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炎の凪唄
炎竜団
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ちりぢりになった光を受け止めた、巨大な魔法陣が、世界に解けていく。
余韻も収まらない内に、うずうずと、お腹の下辺りに、衝動が溜まっていく。
「……な、何だ?」
目が、自然と、そちらに向かってしまう。
ーーボルネアとオルタンス。
美貌の人猫と、犬人の麗人。
ーー俺は、こんなにも魅力的な二人と行動を共にしてきたというのに、どうして普通に接してこられたのだろう。
まずは、俺の、これまでの愚かな振る舞いを、跪き、許しを乞わなければならない。
それから、あの毛並みを心行くまで堪能ーー。
「それは、僕と戦って、勝てたらの話です」
二人の美女の前に、オルタンスの長剣を抜き、立ちはだかる男が一人。
俺は、剣を按ずる。
ーーこの男を倒さなければ、二人は手に入らない。
「あー」
ごんっ、と拳で額を叩く。
フレッナの居館での、あの貪るような衝動に比べれば、屁でもない。
「よく見ろ、お前たち。アルに、戦いを挑むつもりか?」
「うっ……」
振り返り、ゴッドハルトたちに、警告する。
一端の冒険者だっただけのことはある。
アルの実力を肌で感じ取ったようで、全員、二人の「魅了」に打ち克つことができた。
「もう、大丈夫のようですね」
俺たちを一瞥し、キョトンとした顔でアルを見上げている、オルタンスの鞘に剣を収める。
「もしかして、アル。魔力切れなのか?」
「魔雄の遺産」である、魔力を防いだということは、全魔力を注いだということだ。
「アル」と「ハビヒ」の魔力量は、この世界の魔力そのものとも言えるのだから、二人は等量となるはず。
ボルネアとオルタンスの魔力が他者に影響を及ぼさないように、これまではアルが魔法で配慮していた。
ーーそれが、できなくなった、今。
二人の魔力が残りわずかなお陰で、「魅了」の効果も薄かったようだ。
アルのことだ。
もしかしたら、ここまで見越して二人に試練を与えたのかもしれない。
「はは、実は、もっと深刻だったりします。遺産は、魔雄の魔力、そのものなんです。その有様の、すべてなんです。それを防ぐのであれば、こちらも、すべてを注がなくてはなりません」
「え……? それって、もしかしなくても、俺の所為なのか……?」
「まさか。魔雄様の責任は、ーーそうですね、半分くらいでしょうか?」
やめろ。
やめてくれ。
そんな嬉しそうな、罪悪感のかけらもない顔を向けられると、心がぎりぎりと絞め上げられてしまう。
「ぅぐ……」
ーーやってしまった。
後悔は、していない。
それでも。
やってしまった。
深みに嵌まってしまった、と言い換えても良い。
「ま、魔雄様、どういうことで?」
俺たちの遣り取りを理解できなかった、ゴッドハルトが聞いてきたので、同じく、未だわかっていないボルネアとオルタンスにも知らせるために、はっきりと言葉にする。
「アルは、ーー魔法が使えなくなった」
「にゃ?」
「わん?」
可愛い顔の二人ーーで、間違いはないのだが、気を抜くと、また持っていかれそうになるので、気合いを入れ直す。
アルは、魔力切れで魔法が使えないのではなく、魔法を使う、土台ごと失ってしまったらしい。
魔法に関しては、門外漢なので、正確にはわからないが、どうもそういうことのようだ。
そして、その責任の半分は、俺にあるらしい。
底なし沼に、嵌まってしまった気分だ。
「これで、すっきりしましたね。以前とは、違う生き方がしたかったのですが、そうすると、やはり魔力が邪魔でした。これからは、剣士として生きるのも悪くありません」
アルは、嘘は言っていない。
そうなると。
俺は、どこまでも、アルの手のひらの上で、踊らされていたのかもしれない。
「……もしかして、これを狙っていたのか?」
「予想していた内の、一つではあります。魔雄様が、人種のすべてをお救いになろうと決意された故に、僕はーー、そのすべてでお応えしたかったのです」
俺の前に、嘘吐きがいる。
両手を胸にやり、恥ずかしそうに、頬を紅に染める。
女顔の、健気な青年に、元冒険者たちが心を打たれている。
「それで、ゴッドハルトたちは、これからどうするんだ?」
彼らが変な趣味に目覚めない内に、声を掛け、正気に戻すことにする。
アルの問題は、今すぐ、どうこうなるものではない。
蹲ったまま、身動き一つしない女のことも含め、魔雄騒動も、そろそろお開きにしないとーー。
「と、これはーー?」
「遺跡を構成していた魔力も、切れたようですね」
青白い、魔力の光が、風に馴染むように解けていく。
景色の向こうに、景色があるという、不思議な情景。
二つの景色の、手前にある一枚岩の「幻影」が消え去り、草地と森が現れる。
「なるほどな。どうやっていたのかは、さっぱりだが、俺たちはずっと、この草地をウロチョロしてたんだな」
不思議と、無くなってしまうと、一つの世界が終焉を迎えたようで、寂しさが募る。
そんな、切ないような心地に浸ってばかりもいられない。
未だ、物語の途上にある俺たちは、前に進まなくてはならない。
「ゴッドハルト?」
「……あ、はっ、はい、魔雄様。……えーと、ですね、あー、うー、がーっ! 説明がめんどい! もうっ、一から十まで、ぜんぶ聞いてけ!」
「あー、申し訳ない。うちの団長は、ほんの少しだけ、説明下手なので、しばしのお待ちを」
「魔雄の遺産」のことだけでなく、彼らにも色々あったようで、精神的に限界だったのかもしれない。
暴れ始めたゴッドハルトを、男たちが取り押さえ、副団長らしき男が、間を取り成す。
沈着冷静な、凄腕の冒険者に見えたが、実は、短気だったようだ。
よくこれで、A級になれたものだ。
「元冒険者、と言っていたが、続けられなくなったのは、つい最近のように見受けられるが、何があったんだ?」
ゴッドハルトが落ち着いたところを見計らい、水を向ける。
彼らの装備は、まだ手入れが成されている。
何より、顔つき。
落ちるところまで落ちていない。
人としての尊厳を失っていない、日向の側にいる者の顔だ。
とはいえ、半分は、日陰に入り掛けているようだ。
落ち着いた、をそのまま通り越し、しょぼんとなった元団長が、下を向いたまま、ぼそぼそと事ここに至った経緯を話し始めた。
「……あっという間だった。新人同士が揉めた。喧嘩程度の揉め事なんて、しょっちゅうだから、いつも通りに手打ちにした。氷竜団の奴らが、炎竜団の団員を襲撃した。だが、あいつらは、自分たちが襲撃されたと言った。氷竜団の団長は、いけ好かない奴だが、話がわからない奴じゃない。お互いに死者が出ていたが、何とか収めたはずだった。だってのに、……駄目だった」
ーーゴッドハルト、一人の責任ではない。
元団員たちの苦渋の表情が、物語っていた。
当時を思い出したのか、一度、振り払うように大きく頭を振ってから、話を続けた。
「切っ掛けが何だったのか、わからねぇ。殺らなけりゃ、殺られる、そんな状況だった。気づけば、炎竜団の団員は、半分以下に減ってたって、どういうことですかい? 俺にもわからねぇんだ、組合が言い訳を聞いてくれるはずもねぇ。国を出るしかなかった……」
胸に爪を立て、言葉が閊えたゴッドハルトの代わりに、副団長が続ける。
「隣国である、ミセル国に逃げてきました。噂で、獣国と国境を接している、ベンズ伯のところなら、私兵を募集していると聞きました。向かっている道中で、あちらの女性と鉢合わせました。人種と獣種の組合は、薄いつながりで、系統が異なると聞いています。そこで、『魔雄の遺産』を狙いつつ、駄目だった場合は、獣国の組合を訪ねてみようと、腹案として、そう考えていました」
幻想団で、団員の演技を見てきたから、わかる。
彼には申し訳ないが、団員やアルとは、役者が違う。
副団長は、幾つか隠し事をしているようだが、それは後だ。
「アル。これって、そういうことなのか?」
「魔雄様のお考えで、合っていると思います」
アルのお墨付きということなら、話しても問題ないだろう。
というか、いつまで「魔雄」をやらされるのだろう?
ーーずっとです。
アルの、無垢な少女のような、朗らかな笑みを見るや否や、ーー冷や汗が止まらない。
「へ? な、何のことですかい?」
「まず確認したいんだが、ゴッドハルトの炎竜団と、相手の氷竜団は、ーーというか、何でこんな、敵対しそうな団名にしているんだ?」
「あ、ああ、元々は、風竜団だったんだ。まぁ、大所帯だったから、派閥って奴ができちまって、二つに分裂しちまったんだ。それからは、氷炭相いれずって感じの、良くない競争相手、みたいなことになった」
「と、話が逸れたな。二つの団は、地域で一番と二番だったんだろう?」
「うちが一番だった」
二番だったようだ。
面倒なことにしかならないので、意固地な団長はそのままに、話を進める。
「先に言っておくが、これは俺の、ただの推測だ。ゴッドハルトの話を聞いていて、思ったんだが、ーー外部の者が、人の手が加わった感じだな」
「ほ?」
「地域で、三番か四番の団が企んだーーだけでなく、背後に有力者がいそうな感じもするな」
「さすが魔雄様! 正解でございます」
もう、ぜんぶアルに任せ、昼寝でもしていたいが、そんなこと、この意地悪が許してくれるはずがない。
何の縁か、こうして行き掛かった炎竜団の面々のためにも、最後までアルに付き合うとしよう。
「アル。今なら、罪は軽いぞ、自首しろ」
「酷いですっ、魔雄様! 僕を疑うなんて!」
アルが、潤んだ瞳で見上げてくるが、好い加減、そろそろ慣れてきたので、追及の手を緩めることはしない。
「心配するな。アルが犯人だとは思っていない。だが、世の中には、未必の故意、という便利な言葉がある」
取りつく島がないと、観念したアルは、悪戯小僧の顔で自白する。
「僕はただ、その場にいただけです。企んだ団も、その背後にいた者のことも知っています。氷竜団と炎竜団、どちらも団長は、A級でした。A級が二人もいるのですから、自分たちで解決できて当然ーーということで、その場を去りました」
「ぅごっ……」
アルの容赦のない言葉に、元団長でA級の冒険者が打ちのめされる。
四つん這いになり、絶望に打ちひしがれ、ぷるぷる震えている。
「こらこら、這い蹲っている場合じゃないぞ。三つ目の選択肢だ。国に戻って、名誉挽回、したくないのか?」
「魔雄様!!」
「うが~っ! 抱きつくな! 俺じゃない、そっち、アルだ! 何とかしたいんなら、誠心誠意、頭を下げるなりしろ!」
涙ながらに抱きついてくる男どもを払い除ける。
アルがここまで言及したということは、解決方法ーーだけでなく、何らかの思惑があるのだろうから、乗ってやることにする。
「よくわからないが、お願いする! アル君が困ったときには、俺たちは全力で駆けつけて、全力で力を貸す! だからっ、だからっ! 仲間の無念を晴らす方法があるのならっ、教えてくれ!!」
ゴッドハルトが頭を下げると、全員がそれに倣う。
アルの表情は、変わっていない。
以前、言っていた通り、人種が、虫に見えているのかもしれない。
気紛れが、あってもおかしくない。
そして、そんな気紛れを積み重ねていけばーー。
「僕は、魔雄様には逆らえませんので、仕方がありませんね」
微笑の内に、本心を隠した、アルは、懐から二枚のカードを取り出す。
「……そ、それは、まさかっ、あんた謎Sか!?」
驚愕した、ゴッドハルトは、不思議な言葉を吐き出した。
「謎S?」
「あっ、ちょっ、ま、それは……」
「大陸には、S級が三人います。S級二人のことは誰でも、冒険者であるなら知っていますが、もう一人のことは、真偽不明の、噂とされています。恐らく、ゴッドハルトさんは、自身の頭の中で、『謎のS級』を『謎S』と略して呼んでいたのでしょう。今回、それが、ポロっと出てしまった、ということです」
知らない。
俺以外の全員ーーボルネアとオルタンスまで、知っていて当然、という顔をしていたので、だんまりを決め込むことにする。
「…………」
一から十まで言い当てられてしまった、元団長は、黄昏れてしまった。
「S級には、幾つか特典があります。それを利用して、僕は、二つのカードを所有する権利をもらいました。僕が謎Sである理由は、十三歳のときに、S級になったからです。これを公表するのは不味いと、総本部の直属となりました。組合には、依頼に適さないものも申請されます。付き合いというものがあって、断れない場合に、僕に回ってきます」
慥か、冒険者の見習いになれるのは、十二歳からだったはず。
団に所属し、雑用などをやりながら、冒険者の技能を磨いていき、D級を目指すのが一般的だ。
組合総長だろうか、アルを管理することになるとは、ーー可哀想に。
有能だと聞いているが、そうであるが故に、魔雄の玩具になっていたはず。
「いえ、その、謎Sはやめて……」
「謎S。良いですね、謎S。とても良い響きですので、正式な名称となるよう、S級の権限を使って、本部に申請しておきましょう」
「…………」
ゴッドハルトは、灰になった。
優しいのか、無慈悲なのか、四大神でも判定不能だろう。
続くアルの言葉で、元団長は、「カネの水」を飲み干したかのように、生命力に満ち溢れる。
「組合には、話を通しておきます。ですが、僕がやるのは、それだけです」
「わかってる。まずは、氷竜隊を捜す。それからーー」
それ以上、言葉にしない。
これまで、無念と共に、引き攣れるような想いを抱えたまま、幾度も、幾度も考え続けてきたのだろう。
暗闇に惑いながらも、模索し続けてきた道に、光が照らされる。
「罪を犯した以上、そのままというわけにはいきません。級は、一つ落ちます。それから、しばらくは組合の管理下で、下積みのようなことをさせられるでしょう」
「その程度、構わない」
逡巡なく、ゴッドハルトは答える。
すると、何かに気づいたらしい、彼は、副団長と小声で会話を交わす。
「とと、そうだった。魔雄様、これを返しときます」
渋い表情の副団長から受け取った、ゴッドハルトは、あっけらかんと差し出してくる。
「手紙?」
渡され、見てみると、文面以前の、古代期の文字が並んでいた。
「……アル、これ、どう思う?」
困ったときの、魔雄。
内容はわからないものの、この手紙が何なのかは予想がつくので、ひらひらと振ってみせる。
「残念です。今の話はなかったことにーー」
「ちょ、ちょぉ~と待ってくれ! それは誤解だ! 大いなる誤解だ!」
一応、古代期の文字の解読を、他者に依頼したーーという可能性はあるが、ゴッドハルトの慌てふためく姿から、この手紙の出所の本命は、あの女と見て間違いなさそうだ。
副団長が、女と鉢合わせた、と言っていたから、そのときに入手したのだろう。
「ああ、なるほど」
五枚ある紙の最後に、現代の文字。
古代期の文字を解読したものだろう。
「アル。この四枚目。何か変じゃないか?」
読めはしないが、三枚目までは、普通の文章だとわかる。
だが、四枚目は、字面というか印象が、それまでのものとは異なるのだ。
「さすが魔雄様です。実は、紙が足りなくなってしまい、文章を圧縮しました」
面倒臭くなったのか、正体を隠さなくなった魔雄。
「魔力を籠めれば、文章が浮かび上がるとかか?」
「はい。その通りです。あと、僕としては、この手紙を、カステル様に持っていくことを推奨します」
「へ? あ~、いやいや、見知らぬ人種から渡されたら……、下手すりゃ殺されませんか?」
そう思うのも無理はない。
アルが望んでいるようなので、彼の背中を斜めに押してやることにする。
「そこは問題ない。そもそも、俺たちは、絶雄の依頼で、ここに来た。いずれ、報告するから、そのときに便宜を図ることもできる」
ーーすべてを言わない。
先程、積極的にやりたいとは思えない、とか思った癖に、さっそくやってしまった。
「有事の際に、人種の側に通じた者がいると、とても助かります。人数としても丁度良いことですし、有能な元冒険者となれば、カステル様から厚遇されるでしょう」
反対側から、アルも、彼の背中を斜めに押す。
「うっ、だ、がぁあ~~っ! よしっ、お前たち! 俺はっ、敵討ちをする! だが、強制はしない! カステル様のところで働きたい奴ぁ~、手ぇ上げやがれ~~っ!!」
羨ましい、と素直に思ってしまった。
即断。
全員が、手を上げた。
「ちくしょ~~っ!」
泣き出してしまった。
「こらこら、苛めてやるな」
「いえ、少しは懲りてもらわないと。ーー自分だけでどうにかしようと、無理をしていましたから」
副団長が、俺に一礼してから、団長を宥めにいく。
彼らの団に所属できていれば、俺の行く道も、変わっていたのかもしれない。
俺が、有り得たかもしれない未来に、幻想の翼を羽搏かせているとーー。
「ーー魔雄様。追わないんですか?」
「ーーは?」
アルの冷ややかな声のあとに、走り去る、足音が響いたのだった。
余韻も収まらない内に、うずうずと、お腹の下辺りに、衝動が溜まっていく。
「……な、何だ?」
目が、自然と、そちらに向かってしまう。
ーーボルネアとオルタンス。
美貌の人猫と、犬人の麗人。
ーー俺は、こんなにも魅力的な二人と行動を共にしてきたというのに、どうして普通に接してこられたのだろう。
まずは、俺の、これまでの愚かな振る舞いを、跪き、許しを乞わなければならない。
それから、あの毛並みを心行くまで堪能ーー。
「それは、僕と戦って、勝てたらの話です」
二人の美女の前に、オルタンスの長剣を抜き、立ちはだかる男が一人。
俺は、剣を按ずる。
ーーこの男を倒さなければ、二人は手に入らない。
「あー」
ごんっ、と拳で額を叩く。
フレッナの居館での、あの貪るような衝動に比べれば、屁でもない。
「よく見ろ、お前たち。アルに、戦いを挑むつもりか?」
「うっ……」
振り返り、ゴッドハルトたちに、警告する。
一端の冒険者だっただけのことはある。
アルの実力を肌で感じ取ったようで、全員、二人の「魅了」に打ち克つことができた。
「もう、大丈夫のようですね」
俺たちを一瞥し、キョトンとした顔でアルを見上げている、オルタンスの鞘に剣を収める。
「もしかして、アル。魔力切れなのか?」
「魔雄の遺産」である、魔力を防いだということは、全魔力を注いだということだ。
「アル」と「ハビヒ」の魔力量は、この世界の魔力そのものとも言えるのだから、二人は等量となるはず。
ボルネアとオルタンスの魔力が他者に影響を及ぼさないように、これまではアルが魔法で配慮していた。
ーーそれが、できなくなった、今。
二人の魔力が残りわずかなお陰で、「魅了」の効果も薄かったようだ。
アルのことだ。
もしかしたら、ここまで見越して二人に試練を与えたのかもしれない。
「はは、実は、もっと深刻だったりします。遺産は、魔雄の魔力、そのものなんです。その有様の、すべてなんです。それを防ぐのであれば、こちらも、すべてを注がなくてはなりません」
「え……? それって、もしかしなくても、俺の所為なのか……?」
「まさか。魔雄様の責任は、ーーそうですね、半分くらいでしょうか?」
やめろ。
やめてくれ。
そんな嬉しそうな、罪悪感のかけらもない顔を向けられると、心がぎりぎりと絞め上げられてしまう。
「ぅぐ……」
ーーやってしまった。
後悔は、していない。
それでも。
やってしまった。
深みに嵌まってしまった、と言い換えても良い。
「ま、魔雄様、どういうことで?」
俺たちの遣り取りを理解できなかった、ゴッドハルトが聞いてきたので、同じく、未だわかっていないボルネアとオルタンスにも知らせるために、はっきりと言葉にする。
「アルは、ーー魔法が使えなくなった」
「にゃ?」
「わん?」
可愛い顔の二人ーーで、間違いはないのだが、気を抜くと、また持っていかれそうになるので、気合いを入れ直す。
アルは、魔力切れで魔法が使えないのではなく、魔法を使う、土台ごと失ってしまったらしい。
魔法に関しては、門外漢なので、正確にはわからないが、どうもそういうことのようだ。
そして、その責任の半分は、俺にあるらしい。
底なし沼に、嵌まってしまった気分だ。
「これで、すっきりしましたね。以前とは、違う生き方がしたかったのですが、そうすると、やはり魔力が邪魔でした。これからは、剣士として生きるのも悪くありません」
アルは、嘘は言っていない。
そうなると。
俺は、どこまでも、アルの手のひらの上で、踊らされていたのかもしれない。
「……もしかして、これを狙っていたのか?」
「予想していた内の、一つではあります。魔雄様が、人種のすべてをお救いになろうと決意された故に、僕はーー、そのすべてでお応えしたかったのです」
俺の前に、嘘吐きがいる。
両手を胸にやり、恥ずかしそうに、頬を紅に染める。
女顔の、健気な青年に、元冒険者たちが心を打たれている。
「それで、ゴッドハルトたちは、これからどうするんだ?」
彼らが変な趣味に目覚めない内に、声を掛け、正気に戻すことにする。
アルの問題は、今すぐ、どうこうなるものではない。
蹲ったまま、身動き一つしない女のことも含め、魔雄騒動も、そろそろお開きにしないとーー。
「と、これはーー?」
「遺跡を構成していた魔力も、切れたようですね」
青白い、魔力の光が、風に馴染むように解けていく。
景色の向こうに、景色があるという、不思議な情景。
二つの景色の、手前にある一枚岩の「幻影」が消え去り、草地と森が現れる。
「なるほどな。どうやっていたのかは、さっぱりだが、俺たちはずっと、この草地をウロチョロしてたんだな」
不思議と、無くなってしまうと、一つの世界が終焉を迎えたようで、寂しさが募る。
そんな、切ないような心地に浸ってばかりもいられない。
未だ、物語の途上にある俺たちは、前に進まなくてはならない。
「ゴッドハルト?」
「……あ、はっ、はい、魔雄様。……えーと、ですね、あー、うー、がーっ! 説明がめんどい! もうっ、一から十まで、ぜんぶ聞いてけ!」
「あー、申し訳ない。うちの団長は、ほんの少しだけ、説明下手なので、しばしのお待ちを」
「魔雄の遺産」のことだけでなく、彼らにも色々あったようで、精神的に限界だったのかもしれない。
暴れ始めたゴッドハルトを、男たちが取り押さえ、副団長らしき男が、間を取り成す。
沈着冷静な、凄腕の冒険者に見えたが、実は、短気だったようだ。
よくこれで、A級になれたものだ。
「元冒険者、と言っていたが、続けられなくなったのは、つい最近のように見受けられるが、何があったんだ?」
ゴッドハルトが落ち着いたところを見計らい、水を向ける。
彼らの装備は、まだ手入れが成されている。
何より、顔つき。
落ちるところまで落ちていない。
人としての尊厳を失っていない、日向の側にいる者の顔だ。
とはいえ、半分は、日陰に入り掛けているようだ。
落ち着いた、をそのまま通り越し、しょぼんとなった元団長が、下を向いたまま、ぼそぼそと事ここに至った経緯を話し始めた。
「……あっという間だった。新人同士が揉めた。喧嘩程度の揉め事なんて、しょっちゅうだから、いつも通りに手打ちにした。氷竜団の奴らが、炎竜団の団員を襲撃した。だが、あいつらは、自分たちが襲撃されたと言った。氷竜団の団長は、いけ好かない奴だが、話がわからない奴じゃない。お互いに死者が出ていたが、何とか収めたはずだった。だってのに、……駄目だった」
ーーゴッドハルト、一人の責任ではない。
元団員たちの苦渋の表情が、物語っていた。
当時を思い出したのか、一度、振り払うように大きく頭を振ってから、話を続けた。
「切っ掛けが何だったのか、わからねぇ。殺らなけりゃ、殺られる、そんな状況だった。気づけば、炎竜団の団員は、半分以下に減ってたって、どういうことですかい? 俺にもわからねぇんだ、組合が言い訳を聞いてくれるはずもねぇ。国を出るしかなかった……」
胸に爪を立て、言葉が閊えたゴッドハルトの代わりに、副団長が続ける。
「隣国である、ミセル国に逃げてきました。噂で、獣国と国境を接している、ベンズ伯のところなら、私兵を募集していると聞きました。向かっている道中で、あちらの女性と鉢合わせました。人種と獣種の組合は、薄いつながりで、系統が異なると聞いています。そこで、『魔雄の遺産』を狙いつつ、駄目だった場合は、獣国の組合を訪ねてみようと、腹案として、そう考えていました」
幻想団で、団員の演技を見てきたから、わかる。
彼には申し訳ないが、団員やアルとは、役者が違う。
副団長は、幾つか隠し事をしているようだが、それは後だ。
「アル。これって、そういうことなのか?」
「魔雄様のお考えで、合っていると思います」
アルのお墨付きということなら、話しても問題ないだろう。
というか、いつまで「魔雄」をやらされるのだろう?
ーーずっとです。
アルの、無垢な少女のような、朗らかな笑みを見るや否や、ーー冷や汗が止まらない。
「へ? な、何のことですかい?」
「まず確認したいんだが、ゴッドハルトの炎竜団と、相手の氷竜団は、ーーというか、何でこんな、敵対しそうな団名にしているんだ?」
「あ、ああ、元々は、風竜団だったんだ。まぁ、大所帯だったから、派閥って奴ができちまって、二つに分裂しちまったんだ。それからは、氷炭相いれずって感じの、良くない競争相手、みたいなことになった」
「と、話が逸れたな。二つの団は、地域で一番と二番だったんだろう?」
「うちが一番だった」
二番だったようだ。
面倒なことにしかならないので、意固地な団長はそのままに、話を進める。
「先に言っておくが、これは俺の、ただの推測だ。ゴッドハルトの話を聞いていて、思ったんだが、ーー外部の者が、人の手が加わった感じだな」
「ほ?」
「地域で、三番か四番の団が企んだーーだけでなく、背後に有力者がいそうな感じもするな」
「さすが魔雄様! 正解でございます」
もう、ぜんぶアルに任せ、昼寝でもしていたいが、そんなこと、この意地悪が許してくれるはずがない。
何の縁か、こうして行き掛かった炎竜団の面々のためにも、最後までアルに付き合うとしよう。
「アル。今なら、罪は軽いぞ、自首しろ」
「酷いですっ、魔雄様! 僕を疑うなんて!」
アルが、潤んだ瞳で見上げてくるが、好い加減、そろそろ慣れてきたので、追及の手を緩めることはしない。
「心配するな。アルが犯人だとは思っていない。だが、世の中には、未必の故意、という便利な言葉がある」
取りつく島がないと、観念したアルは、悪戯小僧の顔で自白する。
「僕はただ、その場にいただけです。企んだ団も、その背後にいた者のことも知っています。氷竜団と炎竜団、どちらも団長は、A級でした。A級が二人もいるのですから、自分たちで解決できて当然ーーということで、その場を去りました」
「ぅごっ……」
アルの容赦のない言葉に、元団長でA級の冒険者が打ちのめされる。
四つん這いになり、絶望に打ちひしがれ、ぷるぷる震えている。
「こらこら、這い蹲っている場合じゃないぞ。三つ目の選択肢だ。国に戻って、名誉挽回、したくないのか?」
「魔雄様!!」
「うが~っ! 抱きつくな! 俺じゃない、そっち、アルだ! 何とかしたいんなら、誠心誠意、頭を下げるなりしろ!」
涙ながらに抱きついてくる男どもを払い除ける。
アルがここまで言及したということは、解決方法ーーだけでなく、何らかの思惑があるのだろうから、乗ってやることにする。
「よくわからないが、お願いする! アル君が困ったときには、俺たちは全力で駆けつけて、全力で力を貸す! だからっ、だからっ! 仲間の無念を晴らす方法があるのならっ、教えてくれ!!」
ゴッドハルトが頭を下げると、全員がそれに倣う。
アルの表情は、変わっていない。
以前、言っていた通り、人種が、虫に見えているのかもしれない。
気紛れが、あってもおかしくない。
そして、そんな気紛れを積み重ねていけばーー。
「僕は、魔雄様には逆らえませんので、仕方がありませんね」
微笑の内に、本心を隠した、アルは、懐から二枚のカードを取り出す。
「……そ、それは、まさかっ、あんた謎Sか!?」
驚愕した、ゴッドハルトは、不思議な言葉を吐き出した。
「謎S?」
「あっ、ちょっ、ま、それは……」
「大陸には、S級が三人います。S級二人のことは誰でも、冒険者であるなら知っていますが、もう一人のことは、真偽不明の、噂とされています。恐らく、ゴッドハルトさんは、自身の頭の中で、『謎のS級』を『謎S』と略して呼んでいたのでしょう。今回、それが、ポロっと出てしまった、ということです」
知らない。
俺以外の全員ーーボルネアとオルタンスまで、知っていて当然、という顔をしていたので、だんまりを決め込むことにする。
「…………」
一から十まで言い当てられてしまった、元団長は、黄昏れてしまった。
「S級には、幾つか特典があります。それを利用して、僕は、二つのカードを所有する権利をもらいました。僕が謎Sである理由は、十三歳のときに、S級になったからです。これを公表するのは不味いと、総本部の直属となりました。組合には、依頼に適さないものも申請されます。付き合いというものがあって、断れない場合に、僕に回ってきます」
慥か、冒険者の見習いになれるのは、十二歳からだったはず。
団に所属し、雑用などをやりながら、冒険者の技能を磨いていき、D級を目指すのが一般的だ。
組合総長だろうか、アルを管理することになるとは、ーー可哀想に。
有能だと聞いているが、そうであるが故に、魔雄の玩具になっていたはず。
「いえ、その、謎Sはやめて……」
「謎S。良いですね、謎S。とても良い響きですので、正式な名称となるよう、S級の権限を使って、本部に申請しておきましょう」
「…………」
ゴッドハルトは、灰になった。
優しいのか、無慈悲なのか、四大神でも判定不能だろう。
続くアルの言葉で、元団長は、「カネの水」を飲み干したかのように、生命力に満ち溢れる。
「組合には、話を通しておきます。ですが、僕がやるのは、それだけです」
「わかってる。まずは、氷竜隊を捜す。それからーー」
それ以上、言葉にしない。
これまで、無念と共に、引き攣れるような想いを抱えたまま、幾度も、幾度も考え続けてきたのだろう。
暗闇に惑いながらも、模索し続けてきた道に、光が照らされる。
「罪を犯した以上、そのままというわけにはいきません。級は、一つ落ちます。それから、しばらくは組合の管理下で、下積みのようなことをさせられるでしょう」
「その程度、構わない」
逡巡なく、ゴッドハルトは答える。
すると、何かに気づいたらしい、彼は、副団長と小声で会話を交わす。
「とと、そうだった。魔雄様、これを返しときます」
渋い表情の副団長から受け取った、ゴッドハルトは、あっけらかんと差し出してくる。
「手紙?」
渡され、見てみると、文面以前の、古代期の文字が並んでいた。
「……アル、これ、どう思う?」
困ったときの、魔雄。
内容はわからないものの、この手紙が何なのかは予想がつくので、ひらひらと振ってみせる。
「残念です。今の話はなかったことにーー」
「ちょ、ちょぉ~と待ってくれ! それは誤解だ! 大いなる誤解だ!」
一応、古代期の文字の解読を、他者に依頼したーーという可能性はあるが、ゴッドハルトの慌てふためく姿から、この手紙の出所の本命は、あの女と見て間違いなさそうだ。
副団長が、女と鉢合わせた、と言っていたから、そのときに入手したのだろう。
「ああ、なるほど」
五枚ある紙の最後に、現代の文字。
古代期の文字を解読したものだろう。
「アル。この四枚目。何か変じゃないか?」
読めはしないが、三枚目までは、普通の文章だとわかる。
だが、四枚目は、字面というか印象が、それまでのものとは異なるのだ。
「さすが魔雄様です。実は、紙が足りなくなってしまい、文章を圧縮しました」
面倒臭くなったのか、正体を隠さなくなった魔雄。
「魔力を籠めれば、文章が浮かび上がるとかか?」
「はい。その通りです。あと、僕としては、この手紙を、カステル様に持っていくことを推奨します」
「へ? あ~、いやいや、見知らぬ人種から渡されたら……、下手すりゃ殺されませんか?」
そう思うのも無理はない。
アルが望んでいるようなので、彼の背中を斜めに押してやることにする。
「そこは問題ない。そもそも、俺たちは、絶雄の依頼で、ここに来た。いずれ、報告するから、そのときに便宜を図ることもできる」
ーーすべてを言わない。
先程、積極的にやりたいとは思えない、とか思った癖に、さっそくやってしまった。
「有事の際に、人種の側に通じた者がいると、とても助かります。人数としても丁度良いことですし、有能な元冒険者となれば、カステル様から厚遇されるでしょう」
反対側から、アルも、彼の背中を斜めに押す。
「うっ、だ、がぁあ~~っ! よしっ、お前たち! 俺はっ、敵討ちをする! だが、強制はしない! カステル様のところで働きたい奴ぁ~、手ぇ上げやがれ~~っ!!」
羨ましい、と素直に思ってしまった。
即断。
全員が、手を上げた。
「ちくしょ~~っ!」
泣き出してしまった。
「こらこら、苛めてやるな」
「いえ、少しは懲りてもらわないと。ーー自分だけでどうにかしようと、無理をしていましたから」
副団長が、俺に一礼してから、団長を宥めにいく。
彼らの団に所属できていれば、俺の行く道も、変わっていたのかもしれない。
俺が、有り得たかもしれない未来に、幻想の翼を羽搏かせているとーー。
「ーー魔雄様。追わないんですか?」
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アルの冷ややかな声のあとに、走り去る、足音が響いたのだった。
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