高校デビューを果たした幼馴染みが俺を裏切り、親友に全てを奪われるまで

みっちゃん

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中章 高校生編 ~変化~

第21話 運命の分岐点

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春休み

中学校の終業式が終わり、高校の入学式が始まる2週間の間、サトルは特に何かする事もなく、スマートフォンでネットサーフィンをしていた。

サトル(本当、部活やらなくなってから暇になったなぁ)

半年前までは部活で家に帰ってくる時間は6時過ぎぐらいで、そこからケアやサッカーが少しでも上手くなるようにそれについての動画やテレビを見てレギュラーになれるように頑張っていた

しかし、そんな努力も虚しくなれなかった
サトルはとても無気力になっていた、高校受験も終わり、後は入学するだけなので、今は布団の上にいる

そんな事をしているとついつい眠くなってしまってスマホを枕元に置いて少し仮眠を取ろうとすると

サユ「サトル君?いる?」ガラッ

…幼馴染みのサユが窓から入ってきた

サトル「…久しぶりにそれやったな」むく

窓はちょうどサトルのベットの所なのでサユのために避けるそうするとサユはサトルのベットにダイブして寝っ転がる

サユ「あーサトル君の匂いー…オッサン臭」

サトル「………」

サユ「わかった、わかったから、その右手はしまっておこうか」

いつもみたいにアイアンクローを喰らわそうとしたが、サユに止められサユがベットに座るサトルはテーブルの所に座り何故サユが来たのかを聞いた

サユ「あのね…私、変わってみようかな?って思って…」

サトル「…変わる?」

サユ「うん」

サトルが疑問に思っているとサユが話し続ける

サユ「私ってさ今こんな格好じゃん?」

そう言って自分の姿を見せる
目元まで隠れる長い髪の毛
さらにそこから伊達メガネをかけて
服装も目立たない服装だ

俗に言う陰キャと呼ばれる類に入る

サトル「うん、そうだな」

小学生の頃は普通だったが、あの件以来彼女はずっとこの調子だ

サユ「…だからね、私にサトル君のために変ろうと思うんだ。」

サトル「別に変わらなくても良いと思うが?」

サトルがそう言うとサユはヤケクソに言った

サユ「私が、サトル君の可愛い彼女になりたいから!変わるの!」

そう言うと彼女は話し続ける

サユ「高校生になったら、デ…デートとか行けるところが増えるから、サ……サトル君の為にか…可愛い彼女になりたいから」

そう言ってサユは顔を紅く染める
サトルもそんな姿を見て照れている

そんな事を言われれば反対する事は出来ない
何より彼女が自分の為に変わろうとしているのだ、その思いを無碍(むげ)には出来ない

サトル「わかった、でもあまり無茶はするなよ?」

サユ「うん、ありがとうサトル君、大好き」

サトル「俺も好きだよ、サユ」

そう言って2人は唇を合わせる

——————————————————————
チサト「…それで?なんであたしを呼んだの?」

春休みのとある日、チサトはサトルと共に
サユの部屋にいた

サトル「ああ、あいつ今の姿を変えるらしいから、それのお披露目会みたいな感じかな?」

自分の為に変わってくれるとは言わない、そんな惚気話を聞かされても、相手はいい思いなどしないからだ。

チサト「…俗に言う高校生デビューってやつ?」

サトル「…まぁそんな感じ」

嘘は言っていない、高校生で変わると言う事はそう言う意味でもあるからだ
そう言うわけで2人はサユの部屋で待つ

因みにサユはLINEで呼んでいるだけで、姿は見せていない、なので今の彼女の姿がどうなっているかはわからない

サトル「…なんか緊張するな」

チサト「なんでお前がするんだよ?」

サトル「うるせぇ」

そう言いながら2人は机の上に置いてある
ジュースを飲む

その最中にドアのノック音が聞こえ、ガチャと言う音とともに

サトル「…………………………」ゴト…

チサト「ブフゥーーーーー!?」バシャ

超絶美少女がそこにいた

サユ「ちょ!?大丈夫!?2人とも!?」あわわわ

驚きのあまり、サトルは口からジュースを滝の様に零しながら、手で待っていたコップを落とす

チサトは驚きのあまり吹いてしまい、周りにジュースを吹きかけた
その後もずっとむせている

それ程までに彼女は変わったのだ
目元まで隠していた髪を切り、髪を整え
メガネを外す

たったそれだけだが、十分インパクトがある
黒髪ロングの美少女、元々素材が良く
いじめと言う辛い過去のせいで、それが
隠されていたのだ

サトル「………」

チサト「………」

2人とも頭が停止したまま暫く硬直していたが、次第に動き始め、一言

サトル「…可愛い」

チサト「…以下同文」

サユ「………/////////」かぁ

慌て床を拭いている彼女がその言葉を聞いて耳まで紅くする

サユ「…そ…そうかなぁ?ま…まだ…全然やってないけど…」

サトル「いや、やる必要はない」

チサト「これで良い」

そう言って2人はこれ以上の変化を求めなかった、彼女自身はそれだけでもまた照れてしまいこちらを方を見ようとしない

サトル「あ、そうだ!」ゴソゴソ

サユ「?」 

チサト「どうしたんだ?」

そう言ってサトルはポケットの中からスマホを取り出す

サトル「とりあえず、待ち受けにしたいから1枚」カシャ

サユ「ちょ!?」

チサト「あらあら」

サユが拒否する前に瞬時に写真を撮る
サユは更に顔を紅くしてこちらに詰め寄る

サユ「消して!今すぐ!消して!」バッ

サトル「そんな事を言われてもなぁ…」スカ

チサト「………」

サユの行動パターンをよんでいるのか、綺麗にかわす、その後、サユは力尽きてその場に倒れ込む


サユ「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ…………」

サトル「…体力なさすぎじゃね?」

チサト「元運動部、考えろよ」

チサトはサユを介抱しながら、
サトルにつっこむ、理解はしているが、それでも…だろう

サトル「………取り敢えず待ち受けにした」

サユ「ちょっと!?」

チサト「後であたしにも送ってね?」

サユ「チサトちゃんまで!?」

チサトはサユを介抱していたが、それはあくまで介抱だけであり、それ以外のことをしないとは言っていない

サユ「…ふふふ、此処には私の味方なんていないのね……」

何かを悟ったのか、倒れ込みながら不穏な
オーラを出す

サトル「…………」カシャ

チサト「…………」かしゃしゃしゃしゃしゃしゃしゃ………

サユ「なんでこんな状況なのに写真撮るの!?」

サトル「だって可愛いんだもん」

チサト「だって面白いんだもん」

サトル、チサト「ねー」

サユ「ねーって…もういいや」

全てを諦め、なんでお披露目会なんてやったんだろうと、真底後悔したサユであった

——————————————————————
サユ「………」むすー

サトル「悪かったって、いい加減機嫌直してくれよ、な?」なでなで

サユ「………….」ぷい

サトル「………」なでなで

あれからチサトが帰り、サユと2人きりになってから、サユはずっと不機嫌のままだった
なんとか機嫌を戻そうとサユの頭を撫でているが、特に変化はない

サトル「なー、なんで写真撮っちゃダメなんだよ?」

サユ「…恥ずかしいから」

サトル「どうせ入学式で皆んなに見られるんだから関係ないだろ?」

サユ「それでもまだ恥ずかしいの!」

サトル「…そんなに?」

サユ「…そんなに」

サトル「わかったよ、後で待ち受けはやめておくから」

サユ「…なら、許す」

サトル「ありがとな」

そう言ってサトルは窓から…ではなく、玄関から帰る

そして自分の部屋に帰って、約束通り待ち受けはやめた…しかし

サユ「写真も!消してよね!」ガラッ

サトル「チッ、騙せると思ったのに」

………この後一悶着あったせいで母達に正座での説教を受けたのは言うまでもない。

——————————————————————
やっと、本編書けました、投稿ペースもどうなるかわかりませんが、最後までよろしくお願いします!

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