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第1章 学園編の物語
第36話 出発
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「それじゃあ、行って来ます」
「いってらっしゃいクロウちゃん」
「気をつけて行って来なさい」
母と父にそう言ってもらい、クロウは馬車に乗る、そしてその後にメイディも一緒に乗り、ドアを閉める。
運転手の人に合図をすると運転手は馬に鞭を打って出発させる。
「…ごめん、父さん、母さん」
「本当に親不孝者ですね」
ある程度離れて馬車の音である程度の声が遮られている時に両親に対して謝罪するとメイディはそんな事を言ってくる。
「仕方ないだろ?こうでもしないと世界は救えないんだから」
「クロウ様のその話が本当かどうかはさておき、一応は信じておきますよ」
「それで十分だ、覚悟していたのに俺はやっぱり1人は嫌らしい」
そう言って苦笑する、実はメイディには既に話である、自分が前世の記憶を持っている事は流石に話していないが『同じ夢をほぼ毎日見ていた』と嘘をついて、その夢を現実にする為に協力してほしいと頼んだのだ。
最初は「馬鹿らしい」と一蹴されると思っていたが、話した瞬間『貴方様の言葉を信じましょう』とすぐに信じてくれたのだ。
「大丈夫です、貴方の味方はたくさんいます、私を筆頭に他のメイド達も貴方のことを信じています」
「まさか本当に信じてくれるとは思わなかったけど…」
両親に話せば歴史は変わるし、学園での行動は出来なくなる、そうなったら面倒だ。
だからこそこの話は学園編に関与しても影響のないモブにもならない者達だけにしか話していない、
リーゼ、ラピナス、ユーナの3人は主要人物、ヒロインとして活躍する言わば被害者だ、彼女達は被害者でなければならない、クロウに失望し主人公に好意を抱くヒロインにならなければならない。
だからこそ彼女達には何も話していない、する必要性も価値もないからだ。
酷い言い方だが、世界を救う使命を持っている以上、自分と関わってはいけないのだ。
「私はクロウ様のメイドです、ご主人様の言葉を信じないで何を信じれば良いのでしょうか?」
「メイディ…」
「それに貴方様が私にこんな嘘をつく必要ありませんよね?と言う事は嘘ではないにしろ予言か予知夢に近いものだと思いますし、何より私を頼ってくださるのにそれを馬鹿にするなんてあり得ません」
まぁ、予言、予知夢と言う言い方もあながち間違いではない、天城剣介としても記憶があるだけなので、言い方を変えれば未来視が出来たと言う事になる。
そして未来とは無数の可能性が秘められている、たった一つの行動で世界は大きく変わる、
例えば悪役転生もので有名な主人公の手柄を取る転生者がいる、しかし天城剣介はそれをしなかった
ここで同じ様にした世界線と
今の世界線で2つに別れている。
「ありがとうメイディ、君が俺のメイドで本当に良かったよ」
「私も貴方様のメイドで本当によかったです」
ここでもお礼を言わなかった世界線が生まれた、たったに一つの行動で未来は大きく変わる、だからこそクロウは主人公達に魔王などの面倒臭い戦いを全てなすりつける為に、自ら悪役に徹するのだ。
「学園についたらまずは彼を見に行くぞ」
「え?会いに行くんですか?」
「ああ、もし俺の夢が本当なら奴は必ず来る」
「もし来なければ?」
「あの夢はただの夢で平和に暮らす事が出来る」
クロウはまだ何もしていない、つまりここでも分岐点が出てくるのだ。
主人公がいる世界といない世界でまた世界線が増える、だからこそクロウは確かめるのだ。
「顔は覚えているから大丈夫だ、顔を見たらすぐに戻る」
「かしこまりました」
学園編の最初はクロウとは出会っていない、つまり余計な事はせず、誰かヒロインと一緒にいる時に登場すれば良い。
「あ、クロウ様見えて来ましたよ」
「…ついにか」
もう後戻りは出来ない、やれる事は全てやった、あとはゲームのシナリオ通りに行動するのみだ。
——————————————————————
続く
「いってらっしゃいクロウちゃん」
「気をつけて行って来なさい」
母と父にそう言ってもらい、クロウは馬車に乗る、そしてその後にメイディも一緒に乗り、ドアを閉める。
運転手の人に合図をすると運転手は馬に鞭を打って出発させる。
「…ごめん、父さん、母さん」
「本当に親不孝者ですね」
ある程度離れて馬車の音である程度の声が遮られている時に両親に対して謝罪するとメイディはそんな事を言ってくる。
「仕方ないだろ?こうでもしないと世界は救えないんだから」
「クロウ様のその話が本当かどうかはさておき、一応は信じておきますよ」
「それで十分だ、覚悟していたのに俺はやっぱり1人は嫌らしい」
そう言って苦笑する、実はメイディには既に話である、自分が前世の記憶を持っている事は流石に話していないが『同じ夢をほぼ毎日見ていた』と嘘をついて、その夢を現実にする為に協力してほしいと頼んだのだ。
最初は「馬鹿らしい」と一蹴されると思っていたが、話した瞬間『貴方様の言葉を信じましょう』とすぐに信じてくれたのだ。
「大丈夫です、貴方の味方はたくさんいます、私を筆頭に他のメイド達も貴方のことを信じています」
「まさか本当に信じてくれるとは思わなかったけど…」
両親に話せば歴史は変わるし、学園での行動は出来なくなる、そうなったら面倒だ。
だからこそこの話は学園編に関与しても影響のないモブにもならない者達だけにしか話していない、
リーゼ、ラピナス、ユーナの3人は主要人物、ヒロインとして活躍する言わば被害者だ、彼女達は被害者でなければならない、クロウに失望し主人公に好意を抱くヒロインにならなければならない。
だからこそ彼女達には何も話していない、する必要性も価値もないからだ。
酷い言い方だが、世界を救う使命を持っている以上、自分と関わってはいけないのだ。
「私はクロウ様のメイドです、ご主人様の言葉を信じないで何を信じれば良いのでしょうか?」
「メイディ…」
「それに貴方様が私にこんな嘘をつく必要ありませんよね?と言う事は嘘ではないにしろ予言か予知夢に近いものだと思いますし、何より私を頼ってくださるのにそれを馬鹿にするなんてあり得ません」
まぁ、予言、予知夢と言う言い方もあながち間違いではない、天城剣介としても記憶があるだけなので、言い方を変えれば未来視が出来たと言う事になる。
そして未来とは無数の可能性が秘められている、たった一つの行動で世界は大きく変わる、
例えば悪役転生もので有名な主人公の手柄を取る転生者がいる、しかし天城剣介はそれをしなかった
ここで同じ様にした世界線と
今の世界線で2つに別れている。
「ありがとうメイディ、君が俺のメイドで本当に良かったよ」
「私も貴方様のメイドで本当によかったです」
ここでもお礼を言わなかった世界線が生まれた、たったに一つの行動で未来は大きく変わる、だからこそクロウは主人公達に魔王などの面倒臭い戦いを全てなすりつける為に、自ら悪役に徹するのだ。
「学園についたらまずは彼を見に行くぞ」
「え?会いに行くんですか?」
「ああ、もし俺の夢が本当なら奴は必ず来る」
「もし来なければ?」
「あの夢はただの夢で平和に暮らす事が出来る」
クロウはまだ何もしていない、つまりここでも分岐点が出てくるのだ。
主人公がいる世界といない世界でまた世界線が増える、だからこそクロウは確かめるのだ。
「顔は覚えているから大丈夫だ、顔を見たらすぐに戻る」
「かしこまりました」
学園編の最初はクロウとは出会っていない、つまり余計な事はせず、誰かヒロインと一緒にいる時に登場すれば良い。
「あ、クロウ様見えて来ましたよ」
「…ついにか」
もう後戻りは出来ない、やれる事は全てやった、あとはゲームのシナリオ通りに行動するのみだ。
——————————————————————
続く
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