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本編
懲りないマリアンヌ様 (前)
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困りましたわ…、欠席の選択はできませんわよね。
わたくしは、出席の返事を手短に記して、招待状の返事を送り返しましたわ。
すぐに返事が欲しいとのことで、その場で王家の使者の方に。
招待状はマリアンヌ様のお茶会でしたわ。
使者の方が公爵家を出られると、わたくしは溜息をつきまくりましたわ。
「なぜ、わたくしが選ばれたのかしら?」
マリアンヌ様とは親しい間柄ではなくフレネミー(敵友)みたいな間柄なのに。
マリアンヌ様がフィリップ様の婚約者となられてから初のお茶会。マリアンヌ様はフィリップ様の婚約者なので、まだ王族ではないから、男爵家で普通はするものだと思うのですけれど、王家から招待状が来ては断れませんわ。主催は王妃様という名目なのですけれど、文面から主役はマリアンヌ様ということが明白でしたわ。
「お嬢様、嫌そうですね」
お茶を持ってきたサラスがいう。
「遠からず、近すぎずという感じで付き合っていこうと決めていたのに、困ったわ」
「何か企んでなきゃいいですけど」
「アリステア様と結婚すれば、一応親戚ということになるから、邪険にはできないわ。マリアンヌ様もそう思って歩み寄ってくれたのかも」
「そうだといいですけどねえ」
たぶん王太子妃教育の成果を見せる為という理由だと思うのですけれど。普通ならわたくしもアリステア様との結婚の準備に忙しいのでおことわりするんですけれど、王家からの招待状が来ては断れませんわ。お茶会には、王妃様も出席されるから、変なことにはならないと思うけれど。
*****
待ちに待ったわけではないお茶会の日がやってきましたわ。
わたくしは、アリステア様の婚約者として恥ずかしくない程度に身なりを整えて、王宮に向かいましたわ。
あまり華美にしすぎると、王太子妃になられるマリアンヌ様に失礼になりますからね。
それに無駄に刺激したくなかったというのもありますわ。
無難な格好で出席して、当たり障りのない会話をしてやり過ごして去る。
この計画をやり遂げるためにお茶会の席で一番目立ったり、美しすぎたりしないように。
侍女たちやサラスとも相談してお茶会には地味目の濃紺のドレスに青色の刺繍のついたドレス、
アリステア様の色を着ていくことにして、アリステア様から送られた宝石を付けて行きましたの。
公爵家から王宮までは馬車で20分程なのですけれど、出来るだけゆっくり走ってもらいました。
ご婚約が決まってから、フィリップ様とも滅多に会うことはありませんでしたけれど、どこでマリアンヌ様の怒りの
ツボを押すかわかりませんからね。
「お嬢様」
「なあに?」
「嫌な予感がするんですけれど」
「まあ、サラス、怖いことをいわないで、うまくいかせてみせるわ」
「はあ」
「その為にこういう身支度になったのだしね。マリアンヌ様も婚約したから、前より穏やかになってるわ」
「そうだといいですね。とりあえず目を光らせておきますから」
「ええ、よろしくね、サラス」
こうしてわたくしたちは王宮の門の中に突入していったのですわ。
わたくしは、出席の返事を手短に記して、招待状の返事を送り返しましたわ。
すぐに返事が欲しいとのことで、その場で王家の使者の方に。
招待状はマリアンヌ様のお茶会でしたわ。
使者の方が公爵家を出られると、わたくしは溜息をつきまくりましたわ。
「なぜ、わたくしが選ばれたのかしら?」
マリアンヌ様とは親しい間柄ではなくフレネミー(敵友)みたいな間柄なのに。
マリアンヌ様がフィリップ様の婚約者となられてから初のお茶会。マリアンヌ様はフィリップ様の婚約者なので、まだ王族ではないから、男爵家で普通はするものだと思うのですけれど、王家から招待状が来ては断れませんわ。主催は王妃様という名目なのですけれど、文面から主役はマリアンヌ様ということが明白でしたわ。
「お嬢様、嫌そうですね」
お茶を持ってきたサラスがいう。
「遠からず、近すぎずという感じで付き合っていこうと決めていたのに、困ったわ」
「何か企んでなきゃいいですけど」
「アリステア様と結婚すれば、一応親戚ということになるから、邪険にはできないわ。マリアンヌ様もそう思って歩み寄ってくれたのかも」
「そうだといいですけどねえ」
たぶん王太子妃教育の成果を見せる為という理由だと思うのですけれど。普通ならわたくしもアリステア様との結婚の準備に忙しいのでおことわりするんですけれど、王家からの招待状が来ては断れませんわ。お茶会には、王妃様も出席されるから、変なことにはならないと思うけれど。
*****
待ちに待ったわけではないお茶会の日がやってきましたわ。
わたくしは、アリステア様の婚約者として恥ずかしくない程度に身なりを整えて、王宮に向かいましたわ。
あまり華美にしすぎると、王太子妃になられるマリアンヌ様に失礼になりますからね。
それに無駄に刺激したくなかったというのもありますわ。
無難な格好で出席して、当たり障りのない会話をしてやり過ごして去る。
この計画をやり遂げるためにお茶会の席で一番目立ったり、美しすぎたりしないように。
侍女たちやサラスとも相談してお茶会には地味目の濃紺のドレスに青色の刺繍のついたドレス、
アリステア様の色を着ていくことにして、アリステア様から送られた宝石を付けて行きましたの。
公爵家から王宮までは馬車で20分程なのですけれど、出来るだけゆっくり走ってもらいました。
ご婚約が決まってから、フィリップ様とも滅多に会うことはありませんでしたけれど、どこでマリアンヌ様の怒りの
ツボを押すかわかりませんからね。
「お嬢様」
「なあに?」
「嫌な予感がするんですけれど」
「まあ、サラス、怖いことをいわないで、うまくいかせてみせるわ」
「はあ」
「その為にこういう身支度になったのだしね。マリアンヌ様も婚約したから、前より穏やかになってるわ」
「そうだといいですね。とりあえず目を光らせておきますから」
「ええ、よろしくね、サラス」
こうしてわたくしたちは王宮の門の中に突入していったのですわ。
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