高校デビューを果たした幼馴染みが俺を裏切り、親友に全てを奪われるまで

みっちゃん

文字の大きさ
36 / 64
最終章 高校生編 〜全てを失うまで〜

第32話 協力者達

しおりを挟む
フブキ「へぇ、先輩の彼氏さんって、磨けば中々の…」ふむふむ

いきなり現れたチサトの後輩、フブキは
サトルをマジマジと見て、ぶつぶつと何かを言う

その姿に嫉妬したのか、チサトが間に入って止める

チサト「何ジロジロ見てんだよ?」

サトル「それ、俺のセリフ」

フブキ「いやー(^◇^;)、お二人さんが仲良くしていたので、つい…」

フブキ「リア充死ね!っと思いまして」てへ

…満面の笑みで浮かべるフブキの姿に2人は
恐怖しながらも一緒に学校に向かう

サトル「…ああ…腰が痛え…」トントン

チサト「情けないなぁ、この程度で痛がるなよ」

サトル「お前と一緒にするな、こちとらずっと引きこもっていたんだぞ?」

そんな事を言いつつ、不思議に思う
たしかにずっと家にいたが、こっちは
男子高校生…つまり男だ

チサトは女性、それなのにここまでの差があるなんて

サトル(小学生の頃だけど、俺はチサトと喧嘩をした事がある)

あれから6年以上は経っているが、それからはチサトとも共に過ごしてきた
これと言った事はしていない筈だが

サトル「なぁ」

チサト「?」

サトル「お前とフブキって子は何処で知り合ったんだ?」

きっとそこに何かしらのヒントがある筈だと踏んだサトルは、チサトにフブキとの出会いを聞いた

チサト「………」

しかし、言いたくないのか、チサトは黙ってしまった

フブキ「先輩、今言わないでいつ言うんですか?」

先程と打って変わって真面目な顔でチサトを見るフブキ

その表情を見て覚悟を決めたのか、小さな声で「そうだな」と言いこちらを見る

チサト「あたしの家庭の事は大まかな事は知っているだろ?」

サトル「ああ、と言っても両親が屑な事以外は知らないぞ?」

サトルがチサトの家に行った時に聞いた話だ
父が不倫して出ていき
母が借金で連れて行かれ
今は親の残した金でなんとかしていると

チサト「実はあたしが小学生の頃にやらかしてから、可笑しくなったんだ」

サトル「え?」

そこからチサトは昔話を始める

チサト「いじめがバレてから、夫婦仲は悪くなった、こんな風に育ったのはお前のせいだ、あんたのせいだと、ずっと言い合ってた」

サトル「………」

チサト「中学に入ってからは更に悪くなって、家には殆ど両親はいなかった」

チサト「だから…まぁ、夜とか外に出歩いていたりしていたら、ヤバい奴らに絡まられたりするんだよ」

サトル「チサト……」

知らなかった、チサトがそんな素振りを見せた事がないから、ずっと気がつかなかった

チサト「そんな時に助けてもらったのが、こいつの姉、ミヤビさんだった」

フブキ「うちの姉って巷では有名なヤンキーなんですよ!」

そんな事を言われても…とサトルは思うが黙っておく、先ずは話を聞こう

チサト「それからあたしはミヤビさんに色々と相談に乗ってもらって、なんやかんやあってそのグループに入れてもらったんだ」

サトル「…成る程、だから髪の毛も金に染めて、喧嘩も強かったんだ」

チサト「まぁ、入ったのは中学の部活を引退してからだけどな」

これで納得した、チサトは不良グループに入っていたから、多分シマ同士の争いにも参加したのだろう、だから多少なりとも力はあるわけだ

サトル「なんか…ごめん」

そう言って頭を下げる、その姿にチサトは困惑しながら首を振る

チサト「サトルが謝る事じゃない」

それでも…だ

サトル「それでも、俺はお前の家族の綻びを入れた人間だ、本当にごめん」

チサト「…お前は本当に優しい奴だな、…あの女が好きになるのも理解できる」

チサト(まぁ、その優しさを裏切った最低な奴でもあるがな)

フブキ「ああ、はいはい、朝からコーヒー(ブラック)を飲みたくなる程あま~い胸糞展開ありがとうございます」

このままだとずっと謝り続けるし、なおかつ2人の見たくもないやりとりを見なくてはいけないので、フブキが話を終わらせる

サトル「すまんすまん、…んで話は変わるけど」

サトル「チサトは今、その不良?グループの1人って事で良いのか?」

チサト「ああ、毎日ではないけど、定期的に参加しているよ」

フブキ「私も参加してまーす!」

サトル「ああ、うん」

フブキの元気さにはついて行けそうにないが、この2人が巷では有名なグループにいるって事だ

サトル「んで、フブキ…さん?」

フブキ「フブキでいいよ!タメだし」

サトル「え?まじ?」

チサトの事を先輩と呼んでいるので、歳下かと思ったが、どうやら違うらしい

チサト「ああ、高校も同じだ、クラスが違うから接点がないけどね」

成る程だから知らないのか
サトル達の学校は全校生徒1000人を超える
マンモス高だ、その為同じ学年でも三年生になって初めて知る、なんて事はザラにある

きっとこんな事にならなければ、フブキと
サトルは出会う事はなかっただろう

サトル「んじゃあフブキ」

フブキ「はいはーい」

サトル「…君の仲間達はこの事を全部知っているのか?」

そう、フブキがこんな事を知っているのは
きっとチサトが話したからだろう
ならそれが何処まで広がっているのか確かめなければならない。

フブキ「はいー!みんな知ってますよ!」

チサト「…この事は内緒って言ったんだけど、この子、とても口が軽い事を忘れてて」

フブキはニコニコしながら、チサトは頭を押さえながらサトルに話した

サトル「…なんか、大変そうだな」

チサト「…わかる?」

肩を叩いて、同情の目を向ける
チサトも死んだ魚の目をしていた

サトル「…まぁ、兎に角、この事はフブキ達の仲間には知れ渡っている…んで良いのかな?」

フブキ「はい!もうみんなカンカンでしたよ!」

チサト「カンカン?」

サトル「…なんで?」

その人達は関係ない筈…それなのに怒る理由がわからない


フブキ「なんでって?…寧ろわからないんですか?特に先輩」

チサト「え?なんであたし?」

フブキがチサトを見ながら話す、チサトは
フブキの話が理解できないのか、もしくは
心当たりがないのか不思議そうに聞き返す

フブキ「ハァ、先輩、皆んなからすっごい慕われているんですよ?」

サトル「…へぇ凄いな」

フブキ「そんで、先輩がずっと片想いしているのも知っていて」

チサト「え?」

チサト(え?嘘?………バレてたの!?)

フブキ「それでも、好きな人の幸せを願う姿に皆んな感動してたんすよ」

サトル「………」

チサト「…なんか言えよ、サトル」

フブキのマシンガントークと衝撃の事実で
言葉を失う2人

サトル「…もっと好きになった」

チサト「…ん」

フブキ「……チッ」ぺっ

また2人の世界に入りそうだったので止めに入る、2人は慌ててフブキの話に戻る

サトル「それで、感動してどうなったん?」

フブキ「感動して、応援しようって決めてたんですよ」

チサト「…応援………」

どうやら知らない間にそんな事になっていたらしい

フブキ「…そんで、あんな事が起こったんす」

サトル「…サユのあれか?」

サユと言う名前を口にしただけでフブキの顔が恐ろしいほど凶変する

フブキ「ええ、あんなクソビッチの所為で彼氏さんは引きこもって、先輩も悲しんだ…」

フブキ「理由なんて…それで十分ですよね?」

チサト「…あたし顔に出てたんだ」

チサトはバレないようにしていたつもりだったが、仲間達はお見通しだったらしい

サトル「…なんか凄い人たちを知らないうちに仲間にしていたみたいだな」

ミヤビと言う人物がどんな人かはわからないが、チサトを助けてくれた人だ信用できるだろう

フブキ「…取り敢えず、放課後先輩は彼氏さん連れていつもの所に来てください、私は仲間を呼んできますので」

そう言ってフブキは走って行った

サトル「中々個性的な子だね」

チサト「でも、良い子だから」

サトル「それはわかってるさ………チサト」

チサト「?…どうし………///////」

サトルがチサトの名を呼んで、チサトが顔をサトルの方に向けると、唐突にキスされた

サトル「改めて、俺を救ってくれてありがとう」

チサト「…馬鹿、好きな人の為だし…それに」

サトルが顔を離そうと動くと、チサトは手で顔を押さえて、舌を唇の中に入れる

チサト「これから…だろ?」

サトル「…ああ」

そう言って2人は時間を確認する

サトル、チサト「「………」」

そして、全力で走り始めた

——————————————————————
コメントありがとうございます😭
モチベーションが上がりました!
…ただすいません、投稿ペースはキツイですね(~_~;)

それでも、完結はさせるので待ってくださると幸いです。




しおりを挟む
感想 161

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに

家紋武範
恋愛
 となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。  ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...