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75話 言語の謎
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隠し事はセイさんにはなるべくしたくない。
しかし、自分は異世界転生してきただの、転生する前には妹もいたなどというややこしいことを言っても仕方がない。
関係がないとは言い切れないが「この世界では」証拠はない。
「そういえば、セイさんは無属性魔法って知ってます?」
「上流貴族が使うようなやつか?よくはしらないが父が研究していたことはある」
「やっぱりこれって、それなりの研究機関に渡したほうがいいんですかね?」
そう言って僕が出したのは「無属性魔法大全」だ。
兄から無属性魔法は使うなと言われたが、それならこれはきちんと研究者の手へと預けたい。
「また物凄いもの持ってきたなぁ……」
セイさんはそう言うが、ずっと持ち歩いていたためその感覚はだいぶ薄れていた。
あと、もう一つ。
「セイさんは貴族言語読めるんですか?」
「いや、簡単なものなら読めなくはないがここまで貴族言語だらけだと読めない。ただ、魔法陣は無属性魔法のだろうなって」
表紙にはタイトルと魔法陣が載っている。
ちなみにこの魔方陣は「Effect」魔法の魔法陣だったりする。
「魔法学士の方ならば、おそらく研究していただけるのではないでしょうか?」
セイさんは許諾してくれると思ったのだが悩んでしまっている。
そして、こうきりだしてきた。
「無属性魔法は、かなり腕が立つ魔法学士の中でも相当苦戦する研究だと聞いたことがあるんだ」
理由としては、主に三つ。
一つ目は、属性魔法と発動条件が違うから。
二つ目は、文字が難解で重要資料が少ないから。
三つ目は、
「時間というものを魔力に変換しなければならないからだ」
属性魔法は存在が容易に分かるものを変換に使うためメジャーな魔法なのだという。
しかし、時間というのは存在が分かりづらい。
しかも場合によっては危険なこともあるというのだ。
「魔力量の上限以下の魔法が使えないと言っているが、魔法を使って一時的に上限を上げた研究者もいる。ただ、その研究者はその後目の焦点は合わないし喋ることも出来ない、意思のない人間になってしまった」
えげつない。
当然のことながら、上限を超えない分にはそんな出来事は起こらないという。
そんな魔法を上流貴族や自分が使っていたと考えると身震いがした。
「そういえば、シュンの魔法の殻がだいぶ崩れていっているような気がするんだ」
シュン自身にはあまり気が付かないが、トリオスが言っていたのと同じくセイさんも僕の魔法に変化を感じている。
そんな恐怖がいきなり、シュンには襲いかかってきたのだ。
ーーーーーーーーーー
僕を開放するのがそんなに怖いのか?
僕を閉じ込めた僕はまるで我が身のように怯えていた。
完全に記憶を取り戻したわけではないが、一つ一つの記憶が戻ってくるのを実感していた。
しかし、何かがおかしい。
封じ込めるのは容易だということに僕は、気がついてしまっていたからだ。
誰かに、僕を封じ込めたのが僕だと思わされているのではないかと。
第三者の介入があったのではないかと。
しかし、自分は異世界転生してきただの、転生する前には妹もいたなどというややこしいことを言っても仕方がない。
関係がないとは言い切れないが「この世界では」証拠はない。
「そういえば、セイさんは無属性魔法って知ってます?」
「上流貴族が使うようなやつか?よくはしらないが父が研究していたことはある」
「やっぱりこれって、それなりの研究機関に渡したほうがいいんですかね?」
そう言って僕が出したのは「無属性魔法大全」だ。
兄から無属性魔法は使うなと言われたが、それならこれはきちんと研究者の手へと預けたい。
「また物凄いもの持ってきたなぁ……」
セイさんはそう言うが、ずっと持ち歩いていたためその感覚はだいぶ薄れていた。
あと、もう一つ。
「セイさんは貴族言語読めるんですか?」
「いや、簡単なものなら読めなくはないがここまで貴族言語だらけだと読めない。ただ、魔法陣は無属性魔法のだろうなって」
表紙にはタイトルと魔法陣が載っている。
ちなみにこの魔方陣は「Effect」魔法の魔法陣だったりする。
「魔法学士の方ならば、おそらく研究していただけるのではないでしょうか?」
セイさんは許諾してくれると思ったのだが悩んでしまっている。
そして、こうきりだしてきた。
「無属性魔法は、かなり腕が立つ魔法学士の中でも相当苦戦する研究だと聞いたことがあるんだ」
理由としては、主に三つ。
一つ目は、属性魔法と発動条件が違うから。
二つ目は、文字が難解で重要資料が少ないから。
三つ目は、
「時間というものを魔力に変換しなければならないからだ」
属性魔法は存在が容易に分かるものを変換に使うためメジャーな魔法なのだという。
しかし、時間というのは存在が分かりづらい。
しかも場合によっては危険なこともあるというのだ。
「魔力量の上限以下の魔法が使えないと言っているが、魔法を使って一時的に上限を上げた研究者もいる。ただ、その研究者はその後目の焦点は合わないし喋ることも出来ない、意思のない人間になってしまった」
えげつない。
当然のことながら、上限を超えない分にはそんな出来事は起こらないという。
そんな魔法を上流貴族や自分が使っていたと考えると身震いがした。
「そういえば、シュンの魔法の殻がだいぶ崩れていっているような気がするんだ」
シュン自身にはあまり気が付かないが、トリオスが言っていたのと同じくセイさんも僕の魔法に変化を感じている。
そんな恐怖がいきなり、シュンには襲いかかってきたのだ。
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僕を開放するのがそんなに怖いのか?
僕を閉じ込めた僕はまるで我が身のように怯えていた。
完全に記憶を取り戻したわけではないが、一つ一つの記憶が戻ってくるのを実感していた。
しかし、何かがおかしい。
封じ込めるのは容易だということに僕は、気がついてしまっていたからだ。
誰かに、僕を封じ込めたのが僕だと思わされているのではないかと。
第三者の介入があったのではないかと。
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