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第二章 王都アニマ
24.渡り合う器用貧乏
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「――っ、速い」
ギリギリ目で追えたのは、俺の背後へと回り込むギルドマスターの影の端。
敵の姿を見失ってしまった俺は、【直感】スキルにすべてを委ね、一か八かの覚悟で背後へと振り向き様に斬撃を放つ。
ガキンッ、という音とともに運良く背後からの一撃を弾くことに成功した。
その衝撃でお互いに一歩ぶんずつ後ろに下がり、間合いを開く。
「やるね、じゃあこの技は受けきれるかな?」
ヒュン。
ギルドマスターは、これから俺へと向けられるであろう斬撃を誰もいない空間へと放ち、実演してみせた。
その速度は凄まじく、風切り音が一度しか聞こえなかったにも関わらず、瞬時に二回の斬撃を繰り出しているのが、かろうじて見えた。
「この技は瞬閃。ほぼ同時に二ヶ所を斬る神速の技さ。さあ、キミはどう対処する?」
「おいおい……新人相手に出す技かよ」
軽口を叩きながらも、緊張から一筋の汗が頬を伝う。
同時に二ヶ所……確かにそう言って差し支えない速度の剣だ。見切るのは至難の技だろう。
だが、初見ならまだしも、一度見せてもらったんだ。対応策は思い付いた。
「さあ、いくよ!」
ギルドマスターが間合いへと詰め寄り、さきほど見せた高速の斬撃を俺へと放つ。
「はあっ!」
俺は襲い来る剣の初動を捉え、完璧なタイミングで剣をぶつける。
同時に二ヶ所を攻撃する技だろうと、剣は一本だけ。途中で剣が分裂するわけでもないし、こうやって出鼻を挫いてやればそれだけで済む。
「へえ、一度見ただけでもう対応してくるんだ……いいね。それじゃあ速度を上げていくよ!」
「なっ……」
どうやら一度防いだだけでは終わりではないらしい。
ギルドマスターの宣言通り、再度放たれた『瞬閃』の速度が一段階上がっている。
「――ちっ! 連発できるのかよ!」
一撃、また一撃と、さっきと同じ要領で初動を抑え続けることで、そのすべてを防いでいく。
……しかし、今のところ反応できているが、この状況がいつまで続くかわからない。
何故ならば、ギルドマスターが何の気なしに振る剣のひとつひとつが、鋭く、重い。剣を打ち合うごとに、俺の腕が少しずつ痺れていき、徐々に身が削られているかのような感覚に陥っているからだ。
まだ支援魔法の効力が残っている今、膂力ではこちらが上回っているはずなのに、剣質の差でこちらが押されている。
「ったく、レベル差による影響がここまでとは……嫌になるな!」
そう、これはスキルレベルによる恩恵の差だ。
【剣術】レベルが高くなれば、使い手は自らの剣を羽のように軽く扱えるのに、受ける側には巨岩の如き重さを押し付ける。
他にも切れ味や剣の耐久力が上がったりと、様々な恩恵がある。もちろん、その効果はスキルレベルが高ければ高いほどに強くなる。
それこそ、膂力の差など簡単にひっくり返してしまうほどに。
頭では理解していたつもりだった。だが、実際にスキルレベルの差による剣質の差を体感してみると、自分の剣との露骨な違いに辟易してしまう。
「ほらほら、どうしたんだい。防戦一方じゃないか。キミの全力はそんなものかな?」
「くっ」
ギリギリで凌いでいる俺に対し、ギルドマスターは汗ひとつかかずに、涼しい顔で挑発をしてくる。
その様子から、ギルドマスターがまだまだ底を見せていないのは間違いない。
だが、俺だってまだ底を見せたわけじゃない。小手調べをしていたのは、こちらだって同じだ。
――いいだろう、挑発に乗ってやるよ。
器用貧乏と罵られたこの俺が、高レベルのスキル所持者に匹敵するというところを見せてやる。
「まあ……こんなものか。いいよ、終わりにしよ――――っ!?」
余裕ぶっていたギルドマスターの顔に緊張が走る。
それもそのはず。直前に打ち合った俺の剣の重さが、急変したからだ。
完全に油断していたようで、ギルドマスターの右腕は大きく後ろにのけぞってしまっている。
よし、攻めに転じるならここしかない。
「今度はこっちの番だ!」
俺は隙ができたギルドマスターの左肩めがけ、剣を振る。
「なっ!? 剣速が上がった……!? それに、攻撃が重い……くっ!」
ギルドマスターは咄嗟に身を捻り、俺の剣を回避しようとした。だが、俺の剣速がこれまでより上がっていたため、完全には躱しきれずに、剣先が肩を少し掠める。
俺の剣が初めてギルドマスターに届いた瞬間だった。
刃を潰しているため裂傷には至らなかったが、それなりの痛みがあったのだろう。ギルドマスターは痛みに眉をひそめている。
その瞬間、僅かではあるが意識が痛みに引き寄せられ、再び隙が生じる。
もちろん、その隙を逃す手はない。このまま攻守交替といこうじゃないか。
「はあああっ!」
俺は剣の柄を両手で握り、上段から目一杯の力で振り下ろす。
ギギィン!
ギルドマスターの防御が間に合い、剣と剣との衝突で火花が散る。
直撃を防がれたものの、衝突の際に生じた衝撃に耐えきれず、ギルドマスターは片膝をついた。
「ぬ……くぅ……! この剣の重さ、そして剣速。ボクの【剣術】のレベルに匹敵する剣の質だと……? まさか、戦いの中で急激にレベルが上昇したとでもいうのか……!?」
ギルドマスターは俺の剣を受け止めながら、驚きの表情で急激に変化した俺の剣への疑問を口にする。
奴が言うように、戦闘中にスキルレベルが上がるということはありえない話じゃない。
だが生憎と俺の【剣術】のレベルは既に上限いっぱいだ。そんな事象は起こり得ない。
俺の剣が変化した理由は単純明快、スキル【重力魔法】のグラビティコントロールを剣に適用し、剣の重力操作をしただけだ。
攻撃が当たる瞬間にグラビティコントロールの効果で剣の重さを最大まで引き上げることで、剣に巨岩のごとき重さを付与する。逆に、それ以外のときは重力をゼロにして羽のように軽くしている。
つまりは、魔法によって擬似的に【剣術】スキルレベルを引き上げているようなもだ。
繊細な魔法操作と、相応の魔力消費が伴うが、この方法なら高レベルの【剣術】スキルとも渡り合うことができるということが、いま証明された。
……とまあ、言ってしまえば簡単なからくりだが、わざわざギルドマスターにそんなことを説明してやる義理はないな。
支援魔法も残り僅かな時間で切れるし、圧倒的優位なこの状況を保てているうちにケリをつけるとしよう。
「そろそろ終わりだ、ギルドマスター……!」
「――くっ!」
俺はギルドマスターを叩き伏せようと、両の腕に全力を込める。そして、【重力魔法】のグラビティコントロールを剣だけでなく俺自身にも適用し、最大まで重力をかける。そのまま全体重をかけることで、更なる圧力を押し付てやろうとした、その瞬間だった。
視界の端に鈍色の閃きが見えた。
その正体はギルドマスターの左手に握られた剣だった。それを認識したときには時既に遅く、その太刀筋はもう防げる位置にない。
「――なっ」
――くそ、完全に意識の外だった。ハンデで左手は使わないんじゃなかったのかよ……!
「そこまでですっ!!」
ギルドマスターの剣が俺の身体に達しようかというその瞬間、演習場全体に響き渡る声によって、俺とギルドマスターは動きを止めた。
ギリギリ目で追えたのは、俺の背後へと回り込むギルドマスターの影の端。
敵の姿を見失ってしまった俺は、【直感】スキルにすべてを委ね、一か八かの覚悟で背後へと振り向き様に斬撃を放つ。
ガキンッ、という音とともに運良く背後からの一撃を弾くことに成功した。
その衝撃でお互いに一歩ぶんずつ後ろに下がり、間合いを開く。
「やるね、じゃあこの技は受けきれるかな?」
ヒュン。
ギルドマスターは、これから俺へと向けられるであろう斬撃を誰もいない空間へと放ち、実演してみせた。
その速度は凄まじく、風切り音が一度しか聞こえなかったにも関わらず、瞬時に二回の斬撃を繰り出しているのが、かろうじて見えた。
「この技は瞬閃。ほぼ同時に二ヶ所を斬る神速の技さ。さあ、キミはどう対処する?」
「おいおい……新人相手に出す技かよ」
軽口を叩きながらも、緊張から一筋の汗が頬を伝う。
同時に二ヶ所……確かにそう言って差し支えない速度の剣だ。見切るのは至難の技だろう。
だが、初見ならまだしも、一度見せてもらったんだ。対応策は思い付いた。
「さあ、いくよ!」
ギルドマスターが間合いへと詰め寄り、さきほど見せた高速の斬撃を俺へと放つ。
「はあっ!」
俺は襲い来る剣の初動を捉え、完璧なタイミングで剣をぶつける。
同時に二ヶ所を攻撃する技だろうと、剣は一本だけ。途中で剣が分裂するわけでもないし、こうやって出鼻を挫いてやればそれだけで済む。
「へえ、一度見ただけでもう対応してくるんだ……いいね。それじゃあ速度を上げていくよ!」
「なっ……」
どうやら一度防いだだけでは終わりではないらしい。
ギルドマスターの宣言通り、再度放たれた『瞬閃』の速度が一段階上がっている。
「――ちっ! 連発できるのかよ!」
一撃、また一撃と、さっきと同じ要領で初動を抑え続けることで、そのすべてを防いでいく。
……しかし、今のところ反応できているが、この状況がいつまで続くかわからない。
何故ならば、ギルドマスターが何の気なしに振る剣のひとつひとつが、鋭く、重い。剣を打ち合うごとに、俺の腕が少しずつ痺れていき、徐々に身が削られているかのような感覚に陥っているからだ。
まだ支援魔法の効力が残っている今、膂力ではこちらが上回っているはずなのに、剣質の差でこちらが押されている。
「ったく、レベル差による影響がここまでとは……嫌になるな!」
そう、これはスキルレベルによる恩恵の差だ。
【剣術】レベルが高くなれば、使い手は自らの剣を羽のように軽く扱えるのに、受ける側には巨岩の如き重さを押し付ける。
他にも切れ味や剣の耐久力が上がったりと、様々な恩恵がある。もちろん、その効果はスキルレベルが高ければ高いほどに強くなる。
それこそ、膂力の差など簡単にひっくり返してしまうほどに。
頭では理解していたつもりだった。だが、実際にスキルレベルの差による剣質の差を体感してみると、自分の剣との露骨な違いに辟易してしまう。
「ほらほら、どうしたんだい。防戦一方じゃないか。キミの全力はそんなものかな?」
「くっ」
ギリギリで凌いでいる俺に対し、ギルドマスターは汗ひとつかかずに、涼しい顔で挑発をしてくる。
その様子から、ギルドマスターがまだまだ底を見せていないのは間違いない。
だが、俺だってまだ底を見せたわけじゃない。小手調べをしていたのは、こちらだって同じだ。
――いいだろう、挑発に乗ってやるよ。
器用貧乏と罵られたこの俺が、高レベルのスキル所持者に匹敵するというところを見せてやる。
「まあ……こんなものか。いいよ、終わりにしよ――――っ!?」
余裕ぶっていたギルドマスターの顔に緊張が走る。
それもそのはず。直前に打ち合った俺の剣の重さが、急変したからだ。
完全に油断していたようで、ギルドマスターの右腕は大きく後ろにのけぞってしまっている。
よし、攻めに転じるならここしかない。
「今度はこっちの番だ!」
俺は隙ができたギルドマスターの左肩めがけ、剣を振る。
「なっ!? 剣速が上がった……!? それに、攻撃が重い……くっ!」
ギルドマスターは咄嗟に身を捻り、俺の剣を回避しようとした。だが、俺の剣速がこれまでより上がっていたため、完全には躱しきれずに、剣先が肩を少し掠める。
俺の剣が初めてギルドマスターに届いた瞬間だった。
刃を潰しているため裂傷には至らなかったが、それなりの痛みがあったのだろう。ギルドマスターは痛みに眉をひそめている。
その瞬間、僅かではあるが意識が痛みに引き寄せられ、再び隙が生じる。
もちろん、その隙を逃す手はない。このまま攻守交替といこうじゃないか。
「はあああっ!」
俺は剣の柄を両手で握り、上段から目一杯の力で振り下ろす。
ギギィン!
ギルドマスターの防御が間に合い、剣と剣との衝突で火花が散る。
直撃を防がれたものの、衝突の際に生じた衝撃に耐えきれず、ギルドマスターは片膝をついた。
「ぬ……くぅ……! この剣の重さ、そして剣速。ボクの【剣術】のレベルに匹敵する剣の質だと……? まさか、戦いの中で急激にレベルが上昇したとでもいうのか……!?」
ギルドマスターは俺の剣を受け止めながら、驚きの表情で急激に変化した俺の剣への疑問を口にする。
奴が言うように、戦闘中にスキルレベルが上がるということはありえない話じゃない。
だが生憎と俺の【剣術】のレベルは既に上限いっぱいだ。そんな事象は起こり得ない。
俺の剣が変化した理由は単純明快、スキル【重力魔法】のグラビティコントロールを剣に適用し、剣の重力操作をしただけだ。
攻撃が当たる瞬間にグラビティコントロールの効果で剣の重さを最大まで引き上げることで、剣に巨岩のごとき重さを付与する。逆に、それ以外のときは重力をゼロにして羽のように軽くしている。
つまりは、魔法によって擬似的に【剣術】スキルレベルを引き上げているようなもだ。
繊細な魔法操作と、相応の魔力消費が伴うが、この方法なら高レベルの【剣術】スキルとも渡り合うことができるということが、いま証明された。
……とまあ、言ってしまえば簡単なからくりだが、わざわざギルドマスターにそんなことを説明してやる義理はないな。
支援魔法も残り僅かな時間で切れるし、圧倒的優位なこの状況を保てているうちにケリをつけるとしよう。
「そろそろ終わりだ、ギルドマスター……!」
「――くっ!」
俺はギルドマスターを叩き伏せようと、両の腕に全力を込める。そして、【重力魔法】のグラビティコントロールを剣だけでなく俺自身にも適用し、最大まで重力をかける。そのまま全体重をかけることで、更なる圧力を押し付てやろうとした、その瞬間だった。
視界の端に鈍色の閃きが見えた。
その正体はギルドマスターの左手に握られた剣だった。それを認識したときには時既に遅く、その太刀筋はもう防げる位置にない。
「――なっ」
――くそ、完全に意識の外だった。ハンデで左手は使わないんじゃなかったのかよ……!
「そこまでですっ!!」
ギルドマスターの剣が俺の身体に達しようかというその瞬間、演習場全体に響き渡る声によって、俺とギルドマスターは動きを止めた。
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