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1章
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しおりを挟む「本日はお部屋の方にご案内するよう仰せつかっております。どうぞこちらへ……。」
王宮で迎えてくれた侍女が、いつも通いなれた庭園ではなく、ユリシス王子の住まう宮の方へと歩を進める。
……天気も悪くないしどうしたのかしら?
もしかしたら大切な話があるって仰ってたからそれでかしら。
「マリー!!!」
「シャルル様!?」
まさかご自分の宮からずっと走って来られたのだろうか。汗でふわふわの髪が重たくなっている。ハンカチで拭いて差し上げようと手を伸ばすと、それをシャルル様の両手で包まれた。
「マリーお願い!兄上との話が終わったら僕のところへ来て欲しい!約束して?」
切羽詰まったような顔で私を見上げるシャルル様を侍女達も困ったように見ている。
「シャルル様。今日は大切なお話があると言われております。何時に終わるかもわかりませんので、お約束は………」
「何時でも待ってるから!だからお願いマリー!お願いだよ………。」
最後瞳を潤ませて訴えるシャルル様に、これ以上何も言えなくなってしまう。
「………わかりました。終わりましたら必ずお邪魔させて頂きます。ですからそんな顔なさらないで下さい。」
私の言葉にほっとしたように笑顔になる。
「ありがとマリー!!絶対だよ!待ってるからね!」
そう言ってシャルル様はまた走って行った。
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