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あまりにもありえない驚愕な言葉に、なにも言えずルバーニ殿下を見つめる。
本気なの、この人。一国の王太子の婚約者になんてこと言ってるの?
なにか言わなくちゃ、と思うけどなにを言えばいいのかわからない。
とりあえず口を開いてみたけど、なにも言葉が出なくて、口を閉ざした。
「ソフィーちゃん? 聞いてる?」
「えっ、あ、はい。聞いてます……?」
「戸惑ってるソフィーちゃんかわいいー」
チャラ男ってすごい。
そんな感想しか出てこない。
くるくると身体はステップを踏んでるけど、すごく戸惑ってる。ルバーニ殿下をジッと見つめていると、ルバーニ殿下の頬が赤く染まった。
「ソフィーちゃん、あんまり見られると照れちゃう」
どういうキャラなの?
本当に照れた様子のルバーニ殿下にさらに戸惑う。言葉が出てこない。なんて言えばいいんだろう。
え、本当になんて?
「でん、か。あの、冗談とはいえそのようなことおっしゃってはいけませんわ。わたくし、オスカー様の婚約者でしてよ?」
「うん。でも、俺は──」
ルバーニ殿下がなにかを言う前に、音楽が止む。
それにホッとしたのも束の間。ルバーニ殿下はオスカー様やジェーン様の元に戻らずに、私の手首を掴んでスタスタとテラスへと向かった。
え、え、と戸惑うけれど、他国から招かれた人たちが多い中で、目立つ行動はとても避けたい。幸い、ほとんどの人はオスカー様に注目してらして、私たちに注目している人は少なかった。人々の話し声に紛れてテラスへと着く。
そこで、ルバーニ殿下は私と向き合うように肩を掴んできた。
「俺のこと、覚えてないの?」
「それは一体なんのことでしょう?」
縋るような目で見つめられたけど、さっぱり。
なんの話をしてるの、ルバーニ殿下。悪役令嬢とラスボス予定の攻略キャラには元々なにか接点があったとか? でも、私にはルバーニ殿下とお会いした記憶がない。全くない。これっぽっちも。
「小さい頃、俺と結婚するって言ったじゃんっ!」
「けっ、!?」
本当になにを言ってるの!?
思わずギョッとしてルバーニ殿下を見つめる。けれどすぐにしっかりしなくてはと思い直して、頭を冷やすように目を閉じてから、ルバーニ殿下を見つめた。
「……いくら友好国の王子様でも、言っていいことと悪いことがあります。戯れはおやめください」
「戯れなんかじゃない。ねえ、俺とアーノルドとソフィーちゃんで遊んだじゃんっ! そのとき結婚するって言ったじゃん!」
……アーノルドと? 私と? ルバーニ殿下……?
「…………ルーちゃん…………」
思い浮かんだのは前世を思い出す前の記憶。
私とアーノルドともう一人が花畑で花冠を作って遊んでる。アーノルドともう一人は一生懸命に花冠を作ってて、早々に飽きた私はアーノルドをおちょくるように、花冠を作る作業を邪魔してた。
「思い出してくれたんだ……!」
ぱぁ、と顔を輝かせて喜びの表情を見せるルバーニ殿下。その顔があの子──ルーちゃんと重なる。
いやでも待って。
「ルーちゃんは女の子でしたけど……!?」
そしてその子と結婚の約束をしてたのはアーノルドだった!
「──うん、まああの頃は女の子の格好してたけど、でも、ソフィーちゃんが結婚してくれるって言ったよ!」
「なっ、そんなこと言ったことありません!」
「言ったよ」
言ってない、絶対に言ってない……たぶん。
ふるふると首を振ってルバーニ殿下の言葉を否定するけど、どんどんあの頃の記憶が蘇ってくる。
──私、勘違いしてたのかもしれない。
前世の記憶を思い出す前の私はアーノルドのことを虐めていた。そのくせアーノルドと離れることが嫌で、よくアーノルドにくっついて回った記憶がある。
アーノルドもまだ小さい頃は虐められても私と一緒にいてくれた。
ルーちゃんと初めて会ったのはお父様の領地の小さな教会。街の子供たちが集まる小さな教会で、私たち三人は出逢った。
アーノルドの初恋はルーちゃんだった。
それがわかっていて、私はルーちゃんと仲良くなった。アーノルドに見せつけるように、手を繋いだり、頬にキスをしたり、やりたい放題だったと思う。
ルーちゃんも私を慕ってくれていて、私のことをソフィーちゃんと呼んで仲良くしていた。
今思い出すと、平民であるはずのルーちゃんが私たちと仲良くしていられるはずがなかった。けれど、幼い私たちはそのことに気がつかなかった。
「ねえ、ソフィーちゃん。おっきくなったら結婚したい」
ルーちゃんがそう言ったのはアーノルドがいないとき。
相手は女の子。当然、「結婚したい」の前には「(アーノルドと)」が付くものだと思っていた。
どうして私に言うのだろう、とは思いつつも、ルーちゃんのことが純粋に友達として好きだった私の答えは一つしかなかった。
「いいと思う! ルーちゃんと家族になるの、楽しそう!」
「ほんと? 僕と家族になってくれるの?」
「ほんとだよ。ルーちゃんと家族になる!」
僕っ子ではあったけど、美少女顔だったルーちゃんがまさか男の子と誰が思いますか。
「なら、約束ね。ソフィーちゃんのこと、迎えにくるから!」
「うん。わたしもルーちゃんのこと、アーノルドと一緒に待ってるね」
「ソフィーちゃん、だいすき!」
ギュッと抱き締め合う少女たち。何度でもいうけど、まさかそのうちの一人が少年だなんて誰が思うの?
その後、オスカー様と出逢って、前世を思い出した私は、ルーちゃんのことなんてすっかり忘れていた。
頭の中に思い浮かぶのは『やばい』。その三文字だけ。
いやでも私なにも悪くない。悪くないよね??
結婚の約束をしたのはアーノルドだし。私はただ二人の窓口になっただけ。そういえば意地悪でルーちゃんの言葉をアーノルドに伝えなかった気がするけど、大丈夫、婚約の約束したのはアーノルドとルーちゃんだから。
うん、うんうん。悪くない。全然悪くないから、オスカー様に罪悪感なんて持たなくても大丈夫。
それよりも可哀想なのはアーノルド。だって初恋の女の子がまさかの男の子。
そのうえ結婚の約束までして。
そう。やっぱりルーちゃんと結婚の約束をしたのはアーノルド。私じゃない。絶対にです。
「ソフィーちゃん、思い出してくれた?」
「殿下、私の名前を軽々しく呼ぶのはお止めください。勘違いされてしまったらどうされるのです」
「俺は勘違いされたい。好きなんだ、ずっと……」
グッ、と言葉に詰まってしまった。
だって、だってだって! 異性からの告白なんて初めてなんだもん! オスカー様に告白はされたけど、なんかこんか直向きな感じではなかった。しおらしさっていうか。オスカー様の告白はやっぱり僕様だった。
それに比べてルバーニ殿下の告白は庇護欲がくすぐられる。ラスボスっぽい人なのに、チャラ男なのに、ちょっとかわいい。
だけど。
「私は──」
思い浮かべるのはオスカー様のこと。
私の好きな人。
優しくて、かっこよくて、かわいくて──それからヤキモチ妬きで少し困ったところがあるけど、それをひっくるめて全部好き。
「僕のソフィーになにをしてるの、ルバーニ」
だから、お断りします、と言葉にしようとしたところで、第三者の声がバルコニーに響いた。
本気なの、この人。一国の王太子の婚約者になんてこと言ってるの?
なにか言わなくちゃ、と思うけどなにを言えばいいのかわからない。
とりあえず口を開いてみたけど、なにも言葉が出なくて、口を閉ざした。
「ソフィーちゃん? 聞いてる?」
「えっ、あ、はい。聞いてます……?」
「戸惑ってるソフィーちゃんかわいいー」
チャラ男ってすごい。
そんな感想しか出てこない。
くるくると身体はステップを踏んでるけど、すごく戸惑ってる。ルバーニ殿下をジッと見つめていると、ルバーニ殿下の頬が赤く染まった。
「ソフィーちゃん、あんまり見られると照れちゃう」
どういうキャラなの?
本当に照れた様子のルバーニ殿下にさらに戸惑う。言葉が出てこない。なんて言えばいいんだろう。
え、本当になんて?
「でん、か。あの、冗談とはいえそのようなことおっしゃってはいけませんわ。わたくし、オスカー様の婚約者でしてよ?」
「うん。でも、俺は──」
ルバーニ殿下がなにかを言う前に、音楽が止む。
それにホッとしたのも束の間。ルバーニ殿下はオスカー様やジェーン様の元に戻らずに、私の手首を掴んでスタスタとテラスへと向かった。
え、え、と戸惑うけれど、他国から招かれた人たちが多い中で、目立つ行動はとても避けたい。幸い、ほとんどの人はオスカー様に注目してらして、私たちに注目している人は少なかった。人々の話し声に紛れてテラスへと着く。
そこで、ルバーニ殿下は私と向き合うように肩を掴んできた。
「俺のこと、覚えてないの?」
「それは一体なんのことでしょう?」
縋るような目で見つめられたけど、さっぱり。
なんの話をしてるの、ルバーニ殿下。悪役令嬢とラスボス予定の攻略キャラには元々なにか接点があったとか? でも、私にはルバーニ殿下とお会いした記憶がない。全くない。これっぽっちも。
「小さい頃、俺と結婚するって言ったじゃんっ!」
「けっ、!?」
本当になにを言ってるの!?
思わずギョッとしてルバーニ殿下を見つめる。けれどすぐにしっかりしなくてはと思い直して、頭を冷やすように目を閉じてから、ルバーニ殿下を見つめた。
「……いくら友好国の王子様でも、言っていいことと悪いことがあります。戯れはおやめください」
「戯れなんかじゃない。ねえ、俺とアーノルドとソフィーちゃんで遊んだじゃんっ! そのとき結婚するって言ったじゃん!」
……アーノルドと? 私と? ルバーニ殿下……?
「…………ルーちゃん…………」
思い浮かんだのは前世を思い出す前の記憶。
私とアーノルドともう一人が花畑で花冠を作って遊んでる。アーノルドともう一人は一生懸命に花冠を作ってて、早々に飽きた私はアーノルドをおちょくるように、花冠を作る作業を邪魔してた。
「思い出してくれたんだ……!」
ぱぁ、と顔を輝かせて喜びの表情を見せるルバーニ殿下。その顔があの子──ルーちゃんと重なる。
いやでも待って。
「ルーちゃんは女の子でしたけど……!?」
そしてその子と結婚の約束をしてたのはアーノルドだった!
「──うん、まああの頃は女の子の格好してたけど、でも、ソフィーちゃんが結婚してくれるって言ったよ!」
「なっ、そんなこと言ったことありません!」
「言ったよ」
言ってない、絶対に言ってない……たぶん。
ふるふると首を振ってルバーニ殿下の言葉を否定するけど、どんどんあの頃の記憶が蘇ってくる。
──私、勘違いしてたのかもしれない。
前世の記憶を思い出す前の私はアーノルドのことを虐めていた。そのくせアーノルドと離れることが嫌で、よくアーノルドにくっついて回った記憶がある。
アーノルドもまだ小さい頃は虐められても私と一緒にいてくれた。
ルーちゃんと初めて会ったのはお父様の領地の小さな教会。街の子供たちが集まる小さな教会で、私たち三人は出逢った。
アーノルドの初恋はルーちゃんだった。
それがわかっていて、私はルーちゃんと仲良くなった。アーノルドに見せつけるように、手を繋いだり、頬にキスをしたり、やりたい放題だったと思う。
ルーちゃんも私を慕ってくれていて、私のことをソフィーちゃんと呼んで仲良くしていた。
今思い出すと、平民であるはずのルーちゃんが私たちと仲良くしていられるはずがなかった。けれど、幼い私たちはそのことに気がつかなかった。
「ねえ、ソフィーちゃん。おっきくなったら結婚したい」
ルーちゃんがそう言ったのはアーノルドがいないとき。
相手は女の子。当然、「結婚したい」の前には「(アーノルドと)」が付くものだと思っていた。
どうして私に言うのだろう、とは思いつつも、ルーちゃんのことが純粋に友達として好きだった私の答えは一つしかなかった。
「いいと思う! ルーちゃんと家族になるの、楽しそう!」
「ほんと? 僕と家族になってくれるの?」
「ほんとだよ。ルーちゃんと家族になる!」
僕っ子ではあったけど、美少女顔だったルーちゃんがまさか男の子と誰が思いますか。
「なら、約束ね。ソフィーちゃんのこと、迎えにくるから!」
「うん。わたしもルーちゃんのこと、アーノルドと一緒に待ってるね」
「ソフィーちゃん、だいすき!」
ギュッと抱き締め合う少女たち。何度でもいうけど、まさかそのうちの一人が少年だなんて誰が思うの?
その後、オスカー様と出逢って、前世を思い出した私は、ルーちゃんのことなんてすっかり忘れていた。
頭の中に思い浮かぶのは『やばい』。その三文字だけ。
いやでも私なにも悪くない。悪くないよね??
結婚の約束をしたのはアーノルドだし。私はただ二人の窓口になっただけ。そういえば意地悪でルーちゃんの言葉をアーノルドに伝えなかった気がするけど、大丈夫、婚約の約束したのはアーノルドとルーちゃんだから。
うん、うんうん。悪くない。全然悪くないから、オスカー様に罪悪感なんて持たなくても大丈夫。
それよりも可哀想なのはアーノルド。だって初恋の女の子がまさかの男の子。
そのうえ結婚の約束までして。
そう。やっぱりルーちゃんと結婚の約束をしたのはアーノルド。私じゃない。絶対にです。
「ソフィーちゃん、思い出してくれた?」
「殿下、私の名前を軽々しく呼ぶのはお止めください。勘違いされてしまったらどうされるのです」
「俺は勘違いされたい。好きなんだ、ずっと……」
グッ、と言葉に詰まってしまった。
だって、だってだって! 異性からの告白なんて初めてなんだもん! オスカー様に告白はされたけど、なんかこんか直向きな感じではなかった。しおらしさっていうか。オスカー様の告白はやっぱり僕様だった。
それに比べてルバーニ殿下の告白は庇護欲がくすぐられる。ラスボスっぽい人なのに、チャラ男なのに、ちょっとかわいい。
だけど。
「私は──」
思い浮かべるのはオスカー様のこと。
私の好きな人。
優しくて、かっこよくて、かわいくて──それからヤキモチ妬きで少し困ったところがあるけど、それをひっくるめて全部好き。
「僕のソフィーになにをしてるの、ルバーニ」
だから、お断りします、と言葉にしようとしたところで、第三者の声がバルコニーに響いた。
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