めぐる風の星唄

風結

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炎の凪唄

ベルニナ・ユル・ビュジエ 14

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「来るわよ! みんなっ、配置について!」
 粗末な柵の前後に、無言で、武器を持って集まる。
 ーー当然ね。
 皆、恐怖で、声が出ない。
 青白い顔に、引き攣った顔。
 がくがくと、震えている者もいる。
「ーーっ」
 恐怖を一時的にでも、忘れられるように。
 鼓舞こぶしようとして、止めた。
 ーー彼らは、普通の村人だもの。
 誰一人、逃げていないだけで、十分。
 変に気持ちを昂らせれば、予定外の行動を取り兼ねない。
「オオオォォッ!」
「っ!?」
 ーー大軍。
 林から姿を現した、犬鬼コボルドの数に、錯覚を起こす。
 違う!
 群れでやってきているから、脅威に感じているだけ!
「ヴォオオォッ!!」
 何処からともなく放たれた、雄叫びに、コボルドたちが呼応する。
 耳から侵入した、強烈な衝撃が、心を縛りつけようとする。
 ーーラクンさん!
 「魔雄の遺産」に立ち向かった、彼の姿を思い出す。
 ーーこんなことで!
 剥き出しの、飢えた、殺気に誤魔化されず、魔力で全体を概観する。
「狩人のケインさんが言っていた通り、百匹前後! 予定通り、やるわよ!」
 嘘でも本当でも構わない。
 間違っていないと、問題ないと、肯定する。
 その責任の重さも、わかっていないのに。
 無責任に、あたしは、簡素なやぐらの上で、自信満々に指示を出す。
「ーー良かった。右から、来てくれたのね」
 単純に攻めてくると想定して、素人なりに、策を練った。
 ーー臨機応変なんて、無理。
 木々や建物の残骸などを置いて、村への侵入経路を三つに絞っている。
「ヴオォッ! ギャウッ!?」
「右側! 投石開始!!」
 先頭のコボルドが、罠に掛かったところで、攻撃を指示する。
 百以上の、小さな落とし穴。
 中には、尖った枝。
 効果は、小鬼ゴブリン豚鬼オークで、実証済み。
 統制の取れていない魔物が、これに適切に対処するのは、不可能。
「真ん中! 槍! 構えて!!」
 ここは、あたしの魔法に、懸かっている。
 時間が足りなかったから。
 中央に、罠はない。
 ーー冷静に、時機タイミングを計るのなんて、無理。
 二百人以上の、村人の命が懸かっている。
 上手くいくかなんて、わからない。
 だから、やるべきことは、事前に、明確に決めておいた。
 予定していた場所に、コボルドが到達してから、ーー呪文を唱える。

   回れ回れ
   炎や唄え
   巡れ巡れ
   熱に焦がれ
   愛しき紅蓮に抱かれよ
   途切れることなき輪環
   踊れ踊れ
   共に 焼き尽くされるまで

「『炎環フレイムサークル』」
 膝と、胸付近。
 血より濃い、二つの環が、今まさに、中央から侵入しようとした、コボルド十匹を囲う。
 ーー刹那。
 環が、縮む。
「突撃っ!!」
 炎に焼かれた、コボルドの絶叫を押し退けるように、あたしは、あらん限りに、声を振り絞る。
 ーー中央は、「炎環」で蓋をする。
 村の若者で構成した、槍隊が、囚われの犬鬼を、めった刺しにする。
 ーーあたしも、そうだった。
 どこまでやれば、魔物が死ぬかなんて、わからない。
 死して尚、炎の環に焼かれる、コボルド。
「左側! 矢を! 放て!!」
 まだ。
 終わっていない!
 怯んだ心を焼き尽くして、喉から残り火ことばを吐き出す。
 右と中央を塞がれたから、当然、群れは、左に流れる。
「射れ! 射れーっ!」
 声を上げた、一人目が射るとーー。
 ーー早い。
 それに、めちゃくちゃ。
 コボルドたちは、一旦退いて、様子見をしている。
 ーー矢は。
 先んじて飛び込んできた、すでに絶命している、五匹のコボルドに、降り注いでいる。
「あ……、あ…駄目だ!? 逃げろーっ!!」
 左の柵の前にいた、爺様部隊が、我先に、持ち場から離れると。
 続いて、柵の内側の、弓隊の女性たちが、弓を放り出して、背中を向ける。
「ヴアアォォ!!」
 群れの長らしき、雄叫びに、コボルドたちは、左側に殺到する。
「今よ!」
「うん!」
 あたしの合図に、ガキ大将の、ワルテクが応える。
 子供たちが作った、旗が揚がると、左側の柵の向こう、そして、木に登っている子供が、旗を大きく振る。
 ーー村の労力の、半分以上を、左側に注力した。
「ーーバレて、ないわね」
 弓に、逃走と。
 さすがに、あからさまかと心配していたけれど。
「ヴェアッ!?」
 最大の罠。
 大きな落とし穴に、先頭の三匹が落ちる。
 ーーここからよ。
 伏兵ーー最大戦力、本職ぼうけんしゃを投入する。
「お前らっ、突貫!」
 コボルドたちの背後に、五人の男が現れる。
 たったの、五人。
 でも、彼らは、Cクラスの冒険者。
 村人とは、明らかに異なる、武装した、戦い慣れた男たち。
 不意を衝いた、彼らは、コボルドたちを押し込んでいく。
「おっ、おっ、やっぱり、無理だーっ!」
 所詮、多勢に無勢。
 六十匹を超える、コボルド。
 勢いだけでは、無理がある。
「ひ…姫~っ!」
 ……止めてと、言ったのに。
 黒牙団の団長が、助けを求めてくる。
「……大丈夫。成功させる」
 予定通りなら、魔法を、あと二回。
 ーー初めての、高位魔法。
 爺様部隊と弓隊が戻ってきて、所定の位置についていく。
 右側と中央も、上手く抑え込んでいる。
 ーー魔雄ハビヒ・ツブルク。
 人種アオスタを滅ぼそうとした、ひねくれ者の魔法使い。
 ーーラクンさんに、迷惑かけたのだから。
「こんなときくらい、ーー力を貸しなさい!!」
 あたしは、手引書を、全力で、櫓の床に叩きつけた。
 魔雄の呪文をあたしのおもいを改変するうわのせする

   優しき炎は 夢を焼く
   破れて 零れて 世界を灼く
   剥き出しの魂こそ
   染め上げるべき 極限
   初源の火よ
   その行方を辿る者よ
   炎に熟れた 現身
   言葉に焼べるは 願いの残滓
   捧げて 与して めぐる世界に
   愛しき炎は 夢を紡ぐ

 壊れそうになったもえつきようとした、刹那ーー。
 ……奪わせない!
 極寒に、凍りつこうとする、あたし自身すべてを!
 足りないのならっ、魔力でも命でも!
 幾らでもべてあげるわ!!
「『業火インフェルノ』っ!!」
 ーー炎だった。
 ここにいながら、あたしは、燃えていた。
 空へと昇る、火柱にーー。
「あぢぢぢぃ~っ! 姫っ、近すぎだぁ~~っ!!」
「…………」
 ……もう十分だったから。
 火勢を弱めて、空へと炎を還す。
 ーーそれから。
 弓隊が射かける。
 残敵掃討。
 黒牙団が、逃げ道を作って、誘導する。
「ーーーー」
 ーーこのまま、倒れられたら、楽だけれど。
 もう一つ、魔法を使わないといけない。
 ワルテクの手を借りて、櫓から下りる。
「……親父おっとう
 昨日まで、生意気だった少年が、涙を堪えて、それでも足を止めずに。
「大丈夫よ。あたしを、あそこまで……」
 重傷が、三人。
 致命傷が、一人。
 他にも、少なくない、怪我人。
「……怪我をした方は、四人を中心に、集まって下さい」
 勝利の余韻は、冷え切って。
 失われる、命を、村人たちが囲んでいた。
「……姫。幾ら姫の魔法でも、ーー『治癒』でも無理だ」
 二十半ばの、団長が、現実を受け容れろと、諭してくる。
「そうね。でも、やらないわけには、いかないわ」
 こんなときでも。
 ーー人任せは、変わらない。
 魔雄ハビヒ・ツブルクーー「魔法の手引書」。
 心から、感謝してあげるから。
 どうか、ーーどうか、力を貸してください。

   芽吹いたのは 生命の花
   心そよぐのは 小さな唄
   誰かの声が聞こえる
   それは あなたの願い
   あなたの声が聞こえる
   それは みんなの想い
   届いている
   気づいて いないだけ
   風が運んだのは 大切な絆
   夢うつつに 紡ぐ物語
   帰る場所は いつでも
   ここにあるのだから

「『大治癒マウナラニ』」
 ビュジエの景色がよぎる。
 必ず、帰るとーー。
 ーー父様。
 ーー母様。
「姫。下がるぞ」
「……ありがとう」
 景色に、景色が重なって、感覚が、おかしくなる。
 聴覚が戻って、次いで、肌に、伝わる。
 村人たちの歓声が聞こえてきたとき、建物の壁に、寄り掛かっていた。
「……黒牙団の皆さんのお陰で、助かったわ」
「助かったのは、こっちさ。コボルドの群れの捜索だが、あんなのと遭遇してたら、やばかった」
「あたしは大丈夫。追っていいわよ」
 残りは、四十匹くらい。
 もっと削れるはず。
「たぁ~、世知辛ぇなぁ。うしっ、野郎ども、仕事だ、行くぞ!」
 ベンズ伯からの依頼だと言っていた。
 領内の魔物を狩るのは、領主の仕事。
 ーーなのに。
 こんな数になるまで、放っておいた。
 ーーベンズは、中央に目をつけられないくらいに、あくどいことをしている。
 父様の言葉が、母様の笑顔が、ーーすぐ傍に。
「ーーーー」
 目を開けて、現実を見る。
「村長さん。コボルドも調子に乗る、見事な逃げっぷりだったわ」
「ほっほっほっ、実際、怖くて怖くて、仕方がなかったのじゃよ。演技、というか、あれは、本気、じゃな。うっかり、妻のいる場所アウマクアのみもとまで、逝ってしまうところじゃった」
 そう、そして、誰よりも早く戻ってきて、弓隊を、指揮した。
 あれで、十匹は、減らせたはず。
「姫さんが来てくれなかったら、ほんに、村がどうなっておったか。ーーにしても、姫さんもそうじゃが、村に、ときどき若いおなごが来るんじゃが、ーーずっと気になっておっての。話したくなければ、良いのじゃが」
 本心から、心配してくれているようだ。
 ーーそうね。
 頼みたいこともあるし、話してもいいかしら。
「魔法使いの、イオアニスーーと言ったら、知っているかしら?」
「はて? 初耳じゃな」
 ーー十五年前。
 父様は、イオアニスの噂を聞いて、あたしを連れていった。
 なのに、今は、「洞穴」に一番近い村の住人にも、知られていない。
 わからないーーけれど。
 どうせ、今のあたしに、他に、選択肢などない。
「イオアニスはね、魔法の研究をしているの。あたしたちは、その、関係者といったところね。ーーそうだった。櫓に、手引書を置いてきてしまったわ。そうね、あたしが戻ってこなかったら、ワルテクに上げてちょうだい」
 村人の中で、一番、魔力量が多かった。
 手引書あれを、「洞穴」に持っていくのはーーイオアニスの手に渡るのは、避けなければいけない。
 これは、勘。
 イオアニスが手引書を手に入れれば、「第二段階」とやらが完成するかもしれない。
 でも、彼は、きっと、そこで満足できず、その先へ手を伸ばすことになるはず。
 ーーいえ、これは、もっと単純なことね。
 イオアニスに奪われるくらいなら、ワルテクに上げるのこす
 あの、目。
 どうしても、好きになれない。
 あたしを、見ていないーー人としてではなく、物を見る、目。
 そんな、大嫌いな、イオアニスに頼る、あたしーー。
「じゃあ、行くわね」
「手引書とやらは、預かっておく。ーー必ず、戻ってくるのじゃぞ」
 もう、じっとしていられなくて、歩き出す。
 碌に、村長の顔も見ないで、重たい足を動かしていく。
 ーーきっと、心配そうな顔をしているから。
 歩いて、歩いて、静かになって。
 大きな岩があったから、手を突く。
「何を、しているのかしら……」
 ビュジエの、マウマウ山に立ち寄ったのと、同じ。
 真っ直ぐに、「洞穴」に行けなかったから。
 村に、ふらりと足が向いてしまった。
 ーーゴブリンを殺さなかったのに。
 六十匹くらい、コボルドを殺した。
「本当に、何を…やっているのかしらーー」
 ーー襲撃に怯えて、何も決められなかった、村人たち。
 戦わなければならないと。
 彼らを、そそのかした。
 ーーそれは、本当に、村人たちのことを思ってのことだったの?
 上手くいったから、良かった。
 責任なんて、取れないのに。
 あたしの内の、何かが、ーー耐え切れなかったもえあがった
「…………」
 「洞穴」と、この場所との間には、もう、何もない。
 事実が、際限なく奪い取ってひえきって
 燃え滓あたしは、冷たくなったまま、歩いていくのだった。
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