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第4話 公爵家の令嬢のセリーヌ
しおりを挟む1日目は弱いモンスターが出たが何事もなく過ぎて途中、村もなく土魔法で小屋を作り眠りに付いた。
2日目は太陽の光で目を覚ますとブラックが草を食べていたので空間リックからリンゴを出してあげると美味しそうに食べて、食べ終わると、もっとくれとばかりに顔をスリスリして来るので2個上げると喜んでいるのか。
「ブヒーン、ヒヒーン」と言いながら俺の顔を舐めている。
俺も用意して来た弁当を食べてから出発した。
今日も快晴でのんびりとブラックを走らせていると、遠くに村が見えて来たが、村から煙が上がっている。
食事の用意の時間でもなく焚火にしては煙が多いのでブラックを走らせて村に近付くと、家が燃えていて盗賊と思われる男たちが20人くらいいた。
助ける義理もないが放っておく訳にもいかず村に入ると盗賊のボスと思われる筋肉隆々の髭面の男が俺を見。
「何だ! 旅人か。丁度良い。おい、有り金を置いて行け」
俺は物も言わずその男を切り捨てると、残った盗賊は剣を抜いて向かって来たので魔法で全員を凍らせた。
人間の樹氷が出来たので燃えている家を水魔法で火を消していると村人が寄って来て。
「どこのどなたか知りませんが助けて頂きありがとうございます」
そこに馬蹄を響かせて村に近付いてくる者がいるので盗賊の仲間かと思って用心していると、現れたのは馬に乗った女性2人で俺を見るなり。
「やっと追いついたわ。ルーファス様! 婚約者の私に何も言わないで出て行くとは酷いわ」
婚約者と言われて現れた2人を見ると、1人は紛れもない俺の婚約者のセリーヌ・エイベルで俺は思わず。
「何でこんな所にセリーヌがいるのだ」
「何を言っているのよ。ルーファス様を追いかけて来たのに決まっているでしょう。それより人間が凍っているわ」
俺は頭がこんがらがって何が何だかわからず、盗賊の問題を先に片付ける事にして。
「そいつらは盗賊で村を荒らしていたから凍らしておいた。この村の村長はいるか」
老人が進み出て。
「わしが村長です。この度は盗賊から助けて頂きありがとうございました。盗賊を凍らせて燃えている家を水で消すとは凄い魔法使いなのでビックリしたのじゃ」
「凍らせた盗賊は死んでいないので今のうちに縛っておいて見回りに来た警備隊に渡しなさい。俺は急ぐので後は頼む」
「何から何までありがとうございました。道中の無事を祈ります」
村を離れたのは村人に話を聞かれたくなかったので30分もすると休憩するに良い場所を見つけ。
「此処で休憩しながら話そう。最初に聞くが何で俺なんかを追いかけて来たのだ。俺は追放されて僻地それも陸地から離れた無人島に行くのだぞ。分かっているのか」
「承知の上よ。私を嫌いで逃げるつもりなら仕方がないけれどそうじゃないでしょう」
「セリーヌを嫌いで逃げるはずがない。だが、俺と一緒に来ても何も良い事はないぞ」
「良いか悪いか、それを決めるのは私でしょう」
「そうだが俺たちは恋愛ではなくどちらかと言えば政略で婚約させられて会ったのは婚約して5年なのに10回くらいでそれも2人ではなく監視付きでだ。セリーヌは俺を本気で好きになるはずがないと思うが違うか。それなのに追いかけて来たのは何故だ」
「ルーファス様は理論派ね。私は感覚派で最初に会った時から好きとか嫌いとか抜きでこの人と一生を共に生きていくと感じたのよ。そうね、言い換えると運命だと思ったわ。お父様がルーファス様を婚約者に選んだのはルーファス様の家庭教師が私の家庭教師であの先生は国で一番の学者でルーファス様の事を(あの方は子供なのにわしより知識が豊富でもしかしたら偉人の生まれ変わりかもしれん)そう言われて婚約する前にお父様がルーファス様に会い気に入り婚約を申し込んだみたいよ」
俺たちが婚約した経緯を知って、それから1時間程、帰るように説得したが女は口が立つので結局、言い負けて現地まで付いて来て嫌なら帰ると言い、オスロ領地に行くことになったのだ。
連れの女性はセリーヌの護衛を兼ねた専属侍女でどうしても付いて行くと言うので連れて来たらしい。
その女性が俺に。
「初めましてセリーヌ様の専属侍女の元A級冒険者のクロエと言います。よろしくお願いいたします」
元A級冒険者だと、それなら強いので護衛には持って来いなので子供の可愛いセリーヌの親が護衛に付けたのだろう。
親と言えばセリーヌの両親が許したのか気になり。
「セリーヌ、両親は俺に付いて行くのを許したのか? 」
「フッフフフ、お父様は最初は反対していたけど、ルーファス様と一緒なら面白い人生を送れるだろうから好きにしなさいと言ったわ」
セリーヌの父親は公爵で王国軍最高指揮官の将軍でアルベルト・エイベルと言うが、俺を王国軍に誘ったが、俺は断ったがしつこく何度も誘い呆れたが、人柄は誠実で良い人だった。
アルベルト将軍とは子供の時から知っていて俺とセリーヌの婚約を持ちかけたのもアルベルトと後で聞いているが俺のどこが気に入ったのだろう。
休憩と話が終わり、セリーヌも馬は俺の馬と反対の白馬でクロエの馬は栗毛で普通の馬より大きく長旅にも耐えれそうだ。
セリーヌと並んでゆっくり進みながら話していると。
「ルーファス様は魔力が0で魔法が使えないと言っていたのは何故ですか? 」
やっぱり盗賊を凍らせたところや家が燃えているのを消したところを見られたので一応。
「俺は魔法を使えないのは教会の司祭長が言ったので俺は嘘をついていないぜ」
「全く、白々しいわね。魔法で盗賊を凍らせたところや家が燃えているのを消したところを見られた癖に、言っておきますけれどルーファス様がどう思うと言おうと私はルーファス様から一生離れませんから本当の事を話してください」
フゥ~、セリーヌは見た目は絶世の美女で女らしいが内面は思ったより強情で男勝りで今まで女に本気で惚れた事のない俺は初めて女に惚れたみたいだ。
セリーヌならどんなことにも耐えられると思い全てを話す事にしてその晩、野営をするための小屋を作って夕食をクロエが用意している間、小屋の外で。
「セリーヌ話しを聞いてくれ、信じられないかも知れないが、俺は何百年も前に魔王を倒した勇者の生まれかわりで勇者の記憶と才能を引きついている。多分、今でもこの大陸を滅ぼせる力があるだろう。だから面倒な事に巻き込まれないように僻地でのんびりと暮らすつもりだ」
「やっぱりね。大陸を統一して全ての権力を握ろうとしないの? 」
「そんな面倒な事は2度としたくない。俺はのんびりと暮らしたいだけで、最も邪魔をする奴は許さないがな」
「やっぱり追いかけて来て正解だったわ。旦那様よろしくお願いします」
「俺 はまだ旦那様じゃないぜ」
「そんな細かいことを男は気にしなくて良いのに」
何だかんだ言いながら俺はセリーヌの掌で踊らされている感じがするのは勘違いだろうか。
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