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第50話 従者の恐慌

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「そこでなにをしている!」

背後から鋭く低い声とともにフィーの首筋には剣があてられた。







「!?!!!!?」

眠いことも相まって完全に無我の境地にいたフィーは吃驚して声も出なかった。




「なぜ草むらに隠れて軍の様子を伺っていた?」

背後から変わらず低い声で聞かれたが、

フィーは混乱しすぎて答えられなかった。







「答えられないのか?」

低い声の主はしゃがんでいたフィーの右腕を掴んで無理矢理立ち上がらせた。

フィーは慌てたが、

身体の軽いフィーは簡単に持ち上げられてしまった。

首に剣をあてられたまま、

フィーは首だけ後ろを振り向いた。

フィーの背後にいたのは、

熊のように大きな体躯をした、

黒目黒髪の白軍の騎士だった。









「子供と言えど、不審者をそのままにはしておけない。」

騎士はそう言って鋭い眼差しで睨んできた。

「!!?!?!?」

フィーは現状が把握できず混乱した。













「ヤン!!そこで何しとる!?

ん!!??そこにいるのはフィーか!?」










恐慌状態に陥ったフィーを救ったのは、

鍛錬場にいたマルコス将軍だった。


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