クズ男と別れたら、ヤンデレ化して執着されました

ノルジャン

文字の大きさ
10 / 25

3-2

しおりを挟む
「拓斗くん、えっちしよ?」
「え……?」
 

 
 拓斗くんは私のことを見るようになってくれて、デートをしたり、手を繋いだり、キスだって頻繁にするようになった。
 
 ただセックスだけは「彩綾がしたいって言うまで我慢する」と言って彼からは手を出してこなかった。そんなの私としたくない言い訳に決まってる。えっちしてって言えば、いやおまえとはやっぱ無理、できないわってなって別れ話になるはず。

 同棲し始めてから今までそういう雰囲気になっても絶対に手を出してこなかったし、かといって溜まってムラムラしている様子もない。1人で抜いている様子だって微塵もない!

 多分他で処理してるんだと思う。他に女がいるんだ。一度浮気も目撃したことがあるし、当時もあの一度きりじゃなかったんだろう。私とのセックスはきっと気持ち良くなくて他の人にいったんだと思った。
 
 私にだって性欲はあるし、好きな人と身体を繋げられないのは辛い。それに、私は何故だか最近かなりエッチになってしまって、彼に手で少し触れられるだけで身体が反応してしまう。
 
 見つめられるだけでドキドキと胸が高鳴って、キスをするとその先を期待して身体の奥が熱くなってしまうのだ。このまま欲がたまって吐き出せないまま過ごしていくことなど想像したくない。彼氏と同棲までしているのに、なんて自分は寂しくて惨めな女なんだろう。

 好きな人にセックスに誘って断られてフラれるなんて相当大ダメージを喰らうけど、もう気にしていられない。もういっそのこと一思いにフラれてやる!と意気込んだ。思い立って一直線で止まれなくなった私は、もう迷わなかった。

 ただ誘うタイミングと場所にはものすごく悩んだ。一緒に住んでいるので、フラれた後気まずい空気のまま出て行くまで一緒に過ごさないと行けないからだ。

 家のソファで2人テレビを見ている時に誘ってみることにした。フラれた後のことを考えてホテルをあらかじめ予約してある。その後は引っ越し先が決まるまでホテルか漫喫にでも行けばいいや。


「だから、えっち……したいな」


 初めて彼に告白した時よりも心臓がバクバクと鼓動してバグっている。テレビの内容なんか最初から全く耳に入ってこなかった。

 最初の一言に驚きと戸惑いを隠せなかったみたいで、目をこれでもかってぐらい開いて口を半開きにして私を見つめる拓斗くん。

 そのまま固まっている彼に追い討ちをかけるようにもう一度誘う。

 私の心臓が持たないからもうこれ以上誘えない!早く断って、別れを切り出して欲しい……。

 そんな切実な思いも込めたら、潤んだ瞳で上目遣いになってしまった。

 そんな私をまたしばらく見つめて、我に返った彼はいきなり私を抱き上げたかと思ったら寝室へと直行した。

 
 
 

 
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

鳴宮鶉子
恋愛
辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。

石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。 すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。 なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

処理中です...