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第4章~魔王討伐~
第201話 簡易診療所にて
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簡易診療所
怪我をした者達がここに運ばれて治るまでここで治療する為に建てた簡易的な診療所、そこにリューク達勇者パーティは運ばれていた。
「…ここは?」
「気が付きましたか?」
「!?」
リュークは目を覚ますとミオの専属メイドクレイが立っていた。
「クレイさん!無事だったんですか!?」
「はい、あの後クロウ様はリュークさん達の元へと向かったのですが、わたし達は騎士団と合流して魔王城付近の魔物達と戦っていました」
そして、リューク達が魔王城内で倒れていると知って騎士団の仲間達と一緒にここまで運んできたそうだ。
「ここは魔王軍と戦う為に最前線で設立された診療所です、皆様怪我を負っていたのでここで治療を受けてもらっている所です」
「そうだったんですね…所で他のメイド達は?」
「メイディはリュークさんと同じ様に治療中、ソフィ、ハクア、ミサは他の人達の治療に行っています」
ここは簡易診療所、リューク達以外にも怪我人がいる、だからこそメイドの彼女達にも協力を求めたのだろう。
「そうですか…所でクロウ様はどこですか?1番酷い状態だったので心配なのですが…」
「…クロウ様は奥の方にいます…ただ…」
「ただ?」
「…もはや生きているのが奇跡と言っても過言ではない程の重傷を負っているので無事とは…言えません」
クロウ身体の状態はリュークはよーく知っている、眠る前にクロウの身体を見たが、あれで魔物達と戦ったなんて信じられない程の致命傷を何箇所も受けていたのだ。
「…そう…ですか…」
「はい…今は治癒師達が付きっきりで看病をしていて何とか生きている状態です、このままだとクロウ様は…」
死ぬだろう、クロウがあそこまでのダメージを受けながらも立っていられたのは仲間を守る為に他ならない、その役目を終えた今、クロウの気力は殆ど残ってないだろう。
「…クロウ様……」
「…………」
リュークの今の状態ではクロウの役には立てない、クレイも流れ出る血をタオルで止めるくらいしか出来ない、ただただ神に祈るしかない。
その神も助けてくれるとは限らないが…
「…(今この現状も女神様は見ている筈、それでも何もしないと言う事は、彼の死を望んでいるのか?)」
リュークはこの世界がどんな世界なのかを知っている、だからこそリュークが生かされたのは女神にとって何か面白い事があり、クロウが死ぬ事で喜ぶ何かがあるのだろう。
「(…本当に酷い世界だよな)」
と、リュークは思う
例え女神はただ見ているだけで、誰が死のうが生きようが、その変化を見て楽しんでいるだけだとしても、大切な仲間を助けてくれない神様をリュークは心底嫌うだろう。
「…僕はクロウ様の為に何が出来るのだろうか?」
「…祈る事しか出来ないと思います」
と、信用出来ない神頼みをリュークはするしかないのだ、これ程までに己の無力さを呪った事はないだろう。
「……世界を救った勇者がまさかの神頼みなんてな…」
「こればっかりは仕方ありませんよ」
クレイの言う通りだ、勇者は魔王を倒す為の存在、死にかけの人間を治す為に存在するわけではない、だからこそ昔から行われている神頼みしかないのだ。
「…でも、見にいく事は出来ますよね?」
「はい…意識はないと思いますが、姿を見る事だけは出来ます…あまり見たくありませんが」
かなりグロい状態なのだろう、インターネットのR18で見る事が出来る系のグロが今のクロウの状態なのだ。
「それでも行きますよ、僕を救ってくれた人がそんな簡単に死ぬわけありませんしね」
「分かりました、わたしは他の人達を見終わったらクロウ様の所へ向かいます、リュークさんもまだ回復してないんですから無理しないでくださいね」
ハクアはそう言うと他の怪我人の所へと向かう、本当は行きたいが、今は行けないので諦める。
リュークは多少ふらつきながらも奥で治療を受けているクロウの元へと向かった。
———————————————————————
そしてそこで見たくない現実を見る事になる。
怪我をした者達がここに運ばれて治るまでここで治療する為に建てた簡易的な診療所、そこにリューク達勇者パーティは運ばれていた。
「…ここは?」
「気が付きましたか?」
「!?」
リュークは目を覚ますとミオの専属メイドクレイが立っていた。
「クレイさん!無事だったんですか!?」
「はい、あの後クロウ様はリュークさん達の元へと向かったのですが、わたし達は騎士団と合流して魔王城付近の魔物達と戦っていました」
そして、リューク達が魔王城内で倒れていると知って騎士団の仲間達と一緒にここまで運んできたそうだ。
「ここは魔王軍と戦う為に最前線で設立された診療所です、皆様怪我を負っていたのでここで治療を受けてもらっている所です」
「そうだったんですね…所で他のメイド達は?」
「メイディはリュークさんと同じ様に治療中、ソフィ、ハクア、ミサは他の人達の治療に行っています」
ここは簡易診療所、リューク達以外にも怪我人がいる、だからこそメイドの彼女達にも協力を求めたのだろう。
「そうですか…所でクロウ様はどこですか?1番酷い状態だったので心配なのですが…」
「…クロウ様は奥の方にいます…ただ…」
「ただ?」
「…もはや生きているのが奇跡と言っても過言ではない程の重傷を負っているので無事とは…言えません」
クロウ身体の状態はリュークはよーく知っている、眠る前にクロウの身体を見たが、あれで魔物達と戦ったなんて信じられない程の致命傷を何箇所も受けていたのだ。
「…そう…ですか…」
「はい…今は治癒師達が付きっきりで看病をしていて何とか生きている状態です、このままだとクロウ様は…」
死ぬだろう、クロウがあそこまでのダメージを受けながらも立っていられたのは仲間を守る為に他ならない、その役目を終えた今、クロウの気力は殆ど残ってないだろう。
「…クロウ様……」
「…………」
リュークの今の状態ではクロウの役には立てない、クレイも流れ出る血をタオルで止めるくらいしか出来ない、ただただ神に祈るしかない。
その神も助けてくれるとは限らないが…
「…(今この現状も女神様は見ている筈、それでも何もしないと言う事は、彼の死を望んでいるのか?)」
リュークはこの世界がどんな世界なのかを知っている、だからこそリュークが生かされたのは女神にとって何か面白い事があり、クロウが死ぬ事で喜ぶ何かがあるのだろう。
「(…本当に酷い世界だよな)」
と、リュークは思う
例え女神はただ見ているだけで、誰が死のうが生きようが、その変化を見て楽しんでいるだけだとしても、大切な仲間を助けてくれない神様をリュークは心底嫌うだろう。
「…僕はクロウ様の為に何が出来るのだろうか?」
「…祈る事しか出来ないと思います」
と、信用出来ない神頼みをリュークはするしかないのだ、これ程までに己の無力さを呪った事はないだろう。
「……世界を救った勇者がまさかの神頼みなんてな…」
「こればっかりは仕方ありませんよ」
クレイの言う通りだ、勇者は魔王を倒す為の存在、死にかけの人間を治す為に存在するわけではない、だからこそ昔から行われている神頼みしかないのだ。
「…でも、見にいく事は出来ますよね?」
「はい…意識はないと思いますが、姿を見る事だけは出来ます…あまり見たくありませんが」
かなりグロい状態なのだろう、インターネットのR18で見る事が出来る系のグロが今のクロウの状態なのだ。
「それでも行きますよ、僕を救ってくれた人がそんな簡単に死ぬわけありませんしね」
「分かりました、わたしは他の人達を見終わったらクロウ様の所へ向かいます、リュークさんもまだ回復してないんですから無理しないでくださいね」
ハクアはそう言うと他の怪我人の所へと向かう、本当は行きたいが、今は行けないので諦める。
リュークは多少ふらつきながらも奥で治療を受けているクロウの元へと向かった。
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そしてそこで見たくない現実を見る事になる。
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