崩壊した世界を共に

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クリスタルシティ

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「わ~~!」

クルス「すごいな・・・」

中に入ると光が町中に輝いていて外とは大違いだった
「クリスタルシティ」と言われているだけのことはある

ネピー「こっちよ!」

僕たちはネピーさんについて行った
そして・・・

市長「ネピー!!どこに行っていたんだ!!心配したんだぞ!!」

ネピー「もう!お父さんは心配性だな~」

市長「一人娘なんだ、心配ぐらいするさ!で?そちらの方たちは?」

ネピー「あ!私の命の恩人のクルスさんとハルトさんよ!」

市長「これはこれは!娘がお世話になったみたいですね!それにしても・・・」

と、僕を見てきた

市長「人間を初めて見たよ!」

ネピー「実はそのことで少し・・・」

市長「ほう・・・皆、下がりなさい」

警備「はい!」

警備の人たちは市長室を出て行った

市長「では、聞こうか?」

ネピーさんとクルスさんは市長に説明をした

市長「・・・なるほど。事情は分かりました。それにしても・・・300年前から・・・」

ネピー「私も驚いたけど、人間・・・ごめんなさい・・・ハルトさんが目の前にいるんだから信じるしかないでしょう?」

市長「そうだな。私も信じよう。何より、娘の命の恩人だ!感謝こそするが疑ったりなんてしない!」

クルス「ありがとうございます!」

「ありがとうございます」

市長「では、私は市長としてお二人を歓迎しよう!好きなように滞在してくれて構わないよ!」

クルス「助かります」

市長「うむ!ところで・・・戦前と言うことは・・・メダルを持っていないってことかな?」

「???」

クルス「???」

メダル?
何だろうそれ?

クルス「あの・・・メダルとは?」

市長「メダルって言うのは今のこの世界の「お金」だよ!戦前のお金は今では紙切れ同然だからね!」

クルス「じゃあ、これも使えないのでしょうか?」

そういうとカードを見せた

市長「これは・・・?」

クルス「クレジットカードです」

市長「これが!?」

ネピー「見せて見せて!」

二人はカードを受け取ると珍しそうに見ている

「そんなに珍しいんでしょうか?」

クルス「まぁ・・・そうみたいだな」

市長「いや~なかなか興味深い物を見せてもらった!」

ネピー「本当!すごい!初めて見た!」

クルス「そ、そうですか・・・それより・・・どうしたものか・・・」

「・・・」

お金がない
欲しい物も買えないということだ

市長「メダルは持っていないのかい?」

クルス「はい・・・」

市長「・・・では、こうしよう!」

そういうと市長は棚から袋を持ってきた

市長「ここに1000メダルがある。これを君たちに与えよう!」

クルス「え!?いいんですか!?」

市長「ああ!娘を助けてくれた謝礼ってことで受け取ってくれ!」

クルス「・・・」

「・・・」

僕たちは考えた
簡単に受け取っていいのか・・・

市長「どちらにしても謝礼は払うつもりだった。だから遠慮なく受け取ってくれると助かる」

クルス「・・・ありがたくいただきます」

そういうとクルスさんは袋を受け取った
中を確認すると、メダルがたくさん入っていた

クルス「これは一枚いくらなんですか?」

市長「ん?一枚は一枚だよ?」

クルス「なるほど。このメダルでならどんなものでも買えるんですか?」

市長「ああ!今の世界ではこれだけが通貨の役割を果たしてるからね!」

クルス「では、稼ぐ方法は?」

市長「お?仕事に興味があるのかい?」

クルス「生きるためには必要ですから」

市長「確かにそうだね!・・・依頼なら町の掲示板に貼ってあることもあるよ?」

クルス「あとで確かめてみよう」

市長「あとは・・・そうだね・・・何かを売るって言うのはどうだろうか?」

クルス「なにか?」

市長「ああ!この町では常に食料なんかを求めている。もちろん、ここでも畑なんかを作って作物を育ててはいるが・・・足りないのが現実だ・・・」

そういい市長は腕を組んで悩んでいるみたいだ

市長「外から来る行商人とも取引はするが・・・年々値段は上がっていく一方だ・・・」

クルス「それは・・・困りますね・・・」

市長「ああ・・・もちろん彼らにも生活がある。危険な道をここまで届けてくれているのだ。もちろんその分のメダルは払うが・・・それでも・・・」

クルス「・・・」

ネピー「・・・」

「・・・」

僕たちは何も話さなくなった

市長「いかんいかん!君たちに言っても仕方ない事だったね!あとは・・・」

ネピー「もし危険な仕事でも構わないなら資源集めの仕事も募集してますよ?」

市長「バカ!!そんな危険な仕事誰がやるというんだ!」

ネピー「だから掲示板に貼ってあるじゃない!」

市長「それで誰かがやってくれたことなんてあったか?」

ネピー「それは・・・」

クルス「そんなに危険なのか?」

市長「危険なんてもんじゃない!最悪の場合、死んでしまう!」

クルス「もしかして、さっきネピーさんがやっていた事か?」

ネピー「ええ・・・誰もやってくれないし・・・だからと言って放置しておくと・・・」

クルス「放置しておくと?」

ネピー「・・・電気が止まってしまうかもしれないし・・・」

クルス「そんなことが起こるのか?」

市長「お恥ずかしい話・・・発電機の部品がいくつか足りなくてね」

クルス「ここら辺にはないのか?」

市長「クリスタルシティに周りはもう探し回った。だが、もうないのだ・・・」

クルス「・・・ハルト。ちょっといいか?」

「え?はい」

僕はクルスさんに呼ばれて耳を貸した
クルスさんは小さな声で

クルス「工場の部品を少しもらえないか?」

「え?」

クルス「部品があればいいってことだし・・・もしダメならいいんだ」

「・・・」

工場にはたくさん部品がある
だから、少しくらいなら問題はないだろう

「構いませんよ」

クルス「いいのか?」

「はい」

クルス「助かるよ!」

そういいクルスさんは市長たちの元に向かった

クルス「必要な部品を教えてくれ」

市長「!?」

ネピー「!?」

市長「とってきてくれるのか!?」

クルス「ああ。あるかどうかはわからないがな」

ネピー「助かります!!」

そういいメモをクルスさんに渡した

クルス「多いな・・・」

ネピー「一応、予備として置いておきたいから・・・」

クルス「まぁいい。じゃあ行ってくる」

そういうと僕達は門に向かった

クルス「ハルト。お前はお留守番だ」

「え・・・」

クルス「これだけの量だ。二輪に乗せて運ばないといけない」

「で、でも・・・」

クルス「お前は学校に行くんだろう?」

「そ、そうですが・・・」

クルス「なら行ってこい。俺は仕事をしてくる」

「・・・」

僕は俯いた
置いて行かれる・・・
嫌だよ・・・

「・・・」

クルス「・・・」

クルスさんは頭を撫でてきた

クルス「大丈夫だ!すぐ戻ってくる!」

「・・・わかりました」

クルス「いい子だ・・・じゃあ、ハルトを頼んだ」

ネピー「ええ!お気をつけて!」

クルスさんはバイクに乗って行ってしまった

「・・・」

僕はクルスさんの姿が見えなくなるまで見ていた

ネピー「さぁ、学校まで案内するね!」

「はい・・・

僕はネピーさんと一緒に学校に向かった・・・
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