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本編
波乱の幕開け?
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アリステア様は今までに見たことのないぐらい静かなお怒りモードでしたわ。
「レティシアは王家の婚約者候補だろう?たとえフィリップと結ばれることがなくても、王位継承権がある者が彼女を望めば異国の求婚など、不問になる」
そっそうでしたわ。優先権は王太子であるフィリップ様にあるのだけれど、王位継承権がある者はその婚約者候補を所望する権利もあるのでしたわ。
「ああ、そうだね、アリステア。君にも反対する権利はあるよね」
とフィリップ様が可笑しげにいわれる。王位継承権は血筋のみでなく、王家に貢献した者に優先されるから、王位継承権第1位のフィリップ様の次に継承権があるのはシャルトル公爵、で、その次が長子であるアリステア様となる、王位継承権第3位だけれど、公爵は王位を継ぐ意思はなく、軍師としての公爵業を辞めるつもりもないから、実質的にはアリステア様が第2位となるのよね。フィリップ様の異兄弟のシャルル様は側室様が男爵家の方で継承権は低く、正妃様との第2子がまだお生まれでないから、こういう流れになるのだけれど、他国の方にはわかりませんわよねえ。
「それに、レティーの気持ちもある」
そういってアリステア様が頷かれた。
ああ、凛々しくてかっこいいわ!
王子様同士の会話に割って入るなんてことはわたくしにはできませんから、アリステア様に感謝ですわ。
「ほお…なるほどね。では、そういうことで」
とニヤッと笑われたサーティス様がアリステア様に手を差し出されて、握手を交わしてこの話題は終了しましたわ。
フィリップ様が上手にレニングラードの情勢などを訪ねることで、話題を変えてくださったということもあるのですけれど。
お食事の間中マリアンヌ様に睨まれて、食が進みませんでしたわ。
****
ランチが終わってカフェテリアを出て次のクラスに向かおうとしたところで、予想通り、教室の前でマリアンヌ様に遭遇しましたわ。
「あたし、警告したわよね?」アリステアだけじゃなくて、サーティスにも手を出すなんてどういうつもり?学園の前で、迷っているサーティスを案内するイベントが起きてないのはあんたのせいだったのね?」
「わたくしは何もしたおりませんわ」
「しらばっくれんじゃないわよ!ならなんで、サーティスがプロポーズしてくんのよ?あんたが私のイベントをぶんどったからに決まってるじゃない!」
「わたくし、サーティス様の求婚をお受けするつもりはございませんわ。異国に嫁ぐなんてお父様に反対されますし」
「あんたの家族の都合なんてどうでもいいわよ!本来ならアンタをギタンギタンにしてやりたいけれど、私はざまあものの対策と傾向もネタを仕入れてるし、このゲームのすべての筋書きもわかってるから、負けないんだからね!必ずフィリップ様と婚約して他のみんなも手に入れてやるんだから!」
話を聞いていてマリアンヌ様がこのゲームと何かそれに関係する知識?のようなものをたくさん持っていらっしゃるのはわかりましたわ。
「わたくしはあくまで王家の婚約者候補ですので、それに従って行動しましわ。ではご機嫌よう」
サーティス様だけでも頭がいたいのにこれ以上マリアンヌ様のわけのわからない言葉を聞いている余裕がなかったので、会釈して、願望実現のクラスの席に着きましたわ。
ここは自由席なので、窓際の一番前に。
その隣にサロモン様が座ってこられたのはびっくりしたのですけれど、別に会話もなく、平和に授業の時間が流れていきました。
「レティシアは王家の婚約者候補だろう?たとえフィリップと結ばれることがなくても、王位継承権がある者が彼女を望めば異国の求婚など、不問になる」
そっそうでしたわ。優先権は王太子であるフィリップ様にあるのだけれど、王位継承権がある者はその婚約者候補を所望する権利もあるのでしたわ。
「ああ、そうだね、アリステア。君にも反対する権利はあるよね」
とフィリップ様が可笑しげにいわれる。王位継承権は血筋のみでなく、王家に貢献した者に優先されるから、王位継承権第1位のフィリップ様の次に継承権があるのはシャルトル公爵、で、その次が長子であるアリステア様となる、王位継承権第3位だけれど、公爵は王位を継ぐ意思はなく、軍師としての公爵業を辞めるつもりもないから、実質的にはアリステア様が第2位となるのよね。フィリップ様の異兄弟のシャルル様は側室様が男爵家の方で継承権は低く、正妃様との第2子がまだお生まれでないから、こういう流れになるのだけれど、他国の方にはわかりませんわよねえ。
「それに、レティーの気持ちもある」
そういってアリステア様が頷かれた。
ああ、凛々しくてかっこいいわ!
王子様同士の会話に割って入るなんてことはわたくしにはできませんから、アリステア様に感謝ですわ。
「ほお…なるほどね。では、そういうことで」
とニヤッと笑われたサーティス様がアリステア様に手を差し出されて、握手を交わしてこの話題は終了しましたわ。
フィリップ様が上手にレニングラードの情勢などを訪ねることで、話題を変えてくださったということもあるのですけれど。
お食事の間中マリアンヌ様に睨まれて、食が進みませんでしたわ。
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ランチが終わってカフェテリアを出て次のクラスに向かおうとしたところで、予想通り、教室の前でマリアンヌ様に遭遇しましたわ。
「あたし、警告したわよね?」アリステアだけじゃなくて、サーティスにも手を出すなんてどういうつもり?学園の前で、迷っているサーティスを案内するイベントが起きてないのはあんたのせいだったのね?」
「わたくしは何もしたおりませんわ」
「しらばっくれんじゃないわよ!ならなんで、サーティスがプロポーズしてくんのよ?あんたが私のイベントをぶんどったからに決まってるじゃない!」
「わたくし、サーティス様の求婚をお受けするつもりはございませんわ。異国に嫁ぐなんてお父様に反対されますし」
「あんたの家族の都合なんてどうでもいいわよ!本来ならアンタをギタンギタンにしてやりたいけれど、私はざまあものの対策と傾向もネタを仕入れてるし、このゲームのすべての筋書きもわかってるから、負けないんだからね!必ずフィリップ様と婚約して他のみんなも手に入れてやるんだから!」
話を聞いていてマリアンヌ様がこのゲームと何かそれに関係する知識?のようなものをたくさん持っていらっしゃるのはわかりましたわ。
「わたくしはあくまで王家の婚約者候補ですので、それに従って行動しましわ。ではご機嫌よう」
サーティス様だけでも頭がいたいのにこれ以上マリアンヌ様のわけのわからない言葉を聞いている余裕がなかったので、会釈して、願望実現のクラスの席に着きましたわ。
ここは自由席なので、窓際の一番前に。
その隣にサロモン様が座ってこられたのはびっくりしたのですけれど、別に会話もなく、平和に授業の時間が流れていきました。
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