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13話 言語学マスター
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国設アトラト学園に入学して二日目になった。
古谷書店もとい、フルヤさんとユナの家からは路地を抜けて大通りに出て少し歩くとたどり着く。
まぁ、学校もだいぶ広いので言語学科の校舎につくまでも結構距離があるのだが。
昨日のように魔法学科の人にぶつかられることはなかった。そうそう毎日あっても困るのだが。念のため少し周りを警戒しながら歩いたため、結構な情報が得られた。
ネクタイの色だが、言語学科の緑、魔法学科の紫、歴史学科の黄色、商業学科の青、数学学科の水色、魔法科学学科の赤、例外として生徒会の役員は白でそれぞれの学科の色の線が入っているよう。
生徒会役員の白は結構な距離を歩いて様々な人がいたがそれでも一人しか見なかった。ちなみに入っている線は青色なので商業学科の生徒みたいだ。
さて、と。校舎に入って教室に入ると相変わらずの静かさだった。が、黒板には感じでこう書かれていた。
「焼肉定食」
先生の字からすると若干チョークの扱いに慣れていないような書き方だったのでおそらく生徒が書いたものだろう。
それにしても黒板に焼肉定食って書かれて戸惑っていると誰かが話しかけてくる。
「新入生くん、この字をなんて読むか分かるかい?」
僕への挑戦状か!?いや、おそらくこうやって新入生にちょっかいを出す先輩だろうから片っ端から質問しているだけだろうけど。
まあいいや、僕はおもむろにチョークをとると「ヤキニクテイショク」とルビを振ってついでに横に680円と値段まで書いておく。
まさかこの学校で一番最初に訳す言葉が焼肉定食なんて誰が想像できるだろうか。
「うわ、君すごいね」
先輩のメンツをへし折ったような気がする。声がすっごく残念そうだ。焼肉定食を訳されただけでへし折れるメンツもあるものだなとか考えていると、いきなり女性が入ってきた。
制服着ているし緑のリボンだしまあこの学校の言語学科の人なんだろうけど、その人がさっきの先輩の腕を強引に引っ張って扉の前まで来る。
「うちのクラスのバカがお騒がせしました」
そう言って廊下へ出ていった。一体全体なんだったんだろうか。と思っているとおもむろに誰かから話しかけられる。
「本当に貴族言語訳せるんだ。すごいね、えー、と名前は……」
「シュン」
「そう、シュンくん。ごめんな」
話しかけてきたのは僕の隣の席で本を読んでいた子である。まさか話しかけられるとは思っていなかったが、おそらくさっきの先輩に迷惑していたのだろう。
まあ、さっきの先輩さまさまかもしれないな、先輩には申し訳ないことをしたような気しかしないが。
「けど、みんなわからなかったのにあんなに簡単に訳しちゃうなんて、言語学マスターですよ」
言語学マスター?なんだろうか、と思っていたがそういえば彼が読んでた本が確かタイトルがそんな感じの名前だった気がする。
まあ、カタカナ語だったので詳しく見ていなかったが。
それでも彼が少し打ち解けたような気がして嬉しかった。
古谷書店もとい、フルヤさんとユナの家からは路地を抜けて大通りに出て少し歩くとたどり着く。
まぁ、学校もだいぶ広いので言語学科の校舎につくまでも結構距離があるのだが。
昨日のように魔法学科の人にぶつかられることはなかった。そうそう毎日あっても困るのだが。念のため少し周りを警戒しながら歩いたため、結構な情報が得られた。
ネクタイの色だが、言語学科の緑、魔法学科の紫、歴史学科の黄色、商業学科の青、数学学科の水色、魔法科学学科の赤、例外として生徒会の役員は白でそれぞれの学科の色の線が入っているよう。
生徒会役員の白は結構な距離を歩いて様々な人がいたがそれでも一人しか見なかった。ちなみに入っている線は青色なので商業学科の生徒みたいだ。
さて、と。校舎に入って教室に入ると相変わらずの静かさだった。が、黒板には感じでこう書かれていた。
「焼肉定食」
先生の字からすると若干チョークの扱いに慣れていないような書き方だったのでおそらく生徒が書いたものだろう。
それにしても黒板に焼肉定食って書かれて戸惑っていると誰かが話しかけてくる。
「新入生くん、この字をなんて読むか分かるかい?」
僕への挑戦状か!?いや、おそらくこうやって新入生にちょっかいを出す先輩だろうから片っ端から質問しているだけだろうけど。
まあいいや、僕はおもむろにチョークをとると「ヤキニクテイショク」とルビを振ってついでに横に680円と値段まで書いておく。
まさかこの学校で一番最初に訳す言葉が焼肉定食なんて誰が想像できるだろうか。
「うわ、君すごいね」
先輩のメンツをへし折ったような気がする。声がすっごく残念そうだ。焼肉定食を訳されただけでへし折れるメンツもあるものだなとか考えていると、いきなり女性が入ってきた。
制服着ているし緑のリボンだしまあこの学校の言語学科の人なんだろうけど、その人がさっきの先輩の腕を強引に引っ張って扉の前まで来る。
「うちのクラスのバカがお騒がせしました」
そう言って廊下へ出ていった。一体全体なんだったんだろうか。と思っているとおもむろに誰かから話しかけられる。
「本当に貴族言語訳せるんだ。すごいね、えー、と名前は……」
「シュン」
「そう、シュンくん。ごめんな」
話しかけてきたのは僕の隣の席で本を読んでいた子である。まさか話しかけられるとは思っていなかったが、おそらくさっきの先輩に迷惑していたのだろう。
まあ、さっきの先輩さまさまかもしれないな、先輩には申し訳ないことをしたような気しかしないが。
「けど、みんなわからなかったのにあんなに簡単に訳しちゃうなんて、言語学マスターですよ」
言語学マスター?なんだろうか、と思っていたがそういえば彼が読んでた本が確かタイトルがそんな感じの名前だった気がする。
まあ、カタカナ語だったので詳しく見ていなかったが。
それでも彼が少し打ち解けたような気がして嬉しかった。
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