幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

第五章〜外伝〜 カルデア学園の3年間 高等部編

第百二十七話 里帰りの手紙

～公爵邸～

優雅な昼下がり、仕事の合間を縫って寛ぐ
貴族だから優雅な暮らしが出来ると思っているがそれは大きな間違いである

王族とのコミュニケーションは必ず行い
粗相がない様に徹底して扱かれ
食べ方、持ち方、動き方、全てにおいて決まった動きがあり、寛ぐと言うのはほとんどできない

書類は毎日届き、領地の税金の使い方や
市民達の不平不満の対処、部下や執事メイド達の給料の手配や、治安維持
流通の便を良くして、疲れた姿やため息などは御法度だ

最早生き地獄と言われても過言ではないが
家族を守る為、仕方のない事だ
他の貴族は金の横領や自分達の為に至福を肥やしているが、そう言った奴らはいずれ全てを失う

そうならない為にも、心を鬼にして生活をしている

先祖代々受け継がれて来たこの爵位は遥か昔厄災の魔の手から国王を守って来たご先祖様がそのお礼として貰った特例中の特例の爵位だ

その為、国王に対して絶対的な忠誠を誓っており、この国のそして領地の民の為にこの身を捧げるつもりだ

そんな事を考えつつ、執事に頼んだ紅茶を
ゆっくりと飲む、この時間が1番の楽しみだ

最近は娘の事も心配になってくる
手紙も定期的に送っているが帰ってくる気配が一向にない、その間にもお見合いの話は来ていて、その件についても話したかったのだ

貴族同士の結婚は今後の一族の繁栄の為にも必要な事で、一人娘である彼女は婿養子として来てもらわなければならない

嫁として出してしまえば、こちらの跡継ぎがいなくなり我々公爵家は自分の代で終わってしまうからだ

別に養子でもいいが、出来るのならば自分達の血統で代を継いで欲しい

そうして、飲む干した紅茶に新しいのを淹れてもらおうと近くにいたメイドに頼むと

「旦那様」

「どうした？」

自分の父の代から支えている執事長が
話しかけて来た

「お手紙が届いております」

そう言って手紙を渡す…名前は

「娘のメイドから？」

娘は隣国の学園に入学している
この王国の学園でも良かったが、世界一を誇る学園がどの様な所なのかを学び
我が国の発展の為に行かせたのだ

もちろん護衛もつけた、大切な娘が他の人に
奪われてしまうのは嫌だからと言う理由もあるが、跡継ぎ問題もあるので邪魔な人間は
排除してもらう為だ

「なになに？」

そして読み進めていくうちに、プルプルと体が震え出し、気が付いたら手紙はくしゃくしゃになっていた

「だ…旦那様、如何なされましたか？」

「…娘が私の許可なく男を作りおった」

「男…」

つまり彼氏だ、そして手紙にはその男と結婚したいから挨拶のついでに帰ってくるとの事

「して、その男は何処の貴族ですかな？」

「ただの平民だ」

「へ？」

「学園で知り合った男だそうだ」

手紙の内容からして、婿養子になると言う事だが、平民がなるなんて言語道断だ
財産目当てで近づいたに違いない

「確か、あの学園は貴族も平民も関係なく育成している所ですから、そこで知り合ったのでしょう」

「成る程」

貴族だけ、平民だけとなると限界がある
しかし一緒に育成することにより
協調が生まれ、有能な平民を引き抜く事も出来る

故に世界一を誇る事が出来るのだろう
しかし、今回の件とは話が違う

「何処ぞの馬の骨と我が娘を結婚させるわけにはいかない」

「では」

「ああ、すぐに別れさせよう」

そしてお見合いをさせて、もっといい男を見つけてもらおう
そうすれば娘も納得するだろう

「執事よ」

「は、」

「後は頼んだぞ？」

「かしこまりました」

そう言って自分は仕事に戻る
娘に会う為にも数日分の仕事は終わらせておかなければならない

「…ミュウよ、我が愛しき娘よ、パパが目を覚まさせてやるからな」

独り言の様に空に向かって言い
ミュウをたぶらかした男に天誅を下そうと
そう思った

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エイト「へっくす！」

ミュウ「大丈夫？」

シルフィ「誰かが噂しているのでは？」

アリアン「いや、絶対にミュウの親だろ」