その移動速度は音を置き去りにする。

「いくぜ」ーーーーー

 ひと踏みで地面は抉れ瞬間移動とも思える速度で距離を詰め、神速の剣で斬りつける。が、獄炎龍の頑強な鱗には無数の斬り傷はできるものの、多重の魔素からなる強靭な肉体には致命傷を与えられなかった。

「ふん。速いだけの虫が、それでは我は殺せぬぞ」
「知ってるよ」

 紙一重で躱しているガオであったが、もし爪でもかすろうものなら、身体がバラバラに引き裂かれる。尻尾に当たれば、内臓は全て潰れる。一度ブレスを浴びようものなら、炎耐性強化など鼻で笑い全てを焼き尽くされる。
 そもそも電気に在り方を変え、炎耐性に肉体強化をしてようやく近付けるほどの相手である。
 決定打がないまま、高速で斬りつけ続けるガオ。高負荷のバフ魔法に魔術兵装のスキルで体は悲鳴をあげる。一歩の踏み込みで大地が揺れ、木々がへし折れていく戦いを繰り広げるも無尽蔵の魔力を持つ獄炎龍には意味をなさなかった。
 しかし決定打のないと思った獄炎龍の慢心、目にもとまらぬ高速戦闘で手繰り寄せた、たった一つの敵の隙。その一瞬をガオは見逃さなかった。
 
「今だっっっ!!!!」

 彼は獄炎龍自身から吸収し続けていた、獄炎の魔法を”魔術兵装”により剣へ纏わせる。刀身はその在り方をかえ、光をも飲み込む漆黒炎となりーーー

「じゃあな獄炎龍!!自分の劫火に焼かれて眠れ」

 瞬間、獄炎龍の首は胴体から斬り飛ばさる。勝負の終焉を告げるように獄炎龍の悲鳴は森中に轟き、その巨体は地面に崩れ落ちた。
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