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「そんな様子なかった」
「彩綾が寝てる間にすませてたんだよ。夜な夜な1人で抜いてるなんてバレたくなかったんだ」
ちょっとは疑いの目が晴れてきたようだがまだ俺の言葉を信じきれないようだ。伺うようにこちらを見ている。
(もうこうなったらしょうがない。ムードのかけらもないが、こうさせたのはお前だからな)
「結婚しよう。彩綾、俺にはお前しかいない」
クローゼットの奥にしまって、ずっと前から準備していた指輪の入った箱を、跪いて彼女に開けて中を見せるように前に差し出した。
「うそ……」
彼女はぽかんとした顔をして唖然とした。
「嘘じゃないよ。本当はもっとロマンチックにしたかったけど……。プロポーズなんて……冗談でも指輪まで用意してしない」
もう俺には彩綾しかいない、いらない。
「返事はいつでもいいよ。俺、彩綾のためだったらいつまででも待てるから」
これは本当だ。彼女が俺の、俺だけのものになってくれるならいつまでだって待てる自信がある。
「ずっとキープしててもいいよ?指輪も俺のことも」
2番目でもいいなら付き合ってやるなんて言って彩綾を苦しめたから、同じくらい俺を苦しめてもいいんだよ。
「……そんなことしないよっ。ばかっ」
そうだよね。彩綾はそんなことできるような子じゃない。クズな俺とは違う。
「じゃあ、受け取ってくれる?」
震える手で無言で箱を受け取ってくれた。彼女の瞳が涙ぐんでいて可愛かった。
「彩綾、……返事は?」
「…………はいっ…………!」
「やっと俺のものだ。俺だけの彩綾」
彼女に触れるだけの優しいキスをした。物足りないキス。両手は彼女の顔に触れたまま、ゆっくりと離れると期待したような顔で俺を見つめる薄茶色の目があった。
近くでよく見るとわかるんだけど、彼女の目は赤みがかっていて暖かい茶色なんだ。その茶色の目には俺に対する欲望が見てとれた。
「……拓斗くん、その、……する?」
もう我慢できないんだろうな。
「……本当にいいの?無理してない?」
「してない」
本当はもう俺を欲しがっているのを知ってる。
だって俺がそうしたから。彩綾の身体は知り尽くしてる。
唇を食んでやるだけで彼女は面白いくらいにびくびくと反応し、股を擦り合わせる。脚を閉じないように股の間を割り開いた。すると、溢れ出る甘い蜜が彼女の間から溢れ出ていた。
彼女の中に指を入れる時に、彼女は久しぶりだから痛いだろうと思ったのか眉根を寄せてぎゅっと目を瞑っていた。
「いやぁ……、なんでっ、んん……ぁ、あっ」
「すっごいとろとろのぐちゃぐちゃだよ」
だが蕩けたそこは簡単に俺の指を奥まで受け入れる。気持ちいい所を狙って指を揺すってやると、予想以上の快感が彼女を襲ったのか、驚愕の顔をして目を見開いて、声を上げる。
「ふ、ぅあ……? なん、んひ…っ! ……や♡、あぁッ」
「元カレとするときもこんなに感じて濡れてたの?」
さっと彼女の顔が曇る。嘘をつくのに慣れていない彼女。彼氏がいるなんて俺に嘘をつくからだ。馬鹿正直者の彼女。
「ちがっ………そんなこと、ない……」
こうやって心の奥深くにじくじくと罪悪感を植え付けてやる。俺だけの事を考えていればいい。罪の意識で歪むその顔をさせているのが自分だとわかると胸が高鳴って変な音を立てているのを感じる。
「ごめん、嫉妬して馬鹿なこと言った」
思ってもない謝罪を述べる。啄むようなキスで何度も彼女に謝ると、彼女は素直に俺の唇を受け入れた。
罪の意識も、痛みでさえも、自分だけが彼女に与えるただ1人の存在であればいい。
「じゃあ俺だから?こんなにここがとろけちゃうほど俺のこと好きなの?」
「……すきっ、大好き」
こんなにすぐ素直に言ってくれると思わなかったから、ぐうっと心臓を鷲掴みにされた。彼女からの好きの威力、半端ない。狂おしいくらいに好きだ。愛してるって言葉じゃ俺の彩綾への愛を表現しきれない。
結婚前提に付き合っていたという元カレがいないことは興信所に調べさせてもうわかっている。
彼氏がいると聞いた時は、絶望して真っ黒な底のない暗闇の中に堕ちてしまったかのように感じた。彼女とまた付き合えることになって精神状態が落ち着いた頃、そいつを調べ上げて殺してやろうかと思った。
まぁ、本当に殺して警察に追われる身になってしまうと面倒なので、社会的に抹殺してやろうと考えていたのだが。
相手がいないとわかった時の安堵感は計り知れなかった。聞いた瞬間身体を蝕んでいた嗜虐心は少しだけおさまった。
「彩綾が寝てる間にすませてたんだよ。夜な夜な1人で抜いてるなんてバレたくなかったんだ」
ちょっとは疑いの目が晴れてきたようだがまだ俺の言葉を信じきれないようだ。伺うようにこちらを見ている。
(もうこうなったらしょうがない。ムードのかけらもないが、こうさせたのはお前だからな)
「結婚しよう。彩綾、俺にはお前しかいない」
クローゼットの奥にしまって、ずっと前から準備していた指輪の入った箱を、跪いて彼女に開けて中を見せるように前に差し出した。
「うそ……」
彼女はぽかんとした顔をして唖然とした。
「嘘じゃないよ。本当はもっとロマンチックにしたかったけど……。プロポーズなんて……冗談でも指輪まで用意してしない」
もう俺には彩綾しかいない、いらない。
「返事はいつでもいいよ。俺、彩綾のためだったらいつまででも待てるから」
これは本当だ。彼女が俺の、俺だけのものになってくれるならいつまでだって待てる自信がある。
「ずっとキープしててもいいよ?指輪も俺のことも」
2番目でもいいなら付き合ってやるなんて言って彩綾を苦しめたから、同じくらい俺を苦しめてもいいんだよ。
「……そんなことしないよっ。ばかっ」
そうだよね。彩綾はそんなことできるような子じゃない。クズな俺とは違う。
「じゃあ、受け取ってくれる?」
震える手で無言で箱を受け取ってくれた。彼女の瞳が涙ぐんでいて可愛かった。
「彩綾、……返事は?」
「…………はいっ…………!」
「やっと俺のものだ。俺だけの彩綾」
彼女に触れるだけの優しいキスをした。物足りないキス。両手は彼女の顔に触れたまま、ゆっくりと離れると期待したような顔で俺を見つめる薄茶色の目があった。
近くでよく見るとわかるんだけど、彼女の目は赤みがかっていて暖かい茶色なんだ。その茶色の目には俺に対する欲望が見てとれた。
「……拓斗くん、その、……する?」
もう我慢できないんだろうな。
「……本当にいいの?無理してない?」
「してない」
本当はもう俺を欲しがっているのを知ってる。
だって俺がそうしたから。彩綾の身体は知り尽くしてる。
唇を食んでやるだけで彼女は面白いくらいにびくびくと反応し、股を擦り合わせる。脚を閉じないように股の間を割り開いた。すると、溢れ出る甘い蜜が彼女の間から溢れ出ていた。
彼女の中に指を入れる時に、彼女は久しぶりだから痛いだろうと思ったのか眉根を寄せてぎゅっと目を瞑っていた。
「いやぁ……、なんでっ、んん……ぁ、あっ」
「すっごいとろとろのぐちゃぐちゃだよ」
だが蕩けたそこは簡単に俺の指を奥まで受け入れる。気持ちいい所を狙って指を揺すってやると、予想以上の快感が彼女を襲ったのか、驚愕の顔をして目を見開いて、声を上げる。
「ふ、ぅあ……? なん、んひ…っ! ……や♡、あぁッ」
「元カレとするときもこんなに感じて濡れてたの?」
さっと彼女の顔が曇る。嘘をつくのに慣れていない彼女。彼氏がいるなんて俺に嘘をつくからだ。馬鹿正直者の彼女。
「ちがっ………そんなこと、ない……」
こうやって心の奥深くにじくじくと罪悪感を植え付けてやる。俺だけの事を考えていればいい。罪の意識で歪むその顔をさせているのが自分だとわかると胸が高鳴って変な音を立てているのを感じる。
「ごめん、嫉妬して馬鹿なこと言った」
思ってもない謝罪を述べる。啄むようなキスで何度も彼女に謝ると、彼女は素直に俺の唇を受け入れた。
罪の意識も、痛みでさえも、自分だけが彼女に与えるただ1人の存在であればいい。
「じゃあ俺だから?こんなにここがとろけちゃうほど俺のこと好きなの?」
「……すきっ、大好き」
こんなにすぐ素直に言ってくれると思わなかったから、ぐうっと心臓を鷲掴みにされた。彼女からの好きの威力、半端ない。狂おしいくらいに好きだ。愛してるって言葉じゃ俺の彩綾への愛を表現しきれない。
結婚前提に付き合っていたという元カレがいないことは興信所に調べさせてもうわかっている。
彼氏がいると聞いた時は、絶望して真っ黒な底のない暗闇の中に堕ちてしまったかのように感じた。彼女とまた付き合えることになって精神状態が落ち着いた頃、そいつを調べ上げて殺してやろうかと思った。
まぁ、本当に殺して警察に追われる身になってしまうと面倒なので、社会的に抹殺してやろうと考えていたのだが。
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