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第2話、婚約破棄と旅路
しおりを挟む私はオルコット公爵家の長女のオリビアと申します。
このたび王命で8歳の時に婚約したブレント王太子から婚約破棄をされ、前国王の年の離れた弟でシェバ辺境伯領地の領主、アルバート・グレナダ辺境伯に嫁ぐよう命令されました。
婚約破棄の理由は私がブレント王太子に無礼な事をし、母親違いの妹のキャシーを虐めて殺そうとしたと言われましたが、全く身に覚えのない冤罪なのです。
本当の理由は私は身長が175cmで、ブレント王太子は160cmで身長が自分より高いので可愛げがなく見下されると感じ、妹のキャシーは155cmで顔も可愛いのでブレント王太子はそんなキャシーを好きになり邪魔な私と婚約破棄したのです。
本当の父親ロドリゲスと継母カミラも私を嫌いでアルバート辺境伯は醜男と噂があるので喜んでいる。
シェバ辺境伯領地までは馬車で3日程かかるのに馬車を用意してくれないので一緒に行く侍女のエレンが憤慨して。
「全く、あの人でなしは馬車も用意してくれないとは、盗賊が出るかも知れないのにお嬢様を歩いて行かす気なのね」
「こうなるのは分かっていたわ。貸馬車と護衛にギルドで冒険者を雇いましょう」
屋敷の門を出ると大きな馬車と馬を従えた騎士5人が待っていて1人の騎士が私に。
「オリビア様ですね。お待ちしておりました。私はバスクと申します。クロード辺境伯様に言われてお迎えにきました」
まさかクロード辺境伯様が迎えの馬車を出してくれるとは思わずビックリして馬車に乗ったのです。
護衛の騎士たちは馬に乗り、馬車が出発すると、エレンが。
「クロード辺境伯様が急な事なのに迎えの馬車を寄こすとは思いませんでした」
「私もビックリしたわ。クロード辺境伯様は優しい人かも知れないわね」
「そうかも知れませんね。でも醜男と噂があるので心配です」
「まさか目が三つもあるわけでないし、少しくらい顔が悪くても性格が悪いブレント王太子よりは良いわ。それにエレンが一緒なので心強いわ」
私は1人だったら心細くて先の事を考えると泣きそうになりましたが、エレンが一緒に付いて来て本当に良かったと思い感謝したのです。
旅の途中は護衛の騎士たちは礼儀正しく親切なのは主人のアルバート・グレナダ辺境伯様が立派な方だからだと思い、どんな方かしらと想像しているとエレンが。
「お嬢様、何をニヤニヤしているのですか」
「何でもないわ。ブレント王太子と婚約破棄されて喜んでいたわ」
「本当にようございましたね。でも、アルバート・グレナダ辺境伯様がどんな方なのか私は心配です」
「心配しないで。いざと言う時は空間魔法で逃げて知らない土地でエレンとのんびり暮らすわ」
そんな話をしていると小さな町に着きバスクさんが。
「今晩はこの街の宿に泊まりますので馬車から降りて下さい」
宿は小さな宿でどうやら貸し切っていたみたいで他のお客様はいなく、食事が終わると空間バックに何が入っているか全部出してみると。
オルコット公爵家に代々伝わる家系図、大事な時に使う印判、指輪宝石、お金が白金貨20枚、2億ドニに手紙が入っていました。
お金が一生遊んで暮らせる2億ドニも入っていたのには腰が抜ける程おどろきました。
何故なら夫婦と子供2人の標準家庭で1カ月10万ドニがあれば暮らしていけるのですから驚くのも当然です。
この世界には紙幣は無く硬貨だけで、硬貨は。 1ドニ、小銅貨10ドニ、大銅貨100ドニ、小銀貨1,000ドニ、大銀貨1万ドニ、小金貨10万ドニ、大金貨100万ドニ、白金貨1,000万ドニです。
手紙はセシリア母さまが急いで書いたのか短く、字も乱れていて(この手紙を読んでいると言う事は、私は亡くなっているのでしょう。祖父母と同じく私は毒殺されたかもしれません。もしもの時はグレース王太后様を頼りなさい。オリビアの幸福を願っています。
オリビアを愛するセシリアより)
私は手紙を読んで涙が溢れて止まりませんでした。
エレンも手紙を読んで。
「私も亡くなる前日まで元気だったので不審に思っていましたが、毒を飲まされたのですね、犯人はロドリゲスに違いありません」
私もそう思いましたがあれから6年も過ぎて悔しいが証拠がないのでどうする事も出来ないのです。
その晩は悔しくて眠れず泣いていると、エレンが優しく私を抱き締めてくれて私は泣き疲れてそのままエレンの胸で眠りに付いたのです。
朝起きて鏡を見ると、顔は目が腫れてタオルで冷やして少しは腫れが引いて見られるようになって馬車に乗りました。
その日は快晴で気持ちを切り替えて馬車の窓から初めて見る景色を楽しみ、途中の雄大な滝を見ながらお昼の弁当を食べているとバスクさんが。
「疲れたでしょう。明日にはシェバ辺境伯領地に着きます」
「シェバ辺境伯領地はどんな所なのですか? 」
「何と言うか、大きな河が流れているので街自体が高台にあり要塞の街です」
「そうなのですか。私が想像していた街と違うみたいですね」
「ハッハッハー! そうですか。着いたら普通の街と違うので驚かないでください」
そう言えばシェバ辺境伯領地はサブリ帝国が侵略に備えて作った街なので防衛の最前線で街の作りも違うみたいと聞いている。
滝には飛沫で虹がでて綺麗で見とれていたが、食事の弁当を食べ終わると出発した。
盗賊やモンスターが出ると聞いていたが幸い出ずに、その日は野営で私とエレンは馬車の中で騎士たちはテントで交代で見張り、寝ていたのです。
夜中に剣戟の音で目を覚まし、馬車の窓から見ると覆面をした10人くらいの何者かが襲って来て護衛の騎士たちと戦っている。
護衛の騎士たちは強く倍の敵を相手に優勢に戦っていたが、敵の2人が剣を手に持ち、私たちの馬車に近付いて来たので私は土魔法で岩石を飛ばし敵を倒した。
敵を全滅させたバスクさんが急いで来て。
「大丈夫ですか? 」
「はい。大丈夫です。皆さんも怪我などしなかったですか」
「皆、無事です。いやー! それにしても驚きました。オリビア様は土魔法を攻撃にも使えるのですね」
この世界では土魔法は農業や戦いの時に陣地を作りに使い攻撃には使えないと思われている。
私は前世のラノベ小説やアニメが好きでその知識で魔法の使い方を覚えたので土魔法は建築、土木、農業、戦いにも使えるのを知っていたのです。
学園では魔法科に入ろうとしたのですが、父親のロドリゲスが禁止して淑女科に入れられたので屋敷の裏の森で密かに色んな魔法の練習をしていたのが役に立って良かった。
夜が明けて賊を調べていたバスクさんが。
「こいつらは盗賊ではないみたいだな。誰かに雇われた暗殺者だと思われる」
私が。
「どうしてそう思うのですか? 」
「盗賊なら覆面などしないだろう。それに1人の服の裏に貴族の紋がある」
私が見て見ると、その紋はオルコット公爵家の紋で驚いて。
「この紋はオルコット公爵家の紋です」
「何だとー! 本当か。全く自分の娘を殺そうとしたのか」
父親のロドリゲスは私が死ねばオルコット公爵家を自由に出来、祖父母と母上を毒殺したのを知られないので殺そうとしたのかもしれない。
だが、死人に口なしで証拠がないのでどうしょうもないのです。
私はこの時ほど権力が欲しいと思った事はないのです。
アルバート・グレナダ辺境伯様が迎えの騎士を寄こさなかったら私は殺されていたかも知れないと思い、まだ見ぬアルバート辺境伯様に感謝したのです。
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