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意地悪な幼馴染
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「お前さ、毎朝それやってて飽きねえの?」
俺の幼馴染かつ同居人であるライアは、フッと小馬鹿にしたように笑って言った。
「うるせーな!バイトで頼まれたんだから仕方ねーだろ!」
俺、カインは、ライアの言葉に多少イラつきながらも花瓶にさされてある花に特殊能力を使う。
すると、キラキラした光が花を包み、蕾が綺麗に開いて生き生きとした美しい花が咲いた。
「ふう、この花もやっと綺麗に咲いたな。」
毎朝の日課になりつつある作業を終えて、俺は一息ついた。
この世界では、誰もが《特殊能力》を持って生まれる。
炎を操る能力、自分自身の身体強化を行う能力、相手の思考を読み取る能力………など、人によってさまざまである。
しかし、そんな凄い能力を持つのはごく限られた人間だけ。
たいていの人間は、パッとしない、地味な能力を持っているものである___。
俺、カインもその1人だ。
俺の特殊能力は、《花を綺麗に咲かせる能力》である。毎日花に能力を使うと、その分花が生命力を伴い、生き生きとした美しい花が咲くのだ。
小さい頃は、綺麗に咲いた花を親にあげると喜んでくれたし、自分の能力もまあまあ気に入っていた。最近では、この能力を使って町の花屋でバイトを始めることもできたし、感謝している。
しかし、そんな俺がこの能力を恥ずかしいと思い始めたのは、幼馴染かつ同居人のライアのせいである。
ライアは俺とは違う、《炎を操る能力》という、貴重な能力を持った人間であり、頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群………それはもうみんなの憧れの的である。
そんなライアと俺は幼馴染であり、両親同士の仲がいい影響で小さい頃からよく一緒にいた。
最初の方は普通に仲が良く、朝から晩まで外を駆け回って遊んだものだが、小学校高学年ぐらいになるとライアが俺を小馬鹿にしてくるようになった。
「お前の特殊能力、女子みてーだな」
そうライアに言われてから、俺は自分の特殊能力をコンプレックスに思うようになった。
ライアの特殊能力は凄くかっこいい。すでに国の特殊能力部隊にスカウトされていると聞いたことがあるし、将来有望でみんなより頭ひとつ抜けている。
それに比べて俺は……。
そう考えるようになってから、なんとなくライアとは少しだけ距離を取るようになった。と言っても、家は近いし家族同士で仲はいいし、毎朝一緒に登校していたのだが。
中学生になると、俺とライアはそれぞれのコミュニティに属し、クラスも違うため話す機会は少なくなっていった。しかし、ライアとは偶然廊下や帰り道で会うことが多く、その度にライアにちょっかいをかけられていた。
「お前、自分の特殊能力クラスのやつに秘密にしてんの?俺が言いふらしちゃおっかなー」
「今回のテストまた俺の勝ちだな、まあお前に負けると思ってなかったけど。なんか奢れよ」
別に俺は頭悪くないし!てかいい方だし。ライアが賢すぎるだけだ。特殊能力だって、仲良いやつには言ってるし、てか別に隠してないし!!
そんなこんなで毎日を過ごしていたが、中学を卒業し、カインはすっきりした気持ちで高校生活を迎えようとしていた。カインは、ライアと比べなければ普通に頭が良かったので、家から離れた進学校に進むことができたのだ。
(やっとライアに馬鹿にされつづけていた日々が終わる!)
そう思っていたのに……
「えっ!?ライアも同じ学校に行くのかよ!!」
カインの家でお茶会中の母親たちに向かってそう叫んだ。
「そうよ、聞いてなかったの?だから、ちょうどいいと思って。あんたライアくんと同居させてもらったらどう?家賃も半分になるし、頼りになるでしょ?あんたを一人暮らしさせるのは心配だわ。」
(は?ライアと同居!?絶対いやだ!!)ってつい叫びそうになったけど堪えた。だってそこにはライアの母親もいたから。
「こっちこそありがたいわ~、カインくんがいてくれるなら。2人だと安心ね!」
嬉しそうに話す母親たち。俺はやんわり断ろうと口を挟む。
「で、でもほら、ライアが嫌がるんじゃないですか?俺と同居って……」
「そんなことないわ!ライアも喜ぶわよ!ね。」
「ライアくんのお母さんがこう言ってくれてるんだから、心配ないわよ、カイン。」
あれよあれよと言う間に、反論する間もなく、仲良しのほほんな母親たちによって俺たちの同居は決まっていったのであった_____。
高校入学から早くも1ヶ月がたち、俺は徐々に生活に馴染んでいった。男子校なので男しかいないが、クラスで友達もできたし、バイトも始めた。
自分の特殊能力を活かして花屋で働いているのだが、それが結構重宝され、お客様に売る花のいくつかを家で育てることにもなった。
朝は花に特殊能力を使い、学校で勉強、放課後はバイト、そして家に帰る。
そんな生活も何気に気に入っていた………ライアと同居していること以外は!!
高校生になったにも関わらず、ライアは今まで通り俺に意地悪してくる。
朝起きて顔を洗おうとすると、居合わせたライアに「不細工だな笑」とおちょくられるし、夜ご飯はカインが担当しているのだが、「まあ、悪くない味なんじゃねーの?」といつも上から目線。風呂から上がって洗面所で居合わせたさいには、「体、細すぎだろ」と馬鹿にしてくる。
確かにライアほどイケメンじゃないし、朝ごはんと弁当を担当しているライアの飯よりは美味くないかもしれないし、ライアほど体に筋肉もついてないけど!!
結局全部ライアの言う通りなので言い返せず、いつもムッとした顔にすることしかできない。
(てか、ライアもそんなに俺が嫌なら同居に反対すれば良かったのに。)
やっぱりライアもあの母親には逆らえないんだなーと思うのであった。
俺の幼馴染かつ同居人であるライアは、フッと小馬鹿にしたように笑って言った。
「うるせーな!バイトで頼まれたんだから仕方ねーだろ!」
俺、カインは、ライアの言葉に多少イラつきながらも花瓶にさされてある花に特殊能力を使う。
すると、キラキラした光が花を包み、蕾が綺麗に開いて生き生きとした美しい花が咲いた。
「ふう、この花もやっと綺麗に咲いたな。」
毎朝の日課になりつつある作業を終えて、俺は一息ついた。
この世界では、誰もが《特殊能力》を持って生まれる。
炎を操る能力、自分自身の身体強化を行う能力、相手の思考を読み取る能力………など、人によってさまざまである。
しかし、そんな凄い能力を持つのはごく限られた人間だけ。
たいていの人間は、パッとしない、地味な能力を持っているものである___。
俺、カインもその1人だ。
俺の特殊能力は、《花を綺麗に咲かせる能力》である。毎日花に能力を使うと、その分花が生命力を伴い、生き生きとした美しい花が咲くのだ。
小さい頃は、綺麗に咲いた花を親にあげると喜んでくれたし、自分の能力もまあまあ気に入っていた。最近では、この能力を使って町の花屋でバイトを始めることもできたし、感謝している。
しかし、そんな俺がこの能力を恥ずかしいと思い始めたのは、幼馴染かつ同居人のライアのせいである。
ライアは俺とは違う、《炎を操る能力》という、貴重な能力を持った人間であり、頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群………それはもうみんなの憧れの的である。
そんなライアと俺は幼馴染であり、両親同士の仲がいい影響で小さい頃からよく一緒にいた。
最初の方は普通に仲が良く、朝から晩まで外を駆け回って遊んだものだが、小学校高学年ぐらいになるとライアが俺を小馬鹿にしてくるようになった。
「お前の特殊能力、女子みてーだな」
そうライアに言われてから、俺は自分の特殊能力をコンプレックスに思うようになった。
ライアの特殊能力は凄くかっこいい。すでに国の特殊能力部隊にスカウトされていると聞いたことがあるし、将来有望でみんなより頭ひとつ抜けている。
それに比べて俺は……。
そう考えるようになってから、なんとなくライアとは少しだけ距離を取るようになった。と言っても、家は近いし家族同士で仲はいいし、毎朝一緒に登校していたのだが。
中学生になると、俺とライアはそれぞれのコミュニティに属し、クラスも違うため話す機会は少なくなっていった。しかし、ライアとは偶然廊下や帰り道で会うことが多く、その度にライアにちょっかいをかけられていた。
「お前、自分の特殊能力クラスのやつに秘密にしてんの?俺が言いふらしちゃおっかなー」
「今回のテストまた俺の勝ちだな、まあお前に負けると思ってなかったけど。なんか奢れよ」
別に俺は頭悪くないし!てかいい方だし。ライアが賢すぎるだけだ。特殊能力だって、仲良いやつには言ってるし、てか別に隠してないし!!
そんなこんなで毎日を過ごしていたが、中学を卒業し、カインはすっきりした気持ちで高校生活を迎えようとしていた。カインは、ライアと比べなければ普通に頭が良かったので、家から離れた進学校に進むことができたのだ。
(やっとライアに馬鹿にされつづけていた日々が終わる!)
そう思っていたのに……
「えっ!?ライアも同じ学校に行くのかよ!!」
カインの家でお茶会中の母親たちに向かってそう叫んだ。
「そうよ、聞いてなかったの?だから、ちょうどいいと思って。あんたライアくんと同居させてもらったらどう?家賃も半分になるし、頼りになるでしょ?あんたを一人暮らしさせるのは心配だわ。」
(は?ライアと同居!?絶対いやだ!!)ってつい叫びそうになったけど堪えた。だってそこにはライアの母親もいたから。
「こっちこそありがたいわ~、カインくんがいてくれるなら。2人だと安心ね!」
嬉しそうに話す母親たち。俺はやんわり断ろうと口を挟む。
「で、でもほら、ライアが嫌がるんじゃないですか?俺と同居って……」
「そんなことないわ!ライアも喜ぶわよ!ね。」
「ライアくんのお母さんがこう言ってくれてるんだから、心配ないわよ、カイン。」
あれよあれよと言う間に、反論する間もなく、仲良しのほほんな母親たちによって俺たちの同居は決まっていったのであった_____。
高校入学から早くも1ヶ月がたち、俺は徐々に生活に馴染んでいった。男子校なので男しかいないが、クラスで友達もできたし、バイトも始めた。
自分の特殊能力を活かして花屋で働いているのだが、それが結構重宝され、お客様に売る花のいくつかを家で育てることにもなった。
朝は花に特殊能力を使い、学校で勉強、放課後はバイト、そして家に帰る。
そんな生活も何気に気に入っていた………ライアと同居していること以外は!!
高校生になったにも関わらず、ライアは今まで通り俺に意地悪してくる。
朝起きて顔を洗おうとすると、居合わせたライアに「不細工だな笑」とおちょくられるし、夜ご飯はカインが担当しているのだが、「まあ、悪くない味なんじゃねーの?」といつも上から目線。風呂から上がって洗面所で居合わせたさいには、「体、細すぎだろ」と馬鹿にしてくる。
確かにライアほどイケメンじゃないし、朝ごはんと弁当を担当しているライアの飯よりは美味くないかもしれないし、ライアほど体に筋肉もついてないけど!!
結局全部ライアの言う通りなので言い返せず、いつもムッとした顔にすることしかできない。
(てか、ライアもそんなに俺が嫌なら同居に反対すれば良かったのに。)
やっぱりライアもあの母親には逆らえないんだなーと思うのであった。
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