13 / 23
12
しおりを挟む
隣国からルバーニ殿下が来た、らしい。
こっそりアーノルドが教えてくれたことなので、らしい、とついてしまう。
相変わらず毎晩のオスカー様の訪れは止まっていない。それどころか激しさを増していて、道具を使われるまであともう少しって気がしてとても怖いです。お尻の穴とか絶対使いたくない。スライムとか、さすがに無理。
「姉上、おはようございます。殿下からパーティーのことはお聞きになりましたか?」
「おはよう。聞いてないわ……」
ふわぁ、とあくびをしながらアーノルドの質問に答える。
昨夜もやってきたオスカー様にほとんど朝まで貪られて起きたのはお昼を少し過ぎた今。
「おはよう、ソフィア」
「お父様。おはようございます。いらっしゃったの?」
「今日は仕事が休みでな」
あら、珍しい。それにしたって、私がこんなに遅くに起きたことには誰もなにも言わないんだ……。なんだかそれがとても複雑です。
最近はいつものことだし、かといってなにか言われてもオスカー様に言ってくださいとしか言えないんだけど。
そろそろパーティーか。これでやっとオスカー様の暴挙も止まるんだ。
まだ結婚前の年頃の娘に淫語を喋らせて興奮するなんて、よくないと思う。でもまあ監禁生活に戻れば落ち着く……はず。それを信じて進むしか道はないのだ。
遅過ぎる朝食を食べながら、ちらりと時計を確認する。
「今日は出掛けられるかしら……」
久し振りに外の空気が吸いたいな、という軽い気持ちでそう呟くと、ガタガタッとお父様とアーノルドが勢いよく立ち上がった。
「なにを言ってるんですか、姉上!」
「そうだぞ、ソフィア! お前を一人で街に行かせたなど知られたら、知られたら……!」
なにげなく言った言葉なのに、焦る二人にタジタジになる。お父様にいたってはガタガタと震えている。
まって。なんでそんなに恐ろしい顔をしてるの? 普通だよね? 街に行きたいって普通の欲求だよね? 実際よく行ってたよね?
「アーノルド? お父様?」
「私が一緒に行っても絶対お叱りを受けるし……」
「だからといって護衛をつけさせても、男と一緒に行くなんてとお怒りになるに違いない……」
「もしもーし」
「そもそもバレないようになんて絶対に無理だ」
「どこからかソフィアが街に出たという情報を掴んでくるに違いない」
「ねぇ、二人の中でオスカー様はどんな存在なの?」
「絶対に姉上を家から出しちゃダメだ」
「とばっちりを食らうのは我々だな」
「ねぇ」
うんうんと二人でうなずき合って結論を出すんじゃない。
私の意見も少しは聞いて欲しい。今までだったらそんなこと言わなかったのに。私が監禁されてる間にずいぶんと過保護になってない?
「ルボス王国の第二王子殿下が帰ってしまったらこうして家にいることもないのよ。たまには外に出ても……いいえ、いっそ領地に帰ってもいいじゃない」
「おまえは我が領地を焼け野原にするつもりか!」
「姉上は領民を不幸にするおつもりですか!」
「そんなつもりは……」
「おまえがなくとも殿下のことだ。『帰る家がなくなればソフィーも帰りたがらないよね』などと言い、ソフィアの帰る家を破壊するに違いない」
「それどころか姉上のためなら領民を人質にすることだって辞さないお方ですよ。殿下を狂王になどなさらないでください!」
そんなことをする可能性のある今の時点で、オスカー様が狂王だっていう可能性があることを理解してほしい。本当に。あと、お父様はオスカー様の声真似が上手ですね。
とりあえず二人がオスカー様をどう思っているかは置いといて。
私が結婚したらを考えてほしい。本当に監禁生活の始まりなのに。確かに王妃の公務として、孤児院への訪問(オスカー様付き)、晩餐会への出席(オスカー様付き)、夜会の主催(オスカー様付き)、街への視察(オスカー様付き)は行われる。やっぱり全て(オスカー様付き)が大前提。
唯一お茶会は女の園だからオスカー様がいらっしゃらないだろうけど、信用できる友以外とのお茶会はマウントを取るか取られるか。窮屈なものになる。
オスカー様と一緒なのは苦痛じゃない。けど、今は結婚前の束の間の自由の時間。
ちょっと街に出るくらいいいじゃない、別に。護衛を連れて行かないなんて言ってないし。
「姉上はおとなしく家に篭っていてください!」
「護衛を連れて行けば……」
「おとなしく殿下が夜に来るのを待っていてください!」
家族公認の夜這いなんて嫌すぎるんだけど。
というか、やっぱりオスカー様が私の部屋に来てたことバレてたんだ。ということはあんなことやそんなことをしてたこともバレてるわけで。
なんだろう。すごく辛い。泣きそうだ。心が痛いです。
「夜は外に出られないじゃない……」
「姉上は街に行ってなにがされたいんですか?」
「なにって……」
特になにも考えてないけど、街に出たい。
そもそもオスカー様のところでは鎖で繋がれ監禁、家に帰ってからも身体は自由とはいえほとんど軟禁状態。
引きこもり体質の私でもなんでもいいから外に出たい欲求が出てくるに決まってる。
とはいえそんなことを言ったら……。
「姉上の我儘で平民を危険に晒すつもりですか!」
私の中のアーノルドが叫んでた。
でも、待って、私の中のアーノルド。オスカー様は私がただ街に行きたいからと言って平民を危険に晒すような人ではないはず。だから別に本当のことを言っても……。
「孤児院の様子をこの目で見たいからよ」
「ああ、姉上が特に気にしている孤児院ですね」
「ええ、そうよ」
本当のことを言ってもいいはずなのに、私の口から出たのは違う言葉だった。おかしい。
けれど、ほら。孤児院に行きたいのも本当だから嘘じゃない。嘘じゃないったら嘘じゃない。
私が様子を見たい孤児院は、ゲームの中だと私に潰される孤児院だ。
確か攻略者の一人であるゼルビスがいた孤児院だった。護衛であり自分の所有物であるゼルビスの執着が自分以外のものにあることが気に食わなくて潰した、っていう設定だった。
それが原因でゲームの私はゼルビスに裏切られて売られました。どこのルートでも私を娼館に連れて行くのはゼルビスだった。
それを回避するために孤児院の後ろ盾になりました。でも絶対あの孤児院って、ゲームの中の私が潰さなくてもそのうち潰れてたと思う。だって経営ガバガバだったもん。予算が少ないくせに孤児を際限なく受け入れるから、ギリギリの経営。ゼルビスの支援があっても足りないくらい。
あのシスターは人が良すぎるのが問題ね。しかも孤児院を卒業して職についても、あの孤児院に寄生する子がいて、それを見て成長するから職についても孤児院に戻ってきていいものだと考える子が増える。悪循環。
「あそこは孤児たちにとっては楽園ですからねぇ。けど、甘やかしすぎるのもどうかと思いますよ、姉上」
「甘やかしてるつもりはないわよ。最低限のことしかしてないわ。貴族に寄生しては彼らは生きていけないもの」
ちなみに別にその孤児院だけに寄付してるわけじゃない。他にも寄付してるところはある。けど、特に目をかけてるのがそこなだけ。
だって、あそこが潰れたら娼婦ルートになる可能性があるんだよ? 恐ろしい……。
「ま、城に行ってからは一度も行ってなかったから、たまには様子を見に行くのもいいかと思って。そう思わない? お父様、アーノルド」
「思わないな」
「全く思いません」
優雅に微笑んで二人に訊ねると、ばっさりと切られた。
私が想像した流れと違うのだけど。
「普通そこはそう思う、ってなるところじゃないの?」
「殿下がお前に執着を露わにする前ならそうかもしれんが、執着を隠す気もない殿下を前によくそうなると思ったな」
「姉上は監き、城で蜜月を過ごしてる間に殿下の恐ろしさを理解できなかったのですか?」
監禁って、監禁って言おうとした。アーノルド、監禁って言おうとした!
言い直したけど、言いたかった言葉はわかってしまった。酷くない?
「じゃあわたくしはどうすればいいのよ!」
「外に出るな」
「殿下の訪れを待ってください」
「それが家族に言う言葉なの!?」
「仕方ないでしょう。殿下に逆らえばこの家はすぐに没落ですよ」
「アーノルド、それは違う。そうなればソフィアが王太子妃になれぬからな。おそらく殿下の息がかかった者に家を乗っ取られるだけだ。そして我々は幽閉か処刑か……」
「お父様もアーノルドも、オスカー様のことをどう思ってらっしゃるの……?」
真剣にそんなことを考えないでほしい。私も怖くなるから。
オスカー様を信じたいのに、二人がオスカー様への不信を助長させる。そういうのどうかと思う。一応婚約者なんだけど。婚約者に恐怖いっぱいとか、よくないと思うの。
私の問いに明確な答えは出さずにただ目をそらすだけの二人。怖いから私もなにも言わない。とにかくお父様もアーノルドも、オスカー様を危険視してることは理解した。理解したくないけど、理解した。
「……わかったわ。なら、オスカー様から許可がいただければ、外に行ってもいいのね?」
「ああ、いいぞ」
「ええ、もちろんです」
(取れるものならな)
そんな二人の副音声が聞こえたけど、私は負けない。
こっそりアーノルドが教えてくれたことなので、らしい、とついてしまう。
相変わらず毎晩のオスカー様の訪れは止まっていない。それどころか激しさを増していて、道具を使われるまであともう少しって気がしてとても怖いです。お尻の穴とか絶対使いたくない。スライムとか、さすがに無理。
「姉上、おはようございます。殿下からパーティーのことはお聞きになりましたか?」
「おはよう。聞いてないわ……」
ふわぁ、とあくびをしながらアーノルドの質問に答える。
昨夜もやってきたオスカー様にほとんど朝まで貪られて起きたのはお昼を少し過ぎた今。
「おはよう、ソフィア」
「お父様。おはようございます。いらっしゃったの?」
「今日は仕事が休みでな」
あら、珍しい。それにしたって、私がこんなに遅くに起きたことには誰もなにも言わないんだ……。なんだかそれがとても複雑です。
最近はいつものことだし、かといってなにか言われてもオスカー様に言ってくださいとしか言えないんだけど。
そろそろパーティーか。これでやっとオスカー様の暴挙も止まるんだ。
まだ結婚前の年頃の娘に淫語を喋らせて興奮するなんて、よくないと思う。でもまあ監禁生活に戻れば落ち着く……はず。それを信じて進むしか道はないのだ。
遅過ぎる朝食を食べながら、ちらりと時計を確認する。
「今日は出掛けられるかしら……」
久し振りに外の空気が吸いたいな、という軽い気持ちでそう呟くと、ガタガタッとお父様とアーノルドが勢いよく立ち上がった。
「なにを言ってるんですか、姉上!」
「そうだぞ、ソフィア! お前を一人で街に行かせたなど知られたら、知られたら……!」
なにげなく言った言葉なのに、焦る二人にタジタジになる。お父様にいたってはガタガタと震えている。
まって。なんでそんなに恐ろしい顔をしてるの? 普通だよね? 街に行きたいって普通の欲求だよね? 実際よく行ってたよね?
「アーノルド? お父様?」
「私が一緒に行っても絶対お叱りを受けるし……」
「だからといって護衛をつけさせても、男と一緒に行くなんてとお怒りになるに違いない……」
「もしもーし」
「そもそもバレないようになんて絶対に無理だ」
「どこからかソフィアが街に出たという情報を掴んでくるに違いない」
「ねぇ、二人の中でオスカー様はどんな存在なの?」
「絶対に姉上を家から出しちゃダメだ」
「とばっちりを食らうのは我々だな」
「ねぇ」
うんうんと二人でうなずき合って結論を出すんじゃない。
私の意見も少しは聞いて欲しい。今までだったらそんなこと言わなかったのに。私が監禁されてる間にずいぶんと過保護になってない?
「ルボス王国の第二王子殿下が帰ってしまったらこうして家にいることもないのよ。たまには外に出ても……いいえ、いっそ領地に帰ってもいいじゃない」
「おまえは我が領地を焼け野原にするつもりか!」
「姉上は領民を不幸にするおつもりですか!」
「そんなつもりは……」
「おまえがなくとも殿下のことだ。『帰る家がなくなればソフィーも帰りたがらないよね』などと言い、ソフィアの帰る家を破壊するに違いない」
「それどころか姉上のためなら領民を人質にすることだって辞さないお方ですよ。殿下を狂王になどなさらないでください!」
そんなことをする可能性のある今の時点で、オスカー様が狂王だっていう可能性があることを理解してほしい。本当に。あと、お父様はオスカー様の声真似が上手ですね。
とりあえず二人がオスカー様をどう思っているかは置いといて。
私が結婚したらを考えてほしい。本当に監禁生活の始まりなのに。確かに王妃の公務として、孤児院への訪問(オスカー様付き)、晩餐会への出席(オスカー様付き)、夜会の主催(オスカー様付き)、街への視察(オスカー様付き)は行われる。やっぱり全て(オスカー様付き)が大前提。
唯一お茶会は女の園だからオスカー様がいらっしゃらないだろうけど、信用できる友以外とのお茶会はマウントを取るか取られるか。窮屈なものになる。
オスカー様と一緒なのは苦痛じゃない。けど、今は結婚前の束の間の自由の時間。
ちょっと街に出るくらいいいじゃない、別に。護衛を連れて行かないなんて言ってないし。
「姉上はおとなしく家に篭っていてください!」
「護衛を連れて行けば……」
「おとなしく殿下が夜に来るのを待っていてください!」
家族公認の夜這いなんて嫌すぎるんだけど。
というか、やっぱりオスカー様が私の部屋に来てたことバレてたんだ。ということはあんなことやそんなことをしてたこともバレてるわけで。
なんだろう。すごく辛い。泣きそうだ。心が痛いです。
「夜は外に出られないじゃない……」
「姉上は街に行ってなにがされたいんですか?」
「なにって……」
特になにも考えてないけど、街に出たい。
そもそもオスカー様のところでは鎖で繋がれ監禁、家に帰ってからも身体は自由とはいえほとんど軟禁状態。
引きこもり体質の私でもなんでもいいから外に出たい欲求が出てくるに決まってる。
とはいえそんなことを言ったら……。
「姉上の我儘で平民を危険に晒すつもりですか!」
私の中のアーノルドが叫んでた。
でも、待って、私の中のアーノルド。オスカー様は私がただ街に行きたいからと言って平民を危険に晒すような人ではないはず。だから別に本当のことを言っても……。
「孤児院の様子をこの目で見たいからよ」
「ああ、姉上が特に気にしている孤児院ですね」
「ええ、そうよ」
本当のことを言ってもいいはずなのに、私の口から出たのは違う言葉だった。おかしい。
けれど、ほら。孤児院に行きたいのも本当だから嘘じゃない。嘘じゃないったら嘘じゃない。
私が様子を見たい孤児院は、ゲームの中だと私に潰される孤児院だ。
確か攻略者の一人であるゼルビスがいた孤児院だった。護衛であり自分の所有物であるゼルビスの執着が自分以外のものにあることが気に食わなくて潰した、っていう設定だった。
それが原因でゲームの私はゼルビスに裏切られて売られました。どこのルートでも私を娼館に連れて行くのはゼルビスだった。
それを回避するために孤児院の後ろ盾になりました。でも絶対あの孤児院って、ゲームの中の私が潰さなくてもそのうち潰れてたと思う。だって経営ガバガバだったもん。予算が少ないくせに孤児を際限なく受け入れるから、ギリギリの経営。ゼルビスの支援があっても足りないくらい。
あのシスターは人が良すぎるのが問題ね。しかも孤児院を卒業して職についても、あの孤児院に寄生する子がいて、それを見て成長するから職についても孤児院に戻ってきていいものだと考える子が増える。悪循環。
「あそこは孤児たちにとっては楽園ですからねぇ。けど、甘やかしすぎるのもどうかと思いますよ、姉上」
「甘やかしてるつもりはないわよ。最低限のことしかしてないわ。貴族に寄生しては彼らは生きていけないもの」
ちなみに別にその孤児院だけに寄付してるわけじゃない。他にも寄付してるところはある。けど、特に目をかけてるのがそこなだけ。
だって、あそこが潰れたら娼婦ルートになる可能性があるんだよ? 恐ろしい……。
「ま、城に行ってからは一度も行ってなかったから、たまには様子を見に行くのもいいかと思って。そう思わない? お父様、アーノルド」
「思わないな」
「全く思いません」
優雅に微笑んで二人に訊ねると、ばっさりと切られた。
私が想像した流れと違うのだけど。
「普通そこはそう思う、ってなるところじゃないの?」
「殿下がお前に執着を露わにする前ならそうかもしれんが、執着を隠す気もない殿下を前によくそうなると思ったな」
「姉上は監き、城で蜜月を過ごしてる間に殿下の恐ろしさを理解できなかったのですか?」
監禁って、監禁って言おうとした。アーノルド、監禁って言おうとした!
言い直したけど、言いたかった言葉はわかってしまった。酷くない?
「じゃあわたくしはどうすればいいのよ!」
「外に出るな」
「殿下の訪れを待ってください」
「それが家族に言う言葉なの!?」
「仕方ないでしょう。殿下に逆らえばこの家はすぐに没落ですよ」
「アーノルド、それは違う。そうなればソフィアが王太子妃になれぬからな。おそらく殿下の息がかかった者に家を乗っ取られるだけだ。そして我々は幽閉か処刑か……」
「お父様もアーノルドも、オスカー様のことをどう思ってらっしゃるの……?」
真剣にそんなことを考えないでほしい。私も怖くなるから。
オスカー様を信じたいのに、二人がオスカー様への不信を助長させる。そういうのどうかと思う。一応婚約者なんだけど。婚約者に恐怖いっぱいとか、よくないと思うの。
私の問いに明確な答えは出さずにただ目をそらすだけの二人。怖いから私もなにも言わない。とにかくお父様もアーノルドも、オスカー様を危険視してることは理解した。理解したくないけど、理解した。
「……わかったわ。なら、オスカー様から許可がいただければ、外に行ってもいいのね?」
「ああ、いいぞ」
「ええ、もちろんです」
(取れるものならな)
そんな二人の副音声が聞こえたけど、私は負けない。
19
あなたにおすすめの小説
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
わんこ系婚約者の大誤算
甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。
そんなある日…
「婚約破棄して他の男と婚約!?」
そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。
その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。
小型犬から猛犬へ矯正完了!?
ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない
斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。
襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……!
この人本当に旦那さま?
って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
最高魔導師の重すぎる愛の結末
甘寧
恋愛
私、ステフィ・フェルスターの仕事は街の中央にある魔術協会の事務員。
いつもの様に出勤すると、私の席がなかった。
呆然とする私に上司であるジンドルフに尋ねると私は昇進し自分の直属の部下になったと言う。
このジンドルフと言う男は、結婚したい男不動のNO.1。
銀色の長髪を後ろに縛り、黒のローブを纏ったその男は微笑むだけで女性を虜にするほど色気がある。
ジンドルフに会いたいが為に、用もないのに魔術協会に来る女性多数。
でも、皆は気づいて無いみたいだけど、あの男、なんか闇を秘めている気がする……
その感は残念ならが当たることになる。
何十年にも渡りストーカーしていた最高魔導師と捕まってしまった可哀想な部下のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる