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1章
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しおりを挟む「あぁマリー………今日のドレス、とても似合ってる。若葉色に君の白く美しい肌が溶け込んで、まるで妖精みたいだ……。」
私を見るなりユリシス王子は一瞬固まり、艶めかしいため息をこぼす。
「ごめんね。今日はこの前話した通り君に大切な話があってこちらに来てもらったんだ。正門から少し遠かったでしょう。大丈夫?疲れてない?」
そう言うと私を上質な布地が張られた猫足のソファーへと促し、ユリシス王子は一人掛けのソファーに私と向かい合わせに座る。
正面から見つめられて、最後にお会いした日の事を思い出して思わずうつむいてしまう。
………うぅ………恥ずかしい………。
チラリとユリシス様を見ると、私が何を考えてるのかわかっているのだろう。赤面する私を覗き込むようにして笑みを深くする。
「……嬉しいな。」
嬉しい?何が?
「私の事、ちゃんと男として見てくれてるみたいだから。」
「~~~~~~~~~~っっ!!!」
ズルい!そんな笑顔ズルいです!!
だからコテンて首傾げるのダメ!絶対!!
「ふふふっ…ごめんごめん。本当にごめんてば。だって可愛いんだもんマリー。今日はね、マリーに会ってもらいたい人がいるんだ。」
「会ってもらいたい人………ですか?」
「うん。 ねぇ君、呼んでくれる?」
侍女がかしこまりましたと扉を開ける。
…………………………………………………?
……………………………………………………………あれ?
………誰も入って来ませんけども?
ユリシス様を見ると何やら呆れ顔でため息をついている。
「もう諦めて入っておいで。いつかはわかることなんだから。」
その言葉の少し後、ゆっくりとした足音に続いて現れたのは…………
「…………アラン!?」
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